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きよたかの部屋  〜 新着順表示 〜


[26] 手編みの未来
詩人:きよたか [投票][編集]

あなたの こころ は
きっと毛糸で出来ているんだね。

そっ と触れようとすると
あたたかくって
包み込んでくれるような。

そんな気持ちになるから
きっとそう。

だからわたしは
いっそ毛糸になって

あなたと紡がれていきたい
と思った。

あなたと寄り添って
丁寧に編み込まれていきたい

そうしたらわたしも
あなたみたいになれそうな気がして。


けれど

ふとしたことで少しよじれて

直したいのに直せなくて

余計に絡み合って

どうにもならなくなって





"全く同じものではないから、仕方ないんだよ"




そっ とそう言って
抱きしめてくれたあなたは

やっぱりあたたかくて。


"大事なことは
どこかで諦めても
決して辞めないことなんだよ"


そう続けたあなたを

わたしは
ぎゅっ と抱きしめた。



いつか


出来るだけ遠い未来に


どちらかの毛糸が
足りなくなってしまったとき

二人の宝物を
あたたかく包み込んであげられるくらいの

マフラーになれたらいい。

わたしはあなたと
そんな人になりたい。

2016/02/05 (Fri)

[25] WIMP
詩人:きよたか [投票][編集]

まるで夢から覚めたみたいに

君はすっぽりと
僕の辺りからいなくなっていて

ふと思い返す度に
虚しさだけが僕の肩を叩くんだ。

「何も出来なかったわけじゃないんだけど。」

ただ何もしなかったんだ。

自分を逃がす言い訳も
飲み込んだ本音さえも
なんの意味も為さないまま空に溶けていった。

「後悔する事の先にあるのは、諦めだけなのかな?」



それとも



今の僕にはわからないけれど。


「きっと僕はこうして死ぬまで生きていくんだよ。」

その言葉は、

もうすでに全てを諦めた本音なのか

誰かに慰てほしいだけの台詞なのか

まだ僕にもわからない。

2011/05/05 (Thu)

[24] 崩壊アイデンティティ
詩人:きよたか [投票][編集]

情けない自分に嫌気がさして
しまい込んだ全てが、溢れてしまいそうになる。

なにもかもに背を向けて、歩き続けてきた
「これでいいんだ」
どこかの誰かに言い訳をした。

いつもそうして
目の前に壁が立ちふさがって
初めて気付いて
途方に暮れて。

振り返って見えたスタート地点が
もう霞んでよく見えない程に、遠い。


誰かの所為にしたくて
なにもかも捨ててしまいたくて
「全部、夢だったらいいのに」と
僕は目隠しをして、立ち尽くした。


なにも変わらないと分かってるのに
全て変えたいと思ってるのに
なにもしない自分が情けなくて

しまい込んだ全てが、溢れだして。


なくなって。



なんだかもう、

僕がいなくなった。

2010/01/17 (Sun)

[23] イマ。
詩人:きよたか [投票][編集]

日常に飲み込まれて
助けて欲しい時に
ただなんとなく強がる僕がいる。

カッコいい人でいたいけど
ホントはね、ホントはね。


「なんにもないんだ。僕には」と呟く度
過去の僕が、僕を睨むの。
「こんなつもりじゃなかったんだ」と、未来から謝ってみたけど
その言葉も意味も
虚しく空をきってなくなった。


手を伸ばしてみても
爪先立ちしてみても
もう届かない場所にだけ
"後悔"が居座るの。

じたばたしてみても
考えたりしてみても
もう変わらない時間がね
僕の首を絞めるの。


ほんとは誰かに頼りたい
泣いて叫んで喚きたい、だけど
そう思う度、未来の僕が僕を睨むの
「今、幸せかい?」
と、問いかけてみたけど
その言葉の意味も
元から無い事に気づいた。



全てを学んでみても
誰かを愛してみても
決して見えない未来にだけ
不安の種が蒔かれるの。


じたばたしてみても
ひたすら悩んでみても
決して触れられぬ時間がね
心を揺さぶるの。


でもそうやってしか僕ら
生きていけない生き物で
今、素直に喜べる事
今、素直に怒れる事
今、素直に哀しめる事
今、素直に楽しめる事

今、過去を振り返れる事。
今、未来を想像出来る事。

僕らにしか出来ないの。

だからそうやって僕ら
すこしだけめんどくさい
人間を、生きてくの。

2009/06/27 (Sat)

[22] しあわせとかくれんぼ
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ビルの谷間にも

せわしく行き交う人の中にも

見つからなくって

「どこにいるの?」って問いかけても

まず、わたし自身はどこにいるのか考えてしまった。



思えば、"わたし"と同時に見失った気がして

それがしあわせだと気付いた頃には

もうわたしは目を隠して数を数えていた気がする。



「いーち にーい さーん」


そうやってわたしは少しずつ成長していくのね



「しーい ごーお ろーく」


正しい事と間違っている事。必要な事と不必要な事。


「しーち はーち きゅーう」



なんとなく分別はついてるけど、まずその基準が正しいのかが分からないまま


「じゅう」





「もーいーかい?」



返答はなかったけど、探し始めた。



"しあわせ"ってなんだろう?

