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散り逝くは咲くが如し
暖かい風が部屋を廻る中で彼女はピアノを弾く
白く小さな鍵盤上を
白く小さな指が踊る
細く華奢な足を
地べたに着けて
白く小さな鍵盤上を
白く小さな指が踊る
細く華奢な左手を
地べたに着けて
白く小さな鍵盤上を
白く小さな指が踊る
右手が奏でるその音は甲高く
まるでベルのようにこだまする
ふと彼女が振り向く
口元に笑みが零れる
レンズのせいだろうか黒い目が大きく見える
首はやや座らない
全身で表現しようとする生命の息吹に私は涙する
この涙は罪深い
出来ることならこの音を世界に聴かせたい
散り逝くは咲くが如し
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騒音の中で考える
何が悪いのか
誰が悪いのか
周りは己を虜にするものに夢中
全て消してしまえば済むのだろうか
統べて認めてやれば済むのだろうか
気付く
あぁ
俺が消えれば済む
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よく頑張ってる人に
「頑張って」と言う人がいる
試合中のスポーツ選手に「頑張って」と応援する人がいる
勉強中の我が子に笑顔で「頑張って」と応援する親がいる
頑張ってるに決まってる
馬鹿にしてやがる
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その眼に映る蒼は本当に蒼なのだろうか？
その眼に映る緋は本当に緋なのだろうか？
その眼に映る碧は本当に碧なのだろうか？
あなたは笑ったと思う
本当に笑ったのか？
自分が正しいと思うのか？
正しいのか？
間違っているのか？
間違ってないのか？
その林檎は甘いのか？
それが本当に甘いということか？
どこまでが本当で
どこまでが…
なにもかもが…
まぁ他人事かもしれないが
そうやって朝を迎える
迎えているのか…
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ワイロで買った絵本はどうも目覚めの悪いシナリオで
蛍光灯が不似合いで
陽気に焼かれていくばかり
それでも世界は拍手喝采
新聞記者はヨダレを垂らして
午後にはさぞかし満足気に帰っていく
パンとミルクが似合う作者は言う
Help me Help me Help me Help me Help me Help meHelp meHelp meHelp meHelpmeHelpmeHelpmeHelpmeHelpmeHelpmeHelpmeHelpme
パンとミルクは似合わない
似合わないんだ
うまく言えない
やめてくれ
蛍光灯とアーモンドとワイングラス
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路地裏
煉瓦の隙間
ごみ箱
汚れた足が綺麗な靴を履いて
通る
通る
路地裏通る
通る
通る
瓦礫を通る
empty
empty
empty
empty
empty
empty
empty……
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明日地球が無くなります
それならあなたは窓辺の花瓶に水をあげましょう
そうして最期まで命を全うするものに感謝を与えましょう
明日地球が無くなります
それならあなたは夕食をいつもよりゆっくり頂きましょう
そうしてあなたに命を与えてくれるものに感謝をしましょう
明日地球が無くなります
それならあなたは大きく息を吸って大きく息を吐きましょう
そうしてあなた自信の命を感じましょう
明日地球が無くなります
そうしたらあなたは瞳を閉じて明日のことを考えてみましょう
きっと笑顔がこぼれるはずです
大丈夫
私は最期まで見てる
照らしてる
だから
おやすみ