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タンバリンの部屋  〜 新着順表示 〜


[66] 何も感じない
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感じないぜ


何も感じないぜ


犬が皮膚病でも、痩せこけていても


猫がヨタヨタで、目ヤニたくさんでも


考えはしない どちらがましかなんて




君が申し訳なさそうで



不安げで俯きがちでも



考えはしない、どちらが上かなんて



ヨードチンキの泡



生まれては消える



白く濁ったぶんは、雑菌があるらしい




もう慣れちまったよ、多分良い意味で



俺は感じないぜ、そんな事よりも



微笑んでおくれ、犬も猫も人も



まあるい顔して、笑いかけて欲しい



考えもしない。感じたくもないぜ



それよりも皆 ホッとしておくれよ



顔が歪む程に


ストレスなんてそこらじゅうにあるさ



お金の次は身分、逃げ場もない気持ちでいるのか


感じないぜ


何も感じないぜ。


まあるい顔して、笑っておくれよ

2017/04/29 (Sat)

[65] 風邪気味の休日
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冷たい雨の中


外より少しあたたかいクルマの中で


僕の体はもっとあたたかい


僕は僕の体のあたたかさが


愛おしいものに感じた


ごはんを食べたばかりだから


胃の近くからポカポカした熱が出て



風邪気味に過ごす休日を



ずいぶん幸せにしてくれる


2016/03/14 (Mon)

[64] ボブ・ディランに憧れて
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早口なんて言葉じゃないんだよ


彼女はもう二時間半も


蛇口みたいに喋っている



時計の見方も違う、二人の火曜日



洗濯機みたいに、彼女は泣いたり喋ったり、繰り返している



僕は、彼女の気持ちの表面を歩いている


型の合わないレンチで、蛇口を絞る様に歩いている


彼女の気持ちの表面に、大きなコブを見付けて



時計は9時半。もう帰るのにも良い頃合い。



僕はそのコブをゆっくりと撫でて



彼女はやっと帰り支度を始める



まるで時計の針みたいに、



そこからは僕ら、規則正しく離れていく。


僕も、君も、生きる事を急ぎ始めている



時計の針が、近づいてしまう前に



僕も車に乗って、夜のパジャマを着込んでいく。

2015/08/14 (Fri)

[63] 夕方あそぼうよ
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夕方あそぼうよ


ゆうべここへ来たよ



夕方あそぼうよ


もう、ひからない



夕方あそぼうよ


ゆうべここへ来たよ


夕方あそぼうよ


午前2、3時まで



夕方あそぼうよ



石ころ拾おうよ


夕方あそぼうよ


明日の日暮れまで



夕方あそぼうよ


もう、光らない。




2014/11/29 (Sat)

[62] とんぼみたいに
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各自治体に無重力訓練場があって


僕ら、当たり前に火星にひっこしをするんだよ


ぷかぷか、ぷかぷかの無重力。




僕等宇宙の昆虫になって



成人するように、羽ばたく事を教わるんだね。



とんぼみたいに、なったんだよ。


何も考えず、ヤゴを経て羽化して


電波なんかで、色々教わったよ。



やけっぱちみたいに保護された


ブラジルの隅っこで葉っぱをふかしている



あいつらは多分、僕の子孫だよ。


2013/06/19 (Wed)

[61] タンバリンにも後悔があった
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風の音を聞いたけれど


雑草の道を愛したけれど


僕は今まで、


どれほど感動を逃がしたのだろう


指先は誰よりも見ていたのに


君の体には何度も触れたのに


人だけは、


レンズ越しにしか見なかったせいだ



ゆずの歌った栄光の架け橋が


震えてサビを歌えないなんて

2012/02/27 (Mon)

[60] 君は誕生日
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今日僕は君に連絡をしなかった


高速道路に飛ぶ家畜の羽根を


雪と言ってはしゃぐ人は


真っ直ぐな気持ちを持ち


いつも何かに夢中でいる




昔良く通っていた道



出会った事が無い様な僕が、まだ生きている



来年僕は連絡するだろう



今日にまた出会えているなら



2011/10/24 (Mon)

[59] 名前のかげ
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心のパジャマを脱がずに


体を綺麗に洗ったら



電信柱のかげを通り過ぎ



君の所へ行く




電信柱のかげは口の軽い男で、



影を残さない変わりに



スキップを続けろと言う



彼女はやめていなかったし



本当に僕も続けた方が良いのかも知れない




電信柱のかげはこつこつと、色々な出来事に情緒や風情を名付けている



スキップを勧めながら



電信柱のかげは、一度も悪さをした事がない





靴をぶっきらぼうに揃えて



僕は君の部屋に入っていく



花瓶の花を替えながら、君は好きな色の話をする



テーブルランプに透かされた美しい影は、



僕を曖昧な気持ちにさせる



かげの名付け札は決まって



立ち止まらなければ見えないところに置いてある



2011/04/12 (Tue)

[58] コットン倶楽部
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好きだよコットン倶楽部


綿は夢の素材だよ


わたわた、わたわた


悲しいよコットン倶楽部


生殺しの気分さ。実際。



わたわた、わたわた


嬉しいぜコットン倶楽部


僕を迎えてくれる。


協調性なんて要らない。


コットン倶楽部は、そんなバラバラなメンバー。



メンバー。募集中


わたわた。


2009/11/19 (Thu)

[57] ハタラクジク
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たまに起きる「今やろう」って意志が


ずっと続くためにはね、


大きなプールが絶対的に必要なんだ。


少なくとも、今の僕にはね。



みんなで海岸沿いの暖かい街に行こうよ


そこには、大きな陽や見たこともない青空が無いとね、



とても、前世を語り合う事なんて出来ない。


出来ない。




親友とマットの浮き輪に浮かびながら


今までの人生を青空に溶かし込む



音楽の歴史を一回りする位


大きな音を流し続けて



楽しいバーベキューの準備すら、


記憶に無いくらい。


ちょうどきた流星群に。


酔った僕は、人の命を語る。




収入や、業種や、人間関係とか不況とか、


僕のハタラクジクは、プールを基準に出来てる。


必要なモノが決まって来るんだ。


とっておきの夢を話さなくちゃならないのは、


きっと、君が悲しそうだからだ。



2009/11/04 (Wed)
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