ホーム > 詩人の部屋 > 杞柳の部屋 > 投稿順表示

杞柳の部屋  〜 投稿順表示 〜


[1] Please!Doctor!
詩人:杞柳 [投票][編集]

ねぇ ドクター
あたしの心臓
異常なんでしょ?
隠したって分かるわよ
正常値は知らないけれど
誰が聴いたって あたしの脈拍は速い

自分の体だというのに
情けないわ
あたしはどうにも出来ないの
この心臓も
止まらない気持ちも



お願い ドクター
あたしにペースメーカーを頂戴
平穏な日常に戻りたいの
大丈夫 壊したりしないわ
あの人からの電波が
届くことはないから   


ねぇ ドクター
あたし実はもう
長くないんでしょ
診なくたって判るわよ
判断基準は曖昧だけど
誰が見たってあたしの頬は赤い

自分の体だというのに
悔しいわ
あたしはどうにかしたいのに
この頬も
止まらない涙も

お願い ドクター
あたしに精神安定剤を
マトモな自分に戻りたいの
大丈夫 狂ったりしないわ
あの人への想いを
伝えることはないから  


ねぇ
お願い
ドクター



2006/07/17 (Mon)

[2] オーダーメイド
詩人:杞柳 [投票][編集]

煙草は泣く泣く辞めた
貴方が嫌いだと言うから

髪は不便承知で伸ばした
貴方が好きだと言うから

汚れていないフリをした
貴方が愛してくれるから

貴方専用に仕立てられたあたし



だから居なくなったら
あたしの意味まで
消えてしまうじゃない

2004/10/02 (Sat)

[3] テディ
詩人:杞柳 [投票][編集]

テディ
今日は一緒に
眠ろう
昨日の夜 怖い
夢を見たの



誰かがわらっている夢

ああ どんなに
恐ろしかったことか



テディ
今日は一緒に
眠ろう
昨日の夜 怖い
現実(ユメ)を見たの


2004/10/02 (Sat)

[4] 趣味:作詞を少々
詩人:杞柳 [投票][編集]

「アテンションプリーズ」
今更言われたって
消化器官はもうすでにK.O
窓を埋めるビルディング
あたしは一人前の
ヘビースモーカーのくせに
排気ガスに咳き込む

母国語用に
加工された異国語の末路を
考えるだけで
今日は十分に
一編の詩が書けそうだ

最近は
作詞を少々



タクシーから視る
某ブリッジの夜景は
出しゃばりな過剰包装

あの光の中で人々は
死ぬほど生きたり
生きるほど死んだり
するのだろうな

この憂いは
言葉に変えた瞬間
滑稽になるから
左ハンドルに憧れる
少女の詞でも書こうかな


最近は作詞を少々



2006/07/17 (Mon)

[5] バイバイ
詩人:杞柳 [投票][編集]

バイバイ
またね
けれど明日からは
違う人

バイバイ
またね
けれど明日からは
夢の中で


バイバイ

嘘でもまたねって
呟いて



2004/10/04 (Mon)

[6] 或る午後の哲学
詩人:杞柳 [投票][編集]

貴方は
「黙れ」と言う代わりに
妾の唇を覆う

妾は
「喋り過ぎた」と反省して
素直にそれに応じる


妾達はいつも
言葉(ベンリナモノ)を持て余す

そんな不器用な二人だから
こんなに惹かれ合ったのか


或る午後の哲学

2005/02/15 (Tue)

[7] ごめんね。
詩人:杞柳 [投票][編集]

あなた
簡単そうに
「死にたい」
そう言うから

わたし
簡潔に
「死ぬな」
そう応えた


あなたの
悩んだ日々の苦しさも
受けた深い傷の痛みも
わたしの
簡潔な罪の重さも
今は知る術も亡く


あの日
どうして
「一緒に生きよう」

死を望むあなた
抱き締められなかったのか


2004/10/06 (Wed)

[8] 俗に言う我儘
詩人:杞柳 [投票][編集]


ほんの一秒でいいから
あたしのものになってくれませんか

何をするわけでも無く
ただ
あたしのものになってくれませんか


『叶うなら他に何も要らない』
などと
大人なことは言えないけれど


2004/10/07 (Thu)

[9] Bath Room
詩人:杞柳 [投票][編集]


一日の終わりにあったものは
冷えた体と
冷えた心

冷えた体は
あたためるとして
冷えた心は
どうするの?



一日の終わりにあったものは
汚れた体と
汚れた心

汚れた体は
洗い流すとして
汚れた心は
どうするの?



一人ぽつんと
バスルームで


2004/10/08 (Fri)

[10] “証”
詩人:杞柳 [投票][編集]

僕達は
現在(イマ)いる場所すら
把握出来ずにいるのに

ススメ ススメと
一体何処へと
急かされるのか



せめて
此処にいる
意味を


せめて
此処にいた
証を


2004/10/09 (Sat)
139件中 (1-10) [ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 >> ... 14
- 詩人の部屋 -