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高級スプーン似の部屋  〜 投稿順表示 〜


[1] 殺気、捨てたのは
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覚えているか
見ろよ この惨め

お前 薄目をあけ
反射した月の光を
反射して
俺を照らす

見ろよ この姿
猿だ 鬼だ バケモノだ
なのに
人の面を下げて
夜の道まで歩くのか

青く 冷たく映るのは
周りが暗いから
じゃない
枯れているから

お前 薄目をあけ
俺を照らす

身震いよりも速く
伝わる無音
根を張り 芽生え
辺り一面の火花
即座に散らし

防犯カメラは誰の為?
左胸 焼けて残る
映るものから
さりげなく逃げる

見ろよ おい見ろよ

忘れるな
開けた薄目に
映る姿を

見ろよ

2007/06/14 (Thu)

[2] あの辺
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夢の始まりと同じように
今より手前が
思い出せない
けれど
どうやら半分以上が
崩壊(ダメ)になったそう

進んでいるけど
歩いているのか
みなどこか
自力じゃない気が

無機質なエントランス
人工的な光が反射
様々な顔が行き交う
座っている人まばらに
無邪気なわが子の笑顔に
疲れた顔で応える母も

会社帰り
帰れなくなった風の男
若者が4、5人で大爆笑
お前等こんな時に何を

ちらり怒り睨む中年

いつもより少し
殺伐としている程度
案外こんなもんか
パニックは意外と少ない
知らないあの子が
息を乱す
通り過ぎれば
視界から消える程度に

付属のエレベーターは
景色を楽しめるタイプ
気が付いたら
そこに乗っていて
最上階のボタンだけ
光っている
昇っていく
見えてくる全体

変わった町並みに
ようやく気付く
一目見て分かる
人を統べる人外
支配者の住む城
以前あそこは
テーマパークだった
これから先
どうなるんだろう

ありえない状況も
起こればすんなり
受け入れて
既に世界は
終わっていてもまだ
俺は生きている
夢ならとっくに
覚めているけどまだ

黒い雲々に塞がれて
暗く淀んだ
あの辺を
俺は見ている

2007/06/16 (Sat)

[3] フリースタイル
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どんより雲が覆う空
降りだしそうな雰囲気に
飲まれない俺は
まだ帰ろうとしない

兄が屋根裏に飾った
昆虫の標本
見ても感動せずに
怖がる俺は
閉じ込められない一瞬
自由な気がした

好きなフォームで
自転車漕いで
ぽつりぽつり落ちてくる
雨粒を避けろ

歴史にも
アルバムにも残らない
一瞬の間奏
あの時
何を考えたのか

忘れた
思い返すのにも疲れ
どっぷり夢に浸かる俺

2007/06/18 (Mon)

[4] そのまま息を吹き返す
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渡す相手もいないのに
去れないじゃないか

ついさっきと同じ場所
同じポーズから
手足を動かし体を起こす

変わらない状況
むしろ悪くなっている
勝ち目はないのに
交替できずに
あらぬ方向を
見つめるばかり

悲しみがあった
嘲りと自虐
だけれど
笑いもあったんだ
いいじゃないか
ここらで終わりで

ブザマでも
区切りはいいぞ
幸せじゃないが
今ならいいだろ

静かな気持ち
輝きも目の前に
あとは
右手のバトン
渡す相手を探したら

いなかった

2007/06/21 (Thu)

[5] まるで幽霊
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いま聞いても新鮮な
物静かで
力強い声が
僕を揺さぶった

内側に意識が向いて寒い
あわ立ち 弾ける
インスピレーション
それらを逃すまいと
無数の触手になって
包(クル)む感覚
反対に
熱を帯びていく

発音せずに独り言
一日の流れから離れ
ふわふわと
実体のない海を泳ぐ

半世紀よりも前から
未来から吹く南風
その風を受け
返ってくるものは

力いっぱい叫んでも
誰の耳にも届かない
苦しむだけの声もある

それでも傾ける
聞こえてくるまで
待ち続け
形になるまで考える

そのまま外へ飛び出して
僕の声となり
出会う誰かを震わせる







宮沢賢治作
「生徒諸君に寄せる」を読んで

2007/06/23 (Sat)

[6] 話せば長くなる
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「…」





2007/06/30 (Sat)

[7] コンコンコン♪ガチャリ
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頭の中に
お邪魔します

あなたと目が合って

数秒間

左から右へ
流れ込んだのは
数十文字

この先を読めば
さらに増える


心に残るものはあるの

忘れられても
片隅にでも

心に残るものがあるのなら

伝えたい気持ちを
共有できるかな



同じ景色を前にしても

あなたと僕では少し
色も匂いも
違うかもしれない

感想も感覚も
違うかもしれない

どれだけ近付いても
悩んでも努力しても

「ヒトツニハナレナイ」

って言うのは
そんなところに
理由があるのかも


あなたと目が合って
たぶん
数十秒間

前から後へ
流れ込んだのは
数百文字

最初の漢字をまだ
覚えてるかな

最初の感じをまだ
覚えてるかな


心に残るものはあった?

