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リコの部屋  〜 投稿順表示 〜


[1] 御免よ銀色マイク
詩人:リコ [投票][編集]

透明電波を浴びながら
文字横並べ

5cmに収縮された
心の世界は
灼熱砂漠と雨嵐
同居して


びゅおお

カラッカラ

びゅおおお

カラッカラ


砂漠の真ん中
城も泉もラクダも

知らぬ私の

丸めた背中から
「唄えよ」との
声が聞こてくる


これこの今の
自己表現と
言えるか言えぬか
知らないけれど

唄は
しかし唄と言うのは

命を削らねば

苦を
伴わねば

唄えないよ
舞は舞えないよ


熱い熱い命の器
同じ持ち主でも


貴女と私
温度は違い


貴女は100度

燃えたぎる生の炎に

私は震える


私は人肌36度


それは
哺乳瓶に納められた
あの黄ばんだ乳の様


それをぴぃぴぃ
欲しがる

あられもない股間をさらし
情けの無い産声あげて
むきだしの肌で
姿をさらす

これ



人間、



赤児


嗚呼


ギタァケィス
開けれずに
情けなくて

だのに
針山に
身を落とす様な
特異感覚

「怖 い」


だから唄った
だから唄えぬ


覆い被さる
大きな矛盾

唄わぬまま

産湯から
抜け出せぬまま

私は―


御免よ御免よ

銀色マイク

2005/10/13 (Thu)

[2] 魔物の住む箱
詩人:リコ [投票][編集]

湿った手足
悟られない様に


ディストーション
最大でお願い

こちらから
目配せ貰ったあんた

無言で確かな歪みを
くれる


死んだ兎
思わせる様に

目尻は赤く
唇は黒に近い


大袈裟に
武者震いして

からっぽを意識

馬鹿派手に
飾りたてたこの身体に
ほら待ってる
あの子の呪いがかかるのを


儀式はそう
昨晩の

セックスの後の
マルボロの味

シーツについた血
右目で見て

殴られた顔を
人差し指でなぞる

剥れた化粧は
自ら嘲笑ってやった


―なぁあんた

ちゃんと弾かなきゃ
容赦しないよ

あんたは明日

数百人もの女を犯すんだから

壊れずに
狂わずに

あたし
最後まで
歌いきるから―

あんたは
八重歯で返事をした



1、2、3

ああ今にも
喰われちまいそだ

ヨダレを垂らして
待ってやがる

悪魔と魔物と女の匂い

突き立てる剣は

この手の中に


どこまでも
どこまでも


殺してやろう


マーシャル振動
ハウったマイク


目玉を抉る様な

哀しみの音の中で


淫乱に
乱交に
倒れこんで

フォービスムに
攻撃的に

やりたい放題


解放の誓いを

睨み合って

イマジン
意思疎通


舐める様に

マイクを掴んだら


モンスターとの


死闘開始だ

2005/10/13 (Thu)

[3] コーヒー狂歌
詩人:リコ [投票][編集]

雨に濡れた新宿駅
改札前
コーヒーショップ

斜め右


凛と佇む僧は殿方
巡礼御一人
泥足は泣いてる様に


チリンと鳴らせば


赤い傘の女の子

ママあの人
なにやってんの

幼い声に
まっすぐ刺され


あみがさから
垂れた雨水
耳の奥まで辿り着き


ごわごわ
目に映る世界遠のけた

一つまた一つ


赤や青や透明や黄色のコウモリが

行ったり来たり
行ったり来たり

どうでもいいと


ふと見下げれば

踏み締められた
吸い殻とキップ


極楽浄土旅立った
妻と重ねて


全身の血が
のけ反った


俺は何をやってんだ


俺は何をやってんだ


俺は何をやってんだ


死角を選んだはずであった
ほら見ろ皆
石ころにしか見えない

俺の修行は成功だ


俺の修行は成功だ


俺の…


突如
目の前を横切る
紙コップ

そこから

香しいコーヒー豆の

ふわんとした匂い


消化したはずの
喪服色した絶望


(クソッ)


浄化しきれぬ
確かな確かな

日々刻まれた
視覚と嗅覚は


妻の入れた
あの黒褐色の液体

習慣の匂い

新聞紙越しのお前が


何やってんの
早くしないと
電車行っちゃうわよ


困り顔で
毎日言うんだ


リピート


何やってんの

何やってんの

何やってんの


何やってんの



何やってんの…


ねぇママあの人なにやってんの


はやく
しないと

でんしゃ
のりおく





チリンチリンチリン!!!
乱暴に振り鳴らし


鼻についた

雨混じりの
コーヒーの匂い

かき消そうと

ザァァァァァァ…


チリンチリン


ザァァァァァァ…


チリンチリン


(お前に会いたい)


人混み忙しく
騒つくホーム


(お前に会いたい)


煩く小さく
漏らした声


天を仰いで


嗚咽をあげた

2005/10/14 (Fri)

[4] 阿呆ヒメイル
詩人:リコ [投票][編集]

お前が教えてくれた


単純


って言婆


その身体一心に


染み込ませ染み込ませ

生きてきたんかな


重過ぎる問題を


楽観笑い飛ばし


なんか
お前


怖いくらいに


震えてくるよ


スゴイ生命

辛いだろな

スゴイ使命

くたびれるだろな


溢れてきた
それ以上の
想いは隠した


綺麗に並べたがる
あたし
ほざくな自分と
最終的には思う


けどけどさ

あのさ
あのな

確かな予感は


月と海と虫を探しに


森を散歩しながら

塚を歩き


シュウマイなんかを

つまんでさ


シワを数えあって


お前のほっぺを
抓ったり


恥ずかしいくらい

なんだろうけど


バカとかキモとか
はじめましてとか


言いながら


幸せじゃアホ
って笑う


お前を見せてよ

2005/10/14 (Fri)

