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いもけんぴ佐藤ロビンソンの部屋  〜 新着順表示 〜


[30] ひつじ
詩人:いもけんぴ佐藤ロビンソン [投票][編集]



泣きながら歌うから
なんて言ってるのかわかんないよ

ぼくはここにいるのに
どうしてぼくを
見てくれないのかわかんないよ

"たったひとりきり"って
ドアの向こうの笑い声に怯えてる
それはきみのことを
歓迎しているかもしれないのに


笑いながら泣くから
なんで泣いているのかわかんないよ

きみはそこにいるのに
どうしてぼくに
ぜんぶを見せてくれないのかわかんないよ

ぼくは自分勝手かもしれないな
やっぱりぜんぶは見せてくれなくて
かまわないよ

かまわないけど
だけど

きみが元気になるために
いくらでもぼくを利用してほしいんだよ
きみががんばってるなら
コーヒーくらいぼくには淹れられるから

もしもきみが死んでも
生き返らせてはあげられないけど
きみが死にそうになったら
それがどこでも
どんなことしても助けにいくから
場合によっては
身代わりにだってなれるから


泣いたっていいんだよ
なんて言ってるかわかんなくたって
わかるまでそばにいるから
きみが泣いてる理由をやっつけるまで
ぼくがずっとそばにいるから


2011/04/28 (Thu)

[29] キロ
詩人:いもけんぴ佐藤ロビンソン [投票][編集]




消えていったはずのきみの寝息が
遠く山々を越えて
ぼくの背中にたどり着く
耐えかねたぼくはひざまずいて
どうかこれ以上の
幸せなんて訪れませんようにと願った

本物よりも綺麗な星空を
見下ろしながら誓った
愛はいまもぼくたちの胸に
確かにあるんだよ、ほら、
耳をすませば
涙の流れる音さえ聞こえるんだ


地球の輪郭をなぞって
やがて夜は朝になって
きみのリズムは
少しずつ穏やかになっていくんだろう
耐えかねたぼくはひざまずいて
きみがぼく以上に
安らかな眠りにつけますようにと願った



2011/04/17 (Sun)

[28] Remembrance;
詩人:いもけんぴ佐藤ロビンソン [投票][編集]




涙が出ちゃうような
きみのまっさらな笑顔が
消えてしまわないようにって
僕はそっとまぶたを閉じた

夕焼けの空に泣きそうなのを
隠してうつむいたのは
さよなら、よりも気のきいた言葉が
思い浮かばなかったから

目を見て話すこともできないで
「手を繋いでいい?」
って言うまでの永遠は
きみをいつもより可愛く見せて
僕の胸をきつくしめつけたんだ


涙が出ちゃうような
きみのまっさらな笑顔は 今、
誰のためにそこに在るんだろう

思い出は少しずつ遠ざかって

あんなに笑ってたのが嘘みたいに
もう映らないブラウン管の中には
たったひとりで
途方に暮れてる僕がいる
まるで道に迷ったような顔をして、


涙が出ちゃうような
きみのまっさらな笑顔のわけに
僕はなれていたのかな なんて
未練がましく考えてるよ

きみはきっと今も変わらず笑ってて
くしゃみが出ちゃうような
太陽そっくりな笑顔で
また誰かを困らせているんだろう

僕を困らせたみたいに

僕を愛させたみたいに

僕を愛してくれたように


まぎれもなく僕はまだ
きみのことを愛しいんだ



2011/01/02 (Sun)

[27] ココアと、きみの性感帯
詩人:いもけんぴ佐藤ロビンソン [投票][編集]




きみの涙と少しの砂糖を混ぜた
甘いはずのココアの少し苦い後味
飲み干したカップの底に映るはきみの面影

恥ずかしがり屋のふたりが
初めて手をつないでから
甘酸っぱいきみの味を僕が知るまで
雪が咲いて 桜は散って
この星は何度目の経験をするんだろう

赤くなった頬は僕だけのものだよ
僕の唇はきみだけのために潤うよ
たとえばいつか終わりがくるならばそれでも
きみの喜ぶココアの味は僕だけが知ってる

キュッと色づくきみの性感帯
僕だけが知ってる




2010/12/28 (Tue)

[26] Pr0mise
詩人:いもけんぴ佐藤ロビンソン [投票][編集]





神よ
もしあなたがいるなら
この戦いを終わらせてください
どうか、この悲鳴を聞いて
彼らに罪があるなら
生まれてきたことでしょうか

神よ
もしあなたがいるなら
父と母の命を返してください
最後に一度だけ会いたい
私の大人になった姿を
一度だけ見せてあげたいのです

神よ
7日で世界を創造したあなた
ひとつとして無駄なものは
創らなかったはずでしょう?
ならば

片腕を探して歩く少女の涙も
妹の亡骸を抱く少年の嘆きも

あなたはいつか幸福のしずくへと
導いてくださるのでしょうか、


神よ。
私はあなたを信じている
もしもあなたがいるなら
どうかこの世をもう一度救ってください





2010/12/27 (Mon)

[25] ノーマルクリスマス
詩人:いもけんぴ佐藤ロビンソン [投票][編集]




あたしの手を
ギュッと握って
寒くない?って
訊いてくれたの
寒いよ、ねえって
拗ねてみたら
くしゃって笑って
抱き寄せてくれた

ふたりで見たクリスマスの
イルミネーションが眩しくて
隣で涙こらえてたの
あなた知らないでしょ?

