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梅宮の部屋  〜 投稿順表示 〜


[1] 懲りない面
詩人:梅宮 [投票][編集]

歩く亡者
嘆く健常者
死んだ人
死んでほしい人
狂えるほどに無感動

走る指先
割れた頭
凡庸な感性
現実逃避

沼の底
また一体、私が降りてくる

2018/06/06 (Wed)

[2] 悠幻
詩人:梅宮 [投票][編集]

ひとひらの夢が翁樹から溢(こぼ)れ その手に着地する
風の香は甘く桃源の色をしていた
貴女の着物は赤く 唇に挿す紅もまた赤く
淡い光に包まれた画の中で 唯二つ 鮮明に映える

朝霞の雫 そのひとつひとつが
雑音(ぞうおん)を吸い込み 雑事から切り離す
そこには静謐が溢(あふ)れていた

初恋の人の横顔は清らかで
いついつまでも清らかで
僕はただじっと 魅入るのだ

最期の瞬間(とき)を迎える今に




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ひとひらの夢が翁樹から溢れ その手に着地する
風の香は甘く桃源の色をしていた
貴女の着物は赤く 唇に挿す紅もまた赤く
淡い光に包まれた画の中で 唯二つ 鮮明に映える

朝霞の雫 そのひとつひとつが
雑音を吸い込み 雑事から切り離す
そこには静謐が溢れていた

初恋の人の横顔は清らかで
いついつまでも清らかで
僕はただじっと 魅入るのだ

最期の瞬間を迎える今に

2018/12/05 (Wed)

[3] 夢のあとさき
詩人:梅宮 [投票][編集]

夢のあとに風が一陣
始末を付けられない男たちは 無防備に

夢のさきに花が一房
女はいつも現実的で だから幻想的で

出会ったのは間違いだったのか 正解だったのか
追い求めた物は幻だったのか 現実だったのか
そこにあった物は愛だったのか 望みだったのか
誰も知る由はない
今はただ 夢の抜け殻があるだけ

2018/11/02 (Fri)

[4] 夢うつつ
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私の指があなたの手に触れる
ここはベッドの中
寝息が鼻先にかかる距離であなたは寝ている
私も微睡みの中
体を繋いだあと 二人は違う夢を見る
肩が寂しい
私の指があなたの手に触れている
あなたの手はあなたの横にある

2018/11/06 (Tue)

[5] かもめ
詩人:梅宮 [投票][編集]

遠鳴りの海に風が鳴く
ヒロイックな君 術無く立ち尽くす
夜毎日毎見る残夢
悔恨の雫が胸に差す
明日に生きる雛鳥
過去に縋る老い鳥
折れた翼 飛べない庭鳥
遠鳴りの海に風が鳴く
鴎が日に映え 一声

2019/01/05 (Sat)

[6] 桃花源
詩人:梅宮 [投票][編集]

 桃の花が ひとひら 舞い降りる
 ふたひら みひら その髪に
 よひら いつひら その肩に
 むひら ななひら はらりと触れて
 これはゆめ あなたの夢の中
 花びらに あなたの笑顔が埋まる

「何か面白い事でもありましたか?」
「いいや」
 たずねる私にあなたはわらう 私もわらう
「おかしな人ですね」

 これはゆめ ゆめのなか あなたの夢の中
 私はわらう あなたもわらう
 目が覚めたとき
 あなたは覚えてくれているでしょうか
 あなたとわらう 私の顔を

2019/01/15 (Tue)

[7] 
詩人:梅宮 [投票][編集]

陳腐な芸達者
君が付けたあだ名
と言うより悪口だよね?って笑う僕に
ちゃんと褒めてるよって笑うから
まぁいいかって
思って僕は
今日も芸を披露するよ

2019/03/08 (Fri)

[8] 歓待
詩人:梅宮 [投票][編集]

夜のわななきに蹄鳴る
駆る痩躯はまだ知らず
きみの名を まだ聞かず
今は凍んだ風に白を吐くのみ

とうさま かあさま あにさま
どうかあの子をお守りください

朝のいななきに安堵する
夢よ見よ
きみの名を呼べる歓びを

2019/06/19 (Wed)

[9] 
詩人:梅宮 [投票][編集]

歩き出す早春に光を見る
希望と共に抱いたのは果てのない夢だった
落とし込んだ影がついて来るものだとは露程も思っていなかった
漫然と歩く足跡に咲く花は無い
種を蒔き忘れたと気付いた時には最果てが目に見えていた
どこまで行っても道は続く
限りある資源を踏みつぶして舗装した道は無限で
限りなく流れる時間は寿命に押し負ける
歩き出す早春に夢を見る

夢はただの夢だった

2019/06/16 (Sun)

[10] 罪はどこにあったのか
詩人:梅宮 [投票][編集]

ただ貴女が好きだった
ただそれだけだった
気持ちを形にしなかったことを責められるなら
形のないものを見ようとしなかったその目も責めさせてほしい
待ちきれなかった貴女を責める事が出来るなら
迎えに行かなかった僕も責められるべきなのだろう

ただ貴女が好きだった
ただそれだけだった
そこに罪がある事を知るには
僕は『人』を知らなさ過ぎた

2019/06/16 (Sun)
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