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けむりの部屋  〜 新着順表示 〜


[98] 堕ちよう堕ちよう
詩人:けむり [投票][編集]

生きていけない
だからって逝けない

堕ちよう?
堕ちよう?

いつも同じ夢を見る
だけど内容は忘れてしまう
切なさだけが残る
そしていつだって目覚めた時ひとり

堕ちよう?
堕ちよう?

もういいじゃない
どうだって
安心なんて夢のまた夢
強がることにも疲れたね

堕ちよう?
堕ちよう?

転がるまま
なにも望まずに

一緒なら
寂しくないかもしれない

2007/07/18 (Wed)

[97] 歌をうたおう
詩人:けむり [投票][編集]

暗い夜
コンクリートの冷たい森
知性のかけらもない獣たちの遠吠え
そこら中に愛と夢の死骸

歌をうたおう
ポップで優しい素敵な歌を
ハーモニーしよう
悲しみに負けないように
おいでよ おいでよ
一緒にうたおう
みんなでうたおう

2007/07/18 (Wed)

[96] 明日のための詩
詩人:けむり [投票][編集]

大丈夫
歩けるから
立つんだ
弱音はいらない
胸を張って深呼吸
睨みつけろ
なにが欲しいのか?
しっかりと見定めて
進め
恐れるべきものはなく
あきらめる必要もない
妥協?
捨ててしまいな
遠慮?
踏み潰せ
求めろ
欲を出せ
心配などするな
ただ勝利をイメージしろ
行け
渇きを癒せ
戦え

2007/05/21 (Mon)

[95] 少年時代
詩人:けむり [投票][編集]

すばらしいものを作りたいのだけれど、
その材料が見つからなくて、
(アイデアは明快にあるのだけれど、)
直せないガラクタばかりを集めている。

いつも埋めたいと思っている。
頭の中の自分と、世間が見る自分との境界を。
できれば世間が見る自分を頭の中の自分に取り込む形で。

ガードレールにもたれて、
煙草をふかしながら、
特別なことが起こるのを待っている。
(起こすのではなく、待っている。)
退屈な毎日を蹴り飛ばしたくて。

なにかが産まれそうな気がする。
ぼくの中から。
とてつもないなにかが。
きっかけさえつかめば。
チャンスさえあれば。

ぼくのいるべき場所はここではない気がする。
ぼくのすべきことはこれではない気がする。
なにかが足りない!
スゴイことがしたいのに。
そう膨大な情熱を持て余してる。

2007/06/04 (Mon)

[92] メルヘンチックどんでんホラー
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君を見つけたよ
綺麗な君を
こんなデタラメばかりの世界で

あぁ君をあたためよう
世界で一番やさしい魔法で
君を隠そう
この世のあらゆる残酷さから

鳥が鳴くよ
花が咲くよ
風も踊る
だって君が笑ってる

けれど君を破ろう
それだけを目的とした純粋な力で
君を片付けよう
退屈でもうほめるものもない君を

2007/03/27 (Tue)

[91] 未完成
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あんまり簡単じゃないな と思う
生きていくことって
特別にわずらわしい困難があるわけでもないのだけれど

ふわっと 消えてみたくなる
空に浮かぶ雲がいつまでもそこにはないように
ぼくを知る全ての人から遠ざかりたくて

五月だからかも…
特にこんな不安定な天候の日には…
ああ もしもぼくがウェンディだったなら
今日こそピーターパンを待っているのに

ここではないどこかへ行きたい
誰もぼくを知らないところに
新しくなりたい
過去のない今というところに行きたい

生きること が重い
こんなにも苦しいなんてとしみじみするくらい
きっとみんなは楽しいんだろ
目が覚めて 眠りにつくまで 楽しいんだろ

生きなきゃなんて当たり前のことを誓う
生きるんだ
きっと 明日はいい日だから

見上げれば空はあまりにも清廉でかなしくなる
小さな盾をかまえる
ぼくがいなくなったら誰が猫の面倒をみるのさ
生きなくては と胸の中で活字にする

必要なものは何
生きていくのに補わなくてはならないものは


褒めてくれ
これまで生きてきたなんてすごいねと
未完成なぼくに
当たり前のことを

完成 と電子辞書を引いてみれば
完全にできあがること。完全に仕上げること。
と書いてある
完全 と電子辞書を引いてみれば
すべてそなわっていて、たりないところのないこと。欠点のないこと。すべてに及ぶこと。
と書いてある

生きるとは何 と打つ
電子辞書は正しく反応しない
電子辞書は問いに答えない
生きる については答える
そこに出た答えはぼくを救わない
心 とは何
同じくぼくを救わない

電子辞書の性能なんてわかっている
ただ遊んでみただけ
ほしいものもわかっている
生きるとは何という疑問の答えを
得る方法もわかっている
生きなければならないんだろ
求めたものにとどくには時間がかかる
生きなくては 胸の中で活字にする
今日よりもきっと明日はいい日だ
そう信じる