すべての恋人たちを照らす
ひとつの星座に
なれたなら
それがふたりの永遠ならば
あたしはしあわせなの


きらびやかで
優しい街を
たったひとりで
思い描いて
寒いよ、ねえって
泣いてみても
ここじゃあなたに
とどきはしない

愛することが苦しくて
何度だって離れようとした
そんなふうにすればするほど
その手に触れたくなっちゃうよ

愛し合うことを許してくれた
ふたりの天使が
微笑んだ
もう少しだけ願いをきいて
震える声で 言うから


会えない時間だけに
愛しさも苦しさも教わって
きらきら輝く あたしたちに
きっと星座は嫉妬してる


すべての恋人たちのために
誰かを愛する
人のために
今宵の雪は降り続ける
ぬくもりを届けに




2010/12/13 (Mon)

[24] スタートライン
詩人:いもけんぴ佐藤ロビンソン [投票][編集]




とてつもない勇気を
ふりしぼって踏み出した一歩
きみにとってはツマラナイ
繰り返しにすぎなくて

どう あがいても 走っても
すぎてゆく時間に追いつけないぼく
かけっこは昔から苦手だったんだ
振り切れない足を引きずって
夢の中では
いつも何かから逃げているのに

丘のてっぺんできみが手をふってる
ぼくは助けを求めることを諦めた

自分の足で 走るしかないって
追いつけないなら 息がきれるまで
走り続けていいんだって
教えくれたきみも、
本当はそんなに強くないってわかってる
心の壁を内側から蹴られて
吐きそうな痛みで
ぼくはとうとう自分の甘えに気づくんだ

伸ばした腕が悲鳴をあげた
ぼくは助けを求めることを諦めた




2010/11/15 (Mon)

[23] 今もどこかで
詩人:いもけんぴ佐藤ロビンソン [投票][編集]




あたりまえのように いつも
隣にあった笑顔が
突然消えたのも まるで
あたりまえのようで

もしも あの日のあなたの隣に
もう一度帰れるなら
どこへも行かないでって
素直に言えるのかな
あなたはいつもみたいに
おどけた笑顔のあとで
優しく頭をなでてくれるかな

ねえ、わたし こんなにも
こんなにもあなたを好きになってたよ
魔法にかけられたみたいに
記憶は溶けけ出していく
あなたも
魔法がとけたら消えてしまうの?
あなたがくれた暖かい傷は
今でもこの胸で疼いているのに


失ってから 気づく
何より大切なもの
あなたにとって わたしは
どんな存在だったんだろう

いつか 幸せなころのふたりに
もう一度戻れるなら
どこへも行かないで
ずっと 待っているから
あなたはいつもみたいに
おどけた笑顔 見せてね
わたしなんかにまだ笑ってくれるなら

ねえ、わたし こんなにも
あなたのせいで泣き虫になってたよ
こんなに平気なふりをして
涙 こらえているのに
あなたは
ちっぽけな強がり壊していくの
なんでもお見通しだったあなたに
どうしてこの気持ち
届けられなかったんだろう


見栄っ張りなところだけは
わたしたち そっくりだったよね
わたしがそうであるように
ふたりの思い出が少しでしでも
あなたの支えになりますように
今もどこかで笑っていますか?



2010/11/14 (Sun)

[22] A ghost
詩人:いもけんぴ佐藤ロビンソン [投票][編集]




ボクが今まで吐いた幾つもの嘘
キミはボクよりも正確に
数えているだろう

明るい日差し 反射して笑う姿が
いつもより綺麗に見えて
思わず 目をそらした

泣いているように見えたんだ
誰よりもそばにいるからわかる
キミが涙を流すなら それは
ボクのせいだから

神様みたいな笑顔を
消してしまいたくはないと思った
キミのために今日もボクは
虚しい嘘を吐き続ける


何度目だろう 訪れようとする冬に
いっそ忘れてくれたらなって
卑怯なセリフ飲み込んだ

何も聞かないでいてくれる
キミの優しさが何よりも痛いよ
どうしてこの想い
届けられなかったんだろう

神様みたいな笑顔が
消えてしまうくらいなら
真実さえも覆すと
ボクは 神に誓ったんだ


本当はキミは気づいてる
ボクの存在自体が嘘だってことに
それでもボクの帰りをずっと
待っていてくれる
キミの前でなら本当の涙を流せそうだ

たとえ姿が変わっても
ボクはキミを守り続けるから
もう 何も考えなくていいよ
キミはただボクを信じて
ただ 笑っていて


2010/11/14 (Sun)

[21] 夜は更け、
詩人:いもけんぴ佐藤ロビンソン [投票][編集]




目を閉じれば、それだけで
明日は来るのになあ

なにを怯えることが
ぼくたちにあるというんだろう



2010/11/10 (Wed)
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