"わたし"ってなんだろう?

2008/09/29 (Mon)

[21] 僕は、生きている
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僕は産まれてきました。


自分で呼吸できるだけの力と

存在を伝える為の声と

大切な事が分かる為の心を頂いて。

お腹の中で受け取った、"愛とありがとう"をオギャーに変えて。



産まれた後も、僕のまわりの人たちは、変わらずに"愛とありがとう"を与えてくれたので

また、僕の心はその想いで溢れていきました。

多分それは、僕が優しい人になれるための蓄えになったのでしょう。

これから出会っていく誰か達を、僕が愛された記憶で愛せるように

僕が感謝された喜びを伝えられるように。



そして学んでいきたい。

感謝される喜びと、する喜び。

愛される喜びと、愛する喜び。


コトバ キモチ ココロ


交わす喜び。


僕からあなたへ

あなたから誰かへ

誰かから誰かへ

誰かから君へ

君から僕へ。




ありがとうがひとつ減って、ひとつ増える世界がいい。

長く長く繋がる愛のある世界がいい。

ごめんなさいが踏みつぶされない世界がいい。



ひとりがみんなに繋がればいい。

みんながひとりを補えればいい。




そして教えてあげたい。


いつか産まれる新しい命に


感謝される喜びと、する喜び

愛される喜びと、愛する喜び。



僕はこの世界に、産まれてきたのだから。

2008/02/07 (Thu)

[20] One
詩人:きよたか [投票][編集]

僕らはきっとひとつなんだろう。

色も形も違うけれど

産まれて来てから死ぬまでの、辿る道筋は似ているだろう。


何かに悲しみ、涙して

何かに喜び、涙して

誰かと笑って、生きていて

過去に浸って、下を向き

未来を思って、悩んでる。




誰もが孤独と戦って
誰もが誰かを求めてる。

素直な君が羨ましい。

明るいあなたが羨ましい。

優しいお前も羨ましい。




僕らはきっとひとつなんだろう。

容姿も性格も違うけれど

生きてく中で感じる事

きっとそれは似ているんだろう。


どっかの国の金持ちと

どっかの国の働き者と

手にする物は違っても

求める物は似ているんだろう。


産まれたばかりの赤ちゃんと

100歳こえたおじいちゃんと

重ねた時間は違っても

求める物は似ているんだろう。



僕が誰かを求める様に

誰かも誰かを求めるんだろう。




僕らはきっとひとつなんだろう。

今はきっと少しだけ
ほんの少しだけひび割れてるけど。



ひとつがふたつにならないように。

心と心で繋がるように。



僕らはきっとひとつなんだろう。

見た目も言葉も違うけれど

産まれて来てから死ぬまでに交わす

『ありがとう』と『ごめんなさい』はきっと

きっと同じくらいなんだろう。

2008/01/29 (Tue)

[19] シアワセの意味
詩人:きよたか [投票][編集]

この意味の無い世界に

産まれた僕は

また例外になれず

意味の無い世界に

溶け込んで行く


ありあまる喜びや

言葉でさえ

伴わない結末を前に

やはり例外にはなれない


僕の足痕もいずれ

君の傷跡もいずれ

風にさらされて

ああ。


永遠なんてないよ

と諭してみたり

永遠に続けばいい

なんて願う

未熟な僕は


仄広い宇宙の

ちいさな惑星で


今日も


水平線の見えない街の

8畳の部屋の窓から


それでも綺麗だと言える

この青い空を見上げている。

2007/11/20 (Tue)

[18] 秋雨〜優しい雨〜1
詩人:きよたか [投票][編集]

秋にふる雨を"あきさめ"と

誰かが決めたらしい。

僕は雨に、特別な感情を抱く事はないのだけれど

それを決めた人はきっと、"秋にふる雨"に何かを感じたのだろうね。



秋にふる雨を"優しい雨"と

君は呼んだ。

僕は特別、雨を優しいと感じた事はなかったのだけれど。



君は少し目をこすって、"優しい雨"だと言った。


あの日君はすべてを話してはくれなかったけれど

なんとなく、悲しんでいる事はわかった。

だのに結局僕はと言えば、雨に打たれるだけで

君