忘れられても
片隅にでも

心に残るものがあったなら

伝えたい気持ちを
共有できたかな



読み飛ばしたのなら
またの機会に


頭の中に
お邪魔しました

2007/07/07 (Sat)

[8] 棚からバター飴
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昭和が終わって
僕らは生まれた
昭和を知らずに
僕らは育った

巌頭之感に支配され
何をしてきたのかも
分からぬうちに
何もなかったかのように
終わらせようとしたら
余計なものだけが残り
多大な迷惑をかけた
夢だった
では
済まされなさそう

ニュースを見て思った

今年で40のフリーター
彼女を見つけようと
テレクラ、出会い系
チャットにMMO
時は経ち
俺の頭はハゲても性春
純愛には偏りが不可欠
恋に勤しみ風俗通い
果ては
幼女にストーカー
睡眠薬をビールで流す
目が覚めて
隣を見たら
見知らぬ誰かが
裸で死んでる
という
携帯小説が売れる理由は?

シンジ君と同学年
親の視線から逃れられず
学校に行っても
よそ見をしてばかり
サザエさんや
ドラえもんのように
歳を取らずに
いつまでも生温く
平和の中を生きるのが
あの頃の願い

しかし
中の人が変わり
チャンネルを替えた
段々と
TVを観なくなり
お前を見るようになり
お前も見なくなり
世間の流れに
逆らわないで
流れていくにも
ある程度の能力と
努力が必要だと知った

今の願いも昔の願いも
言葉は違えど
中身は同じ
美味しくはないが
かろうじて
「恵み」と呼ばれる
ソレを
心にもない
ありがとうと交換
作り笑顔で騙して
受け取った時の
後ろメタファーと
言ったらないよ?
けどね

棚から
ダイヤじゃなくていい
与えられる側なのに
上からの物言いっぽい
それは
小さな他力本願だろう?
死後落ちるであろう
地獄でも罪は軽いような
返さなくてもいいような
小さな力を借り続けて
生きられたらなぁ

ロクでもない
豚でもない
願いは要らない
そうは言うけど

小さな力を
貸してほしいと願った

普段
優しいあの人は
助けてくれなかった
とは言うな





TANABATA
vol.1「今年の願い」

2007/07/07 (Sat)

[9] 070707
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俺の名は教えない
山田家の機密だから

表向きは
アクション映画好きの
いたって普通の高校生
けれど本当は…

コードネームは
070707
(スリーオースリーセブン)
ジェームス・ボンドの
マネをしたくて
イギリス諜報同好会を
設立するも
他に誰も集まらず
何の依頼もなく
終わるという過去を持つ

せめて素敵な
“俺ガール”をと思い
学園内を奔走し
美ガール達に
オファーしまくるが
「友達にも思えない」と
断れてばかりの毎日
それ位じゃ挫けないぜ

愛用している時計は
もちろんオメガ
3ヵ月分の給料を
(もちアルバイト)
はたいて買ったのに
よく見るとロゴが
“UMEDA”じゃん!

気付いた時には
さすがの俺も
落ち込んださ
(露店での買い物は慎重に)

そんな俺だけど
今日は
マジ気合い入れて
歌うんで
聴いて下さい

世界の中心から…
(部屋の片隅から)

「織姫と俺サトシ」

お前が誰だか
知らないが
現れてみろよ
愛してやるぜ

俺は
特定の人を守り
俺は
特定の人を愛す
不特定の他人は
守らないし
愛さない

お前が誰だか
知りたいから
現れてくれよ
愛せないだろ

願いを叶えてやるから
俺の願いを聞いてくれ

お願い
彼女を見つけて下さい

雲一つない七夕の日にも
出会えなかった

07年07月07日
今年こそ
俺を彼女に
会わせておくれ

語り「俺は特定の人すら
愛せないのか…」終わり

ララランラン
ラリルレロ〜

‥本当は
恋愛映画好きの
モテない普通の高校生

フルネームは
山田サトシ
(マウンテンダ!サトシ!)



アリガトー!
(涙目)





TANABATA
vol.2「愛」

2007/07/07 (Sat)

[10] 割れない風船・先
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目の前にて

細長い尻尾
ゆらゆらと
風になびかせ
その先を
辿らせようと
俺を誘う

何をしていても
視界に入る
今年一番の
ヒット曲だろうと
そればかり流れたら
ウザイってのに

もういいよ
目障りなんだ
消えてくれ
お前を見ても
虚しくなるだけ
見てもらいたいなら
他を当たれよ

突き放しても
手応えはなく
尻尾をフリフリ
つかず離れず
俺の側を泳いでる

嬉しそうな気配
伝わってくる度
こっちは気分が
滅入るんだって

こんな結果を
招いたのは
俺自身なのに
直視できず
嘆いてばかり





TANABATA
vol.3「夢」前編

2007/07/07 (Sat)
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