ホーム > 詩人の部屋 > 凪都の部屋 > 新着順表示

凪都の部屋  〜 新着順表示 〜


[123] えんの中言
詩人:凪都 [投票][編集]



結局

この深く、ほの暗い、井戸のような
底に そこには辿り着けなかった独り。

月明かりの梯子に触れて
発光するよう拡がる熱は
気のせい、な、はずなのに
空洞に倒れて転がった石コロの
なんて、味気無い音を拾ったら

何故か視界は滲んでふやけそうだった。





2009/06/20 (Sat)

[122] 
詩人:凪都 [投票][編集]


喉を詰まらせ
鳴咽を噛み殺し
小さな身体を奮い立たせ


まぶたを押し上げるようにして
目覚めたばかりの彼女へ


胸いっぱい
生まれ落ちる
愛しさを言葉に閉じ込め


吐き 出した音は、



すっ 、と


雪のように溶け消えた









2009/05/15 (Fri)

[121] 手袋
詩人:凪都 [投票][編集]


迷彩色が乱反射した様に
溶け込み混ざり判別不明。
アスファルトはグレー
見上げた空は灰色。
寒空を足早に行き交う。
視界を過ぎてくあのコートは
今年流行りの黒色コート
似たり寄ったりの背丈
誰がどこのどなたでしょう?


無くしたモノを探して
静かに視線はセメントを這う。
人の波に流され行方不明。

じんわり滲む右手をぎゅっと
ひんやり染みる左手でぎゅっと
同じ体温になっても
握りかえし続けます。

わかるトコロに
違いがないなら
判らないトコロは
同じであって欲しい。



2009/01/31 (Sat)

[120] ひかり
詩人:凪都 [投票][編集]


全て口に放り込んで
飲み混んで仕舞うように。
あれは時に凶器 狂暴
忘れたらおしまい。

日陰から見つめた陽射しは
暴き 晒すように
この傷を包み込んで仕舞う

時に凶器 狂暴
忘れたらおしまい。

そこにある
ここにある
顔を上げて
目を潰してまで見れない

それでも
いくら
暗がりで呼吸を繰り返しても
私は暗闇で生きられない


あれは凶器で
あれは狂暴な凶器で
あれは強烈な狂暴な凶器で

両手で隠したところで
口に放り込むように
飲み混まれて交ざって仕舞う。



だから忘れたらおしまい。

ここにある事
おしまいだから忘れない





2008/08/15 (Fri)

[118] 
詩人:凪都 [投票][編集]



一生いっしょ。人ひとり。



2008/07/18 (Fri)

[117] 毎日見ている
詩人:凪都 [投票][編集]



絡まり混線それが現状
ここは視線渦巻く明日行き交差点

ポジティブを装う逃避行者。
視線に立ち止まると
知らないあの子がわらいかける

私は夕闇黄昏はぐらかし
視力が悪いと言い訳並べ

そんな姿勢に
はにかみ笑いかける
知らないあの子の顔が視線が
隣り合わせの距離になり俯いた。


わらってた笑ってた
嗤ってみているみられている。
あの子の死線から目をそらしたくて





黙って目前の明日へ疾走する
怖がりの私は失速を恐れ
頭上から忍び込む月明かりは
浮かない顔の芯を真を引き当てる。
























2008/07/12 (Sat)

[116] ペンの試み
詩人:凪都 [投票][編集]


風に梳かれた雲の隙間
深く仰いで見た濃紺は
突き立て塗り潰した月のない空。

昨日はもう枯れて
物言わなくなった
君を一言 ころり寝転がせても

私は疲れた目で困り顔
薄く乾いていく色彩は
もぅ白に喰われ 鮮やかに落ちていく。

塗り潰し損ねた隙間はキラリ
同じ色に溶け込み逃げだして
今はどこにも見当たらないのに


君は唯一を持って多くは語らない。


君色を帯びていた
延びて遠くへ消える空へ向けて
結局その口は
塗り潰した三日月のそれだから。

私は疲れた顔で 困った目をして
口数の減った友人に頭を抱え
今日も君の手を引いて
薄明かりの朝を行ってきます。









2008/07/12 (Sat)

[115] 空に透る
詩人:凪都 [投票][編集]


吐き捨てたありがとう
投げ捨てたごめんなさい
急いで仕舞った独り言
どこにもなくて

うそホント引っくるめ
いつでも誰かを揺らす
言葉の羅列は一重に

いち じゅう ひゃく

ひらがなかたかなえいすうじ

のどからポロリ 零した

せん まん おく

ちょうになって

ちょうになって


今日も空をとんでいる












2008/05/26 (Mon)

[114] ひとひとつ
詩人:凪都 [投票][編集]


綺麗と言われる上っ面を
取って剥いで貼り付けて

お互い軽く会釈したら
0円より価値がないと

気付いたら
薄く口だけ歪んでた



思想は遥か遠く理想を撫でつけて
日を追い儚く揺れるこの薄い影は
行き違い入れ違い似たカタチの中

ただ静かに泳いでた


この足があるトコロ
その手は地に触れる


綺麗と言われる上っ面を
両手でどこかに隠したら

コンクリートの境界線
昨日と今日と明日のあいだ
嘘つきになるワケじゃないのに
知らないトコに知らない空白がある


溢れた液体は蒸発して消える
引き出して散々と黒い影

一生一緒に抱えていくの









2008/02/25 (Mon)

[113] さよなら上下
詩人:凪都 [投票][編集]


揺れる、ゆりかごが揺れる
はじっこの灰色の中の中で

この日
左目を閉じた小さな像は
やさしいやさしい子像で



そしてあの日
左目を閉じてしまった
子像は像になっていて


あの太陽と月と星の間に
遥か遠く創造を馳せては

やはり左目を閉じて
けれど命があるから

せめて首を傾げる時は
右に重さを預けようと


そう思った



2008/02/22 (Fri)
66件中 (1-10) [ 1 2 3 4 5 6 7
- 詩人の部屋 -