[5] 煙兎と疎らな視線
詩人:リコ [投票][編集]

一人裸で
全色を感じた


恐らく夜中のせいで



微生物にでもなったかの様な
心地良さ



吐いた煙に隠しちまえ
怨念などとっくに超えた
神秘的な何かなどは



君を
ご本尊にしてしまった僕


愚かでも博識でも


何でも
何でも
何でも無い




呼吸をする様に
唄えたら


食べ飽きた数々の制約を

鼻で笑って


グッバイティーチャー

通わせた血と血


頭抱え泣き叫ぶ



ウルセェ



僕等の合言葉を
天に向かって



運ばれてきたゴールドのあの自由など

僕等にはいらない



生身で
此処で静かに激しく


混ざりながら


生きて



生きて




文字は何をくれる?


君は何をくれる?


僕は何をしたら?



アダムと坊主の産物

哀しい金歯で笑う
太ったあいつら

蹴飛ばす術を探すのが

たとえ馬鹿らしくなったとしても


痩せこけた僕等は今


掴んだ華の種を
蒔きに歩くしか



愛してると言い放った彼女の


裏も表も無い


その優しい味は



お前が一番よく知ってるだろうから


焼けた喉に


苺の甘味を与える様に


キスさせて




キスさせてよ



2005/11/11 (Fri)

[6] turtle eyes
詩人:リコ [投票][編集]

そういや



目的も何も
あったもんじゃない



甲羅を無くした僕は



なめくじみたい



他生物に怯えて



活きるより生きる
を選んだ



あの空に向かって
射精できたなら



喰えない僕には
ビクトリー論より



叫ばせて
泳がせて


しょっぱい世界が
お似合いだから



冬の雨は凍み




のろのろ這う僕の上を



風は優しく見下ろした




大海まで



あと数歩



破かれた殻は



砂浜の中に




奪われた古い甲羅などは


もう



見向きもしないと



誓ったんだ




2005/11/11 (Fri)

[7] 老婆とセックス
詩人:リコ [投票][編集]

灰皿の中に垂らした唾液


ダークレッドの口紅が染み渡った所で

現状は何も変わっちゃいない


意味の無い行為を愛し



汚れた顔に
弾の無いピストルをつきつけ



どこでどうにも



狂歌を咲かせた





喜怒を同時に起こし


苦は満足へと転換




穴だらけの耳と心



舐めて
いかせてくれた貴方
閉まいこんだら



頭無いあたしは
多分ずっと
このまま



ババアになってもピンポンダッシュ




片手杖は
S心を掻き立てるおもちゃで


白髪頭はピンクに染まり


アヒャヒャと





とにもかくにも


無罪を与えて



欲しい訳よ



神と貴方と




イエスって



頷いて



2005/11/11 (Fri)

[8] 悲哀屋の足踏み
詩人:リコ [投票][編集]





無駄な事しようか



君が笑うまで
僕はずっと待つよ
同じ場所で



赤と青の
カプセルの中で
息を殺し潜み生きる
粒達が



憎くて仕方無かっただけで



君を蹴飛ばすつもりは無かったんだ




耳から垂れた
浴槽の水の様に



あの哀しいも
この苦しいも




サンドして
食べ尽くそうか
一緒に
二人で



意外と美味しいもんだろう?




キャンパスは
真っ黒な喪服を纏い
凶器を捨てれず
狂喜を拾った

あの頃の君は



ギャーーーて
叫んで
いいですか
震えを隠す為

僕に尋ねた


ちっちゃくて可愛い
虫みたいに

ちっちゃくて怖い
人間みたいに


なりたくないんだって
泣いていたんだ




まだ泣いてるの?
まだ震えているの?





君をまるごと
抱っこしたら







楽になっていたのかな
僕自身





無駄な事しようか



君が笑うまで
僕はずっと待つよ





頭と胸が
涙で一杯になったら
いい加減
君の為で無く
僕の為に




走るとしようか

2005/11/12 (Sat)

[10] 砂埃バッファローと倒れた僕
詩人:リコ [投票][編集]




疾走
バッファロー



鼻息荒く
グレイの角は
逞しく



擦れ違う時
眼を合わせられなかった
虚栄心が
邪魔をして
砂埃の中
あまりに
彼が眩しくて




黒いレコードから
飛び出したヒーロー



もう
ナイフは閉まって
くれないか




このまま
この道
真ん中で




倒れてしまいそうで
抱かれて気絶する様だ


オアシス
探さずとも




イカれたコンポが

第一の水を放ち




それを飲み干し




立ち上がり



あの
バッファローの足跡
見送り


僕は



足跡の無い
足場の悪い




道を選んで




2005/11/12 (Sat)

[11] 因襲破壊
詩人:リコ [投票][編集]





ファイナルな祭など



この国の何処にあるのでしょうか



頂いた
絵空事も小言も
がま口の中
パチンと終いなさい





片足を引き摺り歩き
バイブルを持たない
お前が一番格好いい



石を投げ
意思を投げる
骨董馬鹿な輩など



中指立てて嘲笑え




血を吸おう
白を黒に塗ろう
夜を逆様にして
ギターを奏でておくれ





覚悟はいいかい



2005/11/12 (Sat)
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