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黒い犬の部屋  〜 新着順表示 〜


[27] 腐水
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濁った水の底 手を入れた
あの娘の瞳 何故か思い出した
7月に晒された思い出 痛む心
二人歩いた風景 ある筈もなく
風化した思い出が掠れて見えた
濁った水の底 手を入れた
あの娘の涙 何故か思い出す
綺麗な言葉に隠された影 痛い心
二人で隠した痛み 隠せる筈もなく
色彩を欠いた二人が 無口に歩く

二人思い出 残そうとした
残ったのは忘れたい痛み
唸る腐水 水の底から浮かび上がる それ
唸る腐心 あの時捨てたのは痛み そして腐心
唸る腐痛 腐り固まった腕 水の底から
唸る心 痛い心 
忘れたい あの時の優しい心 

2008/07/15 (Tue)

[26] 白と黒
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暗闇に浮かび上がる 傷だらけの人形
信じるという事を信じ過ぎてしまったのか
もう彼の心に 未来は来ない
記憶の隙間の傷 透明に見えた筈の世界
曖昧を切り裂く暴力は 正義を掲げ
曖昧を粉々にした
なぜ世界は明るく見えたのか
なぜ彼の叫びに耳を塞ぐのか
塗りつぶす 心には声

高らかな声と かすれた声
どちらの声に向かおうか
記憶の隙間に影 透明に見えた筈の優しさ
暗闇に浮かび上がる 脆すぎる心の投影
誰の声も聞こえず 誰の優しさにも振り向かず
ぼろぼろになり 未来の大きさに消えた

2008/07/11 (Fri)

[25] 月は霞む
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砂丘に影 闇雲 曖昧な海
風 東に吹いて 砂が舞った
静かな 静かな 時
うつつ 暗闇に紛れた魔
心 壊そうと 

流れた時 誰かに歌う子守唄
波音に消えて

2008/07/08 (Tue)

[24] 
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割れた鏡を元に戻せず
泣き崩れた
別に大した事じゃないさ 聞こえる
暗闇の部屋 鮮明な鏡
存在感はそれだけ その中の自分
誰かに似ている 誰何だろう
あなたは誰ですか?
割れたままで良いだろう
そのままで良いだろう
だけど自分を取り戻そうと また鏡を触る
指が切れ 赤い血が流れ 暗闇に一筋の赤
鏡の中 冷めた目をした自分がそれを見ていた

2008/07/05 (Sat)

[23] 
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ある晴れた朝
蝶の大群 瑠璃色の街
少年の心の闇 知った顔の大人
底なしの沼 沈めてみようか
恐怖の顔を 嗤って見ようか

ある晴れた夜
蛾の大群 焔街
少年の見る夢 知らん顔の大人
底なしの悪夢 実現しようか
引きつった顔を 砕いてみようか

ある晴れた朝 
嗤う横顔 消えない傷

2008/07/01 (Tue)

[18] 賽の河原
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何処までも続く 枯れ木
破滅の色彩
殺伐とした景色
石を積む子供 鬼面つけて 霞む
砂上の犬 もう動かない
目は何もみていない 目は何も見ていない
川はやがて蛇行し 何処へ行くのか
消えていく空
乾いた風
何て悲惨なんだ

消えていく空
乾いた風 水面が揺れて

2008/03/20 (Thu)

[14] 丸い月
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ある晴れた月の見える日
遠くの故郷を想い出しました
だけど脳裏に浮かぶのは
想い出したくない記憶ばかり
気が遠く遠く

僕を見る素顔を失くした君と
気狂わせた彼が描いた猫の目が
僕を責め続け
だんだん空が小さくなる
それを気付かないふりする先生
空に浮かぶ半分の月が
皮肉に嗤う
誰も気付かない 誰も見ようとしない

僕を見る素顔を失くした君と
崩れてゆく仮面の猫が
僕を見つめ続け
もう誰も気付かなくて良い
歪み嗤う半面の月が
だんだん遠くなる故郷を
だんだん小さくなる空を
想い出させた

2008/02/05 (Tue)

[13] 闇との対話
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内緒話しをする案山子
人間が嫌いらしい
悪巧みをする雀
人間の舌を切りたいらしい
踏み切りを渡る 鬼の面を付けた子供
ゆっくり振り返って
闇 不覚 深く
その深淵に何を見る

訪れる魔の刻
笑う伸びた影 濃くなる影
闇 深く 気付いた
己の弱さ 人の温もりの懐かしさ
闇 嗤う 耳塞ぐ
緩やかに狂う 閉ざされた先へ
望み塗りつぶされ 手探りで
歩く 目の前の闇へ

2008/01/30 (Wed)

[12] 割れた窓
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割れた窓の様な 君の世界
沈んでいけたら良いな
だってそうでしょ
世界はこんなにも暗い
目覚めたらまた夢が始まって
ずっと夢の世界で良いのに
僕はもう歩けないけど
君の世界へ堕ちていけたら幸せだね
割れた窓の様な 君の世界へ
白い大地と白い入り口の無い建物
それと君がいれば
それだけで幸せだね
僕は間違ってたよ
だからこれで良いんだ
歩けなくて良いんだ
堕ちて行きたい 
君の割れた窓の様な 世界へ

2008/01/29 (Tue)

[8] 石の森
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犬の首を塀に並べた少年は
得意げに笑った
狂った道化の目を見つめ
また笑った
黙れよ 偽善者 黙れよ
好きな子は あの森の奥にいる
木製の檻の中で 狂うの待ってる 僕を待ってる
正しいふりをした目で見るな
森が泣いた
僕が泣いた
あの子が泣いた
でも誰も聞こえないふり
だって石だから
みんな石だから

ねぇ何がおかしいの?

2008/07/08 (Tue)
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