2006/05/30 (Tue)

[90] 乗り越えなくてはならない壁
詩人:けむり [投票][編集]

僕はどこから来たのか
僕は何者か
僕はどこへ向かうのか
考えろ
求めれば与えられる
誕生とはなにか
再生とはなにか

知ることは恐れを生む
自分の存在を認知すればするほどに時間の意味は重い
生きる理由にまどう
考えなくてはならない
得ることと失うこと
そのわけを偶然でおさめることはできない
それこそが乗り越えなくてはならない壁
求めるものは心の平穏
それは事実を知ったことの先にだけある

事実とは過酷
痛みとは気づかなければ感じない
知ることの恐怖はそこにある
だからこそ知る勇気を持たなければならない
すでに知っているから
真の恐怖とは無知が誘発する不安の連鎖だということを

知らなくてはいけない
答えを欲すること
ただひとつの救いはそこにある
すでに限りある生の中にいる
求めなければいけない
たどり着くことはできる
誕生とはなにか
再生とはなにか
有性の生の答えは無限のかなたにはない
考えるんだ
求めれば与えられる

2007/06/27 (Wed)

[89] 昨日までぼくの空気
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放課後、
喧噪が色濃く残る静寂。
君は復習を始める。
面倒そうに。
ドアの向こうの座談場であいつがしゃべっている。
男友達や数人の女の子と、
とりとめもないことを、おかしそうに。
君の眼差しはぶれない。
背筋も緊張を感じさせない。
あの日になにがあったのかを君は感じさせない。
シャーペンがリズミカルに動いている。
窓は少し開いている。
レースのカーテンがやわらかく風にそよいでいる。
君はあいつの新しいメルアドを知らない。
でもその意味を知っている。
君は誰にも相談しない。
あいつは茶番劇にして男友達に話しているけれど。
ゆるやかな風が君の首筋をさする。
隠している緊張がほんのりとゆるむ。
目が合う。
静かな眼差しの奥に非難めいたものが見えるのは、
ぼくがあいつの新しいメルアドを知っているから。
それが全てではないにしても。
読み進めようと思っていたS・Kのダーク・タワー。
ぼくはそれをカバンから出さない。
放課後の教室が、ぼくのものではないことを感じている。
君はうなじを涼めるように指で髪をとく。
ぼくは窓の向こうに目を向ける。
まぶしい五月の張れ模様。
シャーペンがノートを走る音。
君の固い口元。
漏れ入るあいつの軽いトーン。
「お疲れさま」
一声。
返る君の押し流すような、
「お疲れさま」
押し出されるようにぼくは教室をあとにする。

2006/05/15 (Mon)

[88] 不可解
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心の平穏
静かな日々
それよりなにを望むのさ

走る 走る
力いっぱい
なにもかも置き去りにするスピードで
きたない大人のように逃げて
ポケットをからっぽにする
ふわりと透明になって
急に怖くなる
振り返って
散らかしたものを拾い集めてみたり

いつもさけんでいる
理解してほしいというたぐいのことを
だけど矛盾なんだ
見つめられると逃げ出したくなる
好きだと言われて怖くなる

いっそなにもいらないと思う
だけどひとりはいやなんだ
二人になると窮屈なのに
ひとりはさびしい

雲のすきまに弦月を探す
煙草で雲を厚くしながら

一方で
明日の朝が晴れていたら
ジョギングしようと考えている

2006/05/02 (Tue)

[87] 季節があなただけを変える
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愛していたか?
愛していた
千度生まれ変わっても想いは薄れないくらい
だけどあなたは壊してしまう
有精卵を壁に投げつけるように
あるいは脱皮途中のセミにライターをあてがうように
あなたは壊してしまう
素敵だった鎖を断ち切って
そしてサヨウナラと言った
まるで火星語でも話すみたいに
あるいは絵画をきたない色で塗りつぶすみたいに
嫌いになったの?
嫌いになったわけじゃないけれど他に好きな人ができたから
そんな火星語をあなたは話す
椅子を蹴り飛ばす
衝突されたシンセサイザーがおどろいて飛び上がる
通話が切れる
すぐにかけ直す
ひどい音がしたから
なれないことをさせたのは誰
悪いと思ってるけれど
季節があなただけを変える
食事がのどを通らなくなりなぐさめにアルコールで頭を満たす
必要なのは1.8リットル800円の安ワイン
あなたはこの体がシリコンと電気コードでできていると思ってたんだ
見つめる目も 愛を唱える口も 吐息を聞く耳も
必要なくなってしまった
ほどなくこの腕は死に神にからみつくだろう
かつてあなたにそうしたように
あなたはどこ?
愛してくれたあなたは
あなたはどこ?
あのまぶしい目をしたあなたは

2007/06/04 (Mon)
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