詩人:ハリネズミ | [投票][編集] |
あなたはいつも笑ってる
どうして?
手を伸ばした先にあるものは
拒絶という名の監獄
あなたの笑顔が私を傷つける
その針で突き刺すくらいなら
最初から微笑みかけないで
私の前から消えて
私は雪に埋もれたはりねずみ
どんなに寒い冬だって
その手に触れてはいけないの
誰も近寄らない
誰にも近寄れない
血だらけの身体を丸めて高い空ばかりみつめる
もう手なんか伸ばさない
詩人:ハリネズミ | [投票][編集] |
大きな岩に座って
あなたは私の髪をほどいた
青い空の下で
ひつじ雲を数えた
どこからか潮風の歌が聞こえてくるわ
あなたがくれた珊瑚の髪飾りをつけて
広い海原を泳ぐの
ほどいた髪がきれいだと言ったのは
あなたなのにね
暗闇の中
途切れそうな糸手繰り寄せて
私の小指にあなたの未来を結びつけて
あなたがいないとき
私は短刀を抱いて眠る
夢から醒めないように
幸せが消えないように
私が死んだら泣いてくれる人はいるのかしら?
私の骸を抱きしめてくれる人はいるのかしら?
あなたの思いでを砂に埋めたの
砂糖でできた夢は終わったわ
私の背中に羽根なんてない
翼をもがれた鳥はもうどこへも行けないのよ
いつか
私を思い出したら
青い空の下で私の名を呼んで
珊瑚の墓標で、泣いて。
詩人:ハリネズミ | [投票][編集] |
問1.
関数f(x)=貴方+∫f(恋)
を満たす関数f(x)を求めよ。
∫f(恋)=kとおくと
f(x)=貴方+k
k=∫f(恋)
ここで、関数f(恋)を積分すると
∫f(恋)=私
従ってk=私
∴f(x)=貴方+私
詩人:ハリネズミ | [投票][編集] |
将来
一人きりだったら
福沢諭吉に囲まれて過ごすのも悪くないな
お金で幸せは買えない?違うよ
お金がなきゃ幸せは買えないの
愛があれば生きていける?
そんなの綺麗ごと
愛じゃお腹いっぱいにならないし、満たされることもない
裏切りにおびえるだけ
福沢諭吉も、新渡戸稲造も、夏目漱石も、決して私を裏切らない
お金に裏切られたって感じる人は、お金に裏切られたんじゃなくて
お金に負けたんだよ
想い出よりモノ。
私は
手に握りしめられる幸せを
きっと、掴み取ってみせる
確かなモノを。
詩人:ハリネズミ | [投票][編集] |
貴方は、来ない
ずっと待ってるのに。
凍えそうな荊の海に埋もれて
鋭いトゲを白い肌に食い込ませ
待ってるのに。
どこにいるの?
私のこと、忘れたの?
早く口づけをして
でないと、私は貴方のことを忘れてしまう
貴方が記憶から消えてしまうの。
貴方の姿
その腕の暖かさ
髪に絡まる指の感触
記憶を重ねて。口唇を溶け合わせて。
この眠りの海から掬いあげて。
ここへ、来て
心を血だらけにして待ってるから
待ってるから。
私を想い出にしないで。貴方を忘れさせないで。
待ってるから。
詩人:ハリネズミ | [投票][編集] |
殺してやる殺してやる
殺してやる殺してやる殺してやる殺してや る
殺してやる殺してやる 殺してやる殺してやる
殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる
殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる
殺して殺して殺して……………殺し…………て……る………………………私……………………………お願い、私を殺して。貴方が憎い。
だから、
私をその手にかけて。
私を殺して。
詩人:ハリネズミ | [投票][編集] |
金色の雫を滴らせながら月が泣いている
切りとった鎌のような月が、僕の首をはねにやって来る。
廻る、廻る、天の星。
天に磔にされた半月が
輝くシリウスに負けまいとして必死に叫ぶ。
廻れ、廻れ、天の星。
真っ赤な闇夜に
真っ白な光。
溢れ出る金色の蜜が
僕に何かを訴えかける
さあ、ここまで降りてこい。その光で僕の眼を射抜くがいい。この、地上の闇を映しきった眼を。その鎌で僕の頸に喰らいつけ。ほとばしる血をその金杯に受けるのだ。
天高く吹きあがった生命の水は、月に架かる梁となる。
天の川のように。
廻った、廻った、僕の身体。
詩人:ハリネズミ | [投票][編集] |
土に寝ころぶ私。
固くて冷たい土。
頬で感じる、無数の命が蠢く感触。
溶けてゆく私。
腐った肉が殺げ堕ちて、露わになった骨。
栗色の髪は深く、深く土に食い込んでやわらかな根へと。
ぽっかり空いた眼禍に映る
青い、青い空。
あぁ、なんて青い空だ。あぁ、なんて青い空だ。
ふちどられた棺の中で
朽ちた身体が唄う
最期のラウ゛、ソング。
もう二度と唄うことのないラウ゛、ソング。
誰の耳にも届かない
ラウ゛、ソング。