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風の部屋  〜 投稿順表示 〜


[1] 溜め息
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涼しげに
吹いていた風が

ある日凪になり

自ら風を起こす
気力もなく

空気は淀み
呼吸が苦しくて

泣いて泣いて
泣いて泣いて
過ごす日々


少しずつ
こころの雨が
どんより曇り空に
なる日が続いて

溜め息ひとつ



気力がなくて
溜め息ひとつ



だけど
微力ながら
自力で

ぼくは
風を
起こせたよ



自分で
風を
生み出した



溜め息すら
再生の合図の
風興し





2007/11/25 (Sun)

[2] ぼくがするべきこと
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いつも人の気持ちを
大切にすること
ばかりを考えて


ぼくは自分の気持ちに
黙れと
命じてきたんだ


ぼくがするべきこと


楽な方の扉を
選ぶことは
逃げることではない


自分を苦しめることは
真剣に生きることとは
別ものだから


もう誰かの為に を
やめていい


ぎりぎりの崖っぷちを
選んで歩くのは
よそう


道は他に
幾らでもある


なければ
自分だけの
獣道を作ればいい


本当のぼくは
誰もが歩きやすい
舗装道よりも


誰も通らない
獣道が
好きなのだから





2007/11/25 (Sun)

[3] ある小春日和の出来事
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ある穏やかな
小春日和に


あなたは優しい瞳で
寒椿の花を
撮影する


激しさの裏側の


ほんのりあたたかな
あなたの一面を
垣間見る


人の感情を司る場所は
誰も知ることは
できないけれど


ぽとりと花が
落ちる前に


こっちを見て
微笑んで


やがて雪が降り
あなたは遠く離れても


寒椿の花は
あなたを映す




2007/11/25 (Sun)

[4] 小高い丘に
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小高い丘に
立ってみよう


空も街も
いつもと違う風景


高い場所からだって
上から目線には
ならないよ


見たことのない視界に
感動したり


でも街にいる人からは
見下しているように


見えてしまうのは
何故なんだろう




2007/11/25 (Sun)

[5] 返ってきたラブレター
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あなたに送った
ラブレターは


そのまま
宛先不明で
戻ってきたのに


苛々して
きらいって
呟いた小さな声は


風が
勝手に
届けてしまう


地獄耳のあなたに




2007/11/25 (Sun)

[6] 自分自身を取り戻せ
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こころの荒れ模様を
抱えているのが


辛くて
せつなくて


詩に
誰かに
叩き付けたくなる


だけど
本当に書きたい
言葉は
これでいいの?


地底から沸き上がる
不安の汚泥を


喩え真実だとしても
誰かのせいだと
訴えるだけでは


不安は拭えなかった


どんなに叫んでも


消えなかった


僕の言葉は
こんな荒れ狂った
表現を


したくはないんだ


抱えた辛さ以上に
自身の言葉を
失くしていたことが
辛いと


ようやく悟った




2007/11/26 (Mon)

[7] 憂鬱は冷蔵庫に
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遣りきれない憂鬱
抱えて


部屋の片隅に
蹲っている時だって


きみの微かな
すすり泣きが
聞こえたら


ぼくのどこかに
スイッチが入る


もっと泣いていいよ


泣いた後は
体が凍えるから


そうならないよう
ぼくは必死で
呪文を探すんだ


遣りきれない憂鬱は
邪魔だから
床に放り投げたら


きみの為に
右往左往している
うちに


いつの間にか
蹴り飛ばして


冷蔵庫の隙間に
転がっていった


憂鬱は冷蔵庫に
任せて


きみのことはぼくに
任せて




2007/11/26 (Mon)

[8] 休日の動物園
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せっかく
あなたと来たのに


鍵付きの動物園


中で動物たちは
いつも通りに
寛いでいるのに
入れないんだ


いつしか
あなたの胸にあった


鍵付きのこころ


確かにあなたは
いるのに
掴めない
入れない


鏡に映った
わたしの姿


そこにもあったんだ
チェーンでがっちり
二重にロックされた
鍵が


鍵の開いた時に
動物園に行けば
あなたとわたしの
鍵も


外す勇気
でるのかな




2007/11/27 (Tue)

[9] どちらがお好み?
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嫌いだよ
大嫌い
とにかく嫌いだ

*ぼくの嫌い=比類なく愛しているという意味だよ


と言われるのと


好きだよ
大好き
すっごく好き

*ぼくの好き=言葉通りにとても好き


と言われるの


どっちがいい?




2007/11/29 (Thu)

[10] 愛ってきっと
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いつも優しく

愛されたがりの

きみが初めて

厳しい愛を

くれた瞬間



辛さより

きみの変化が

ぼくの胸を

占領したよ



間違いなく




2007/11/29 (Thu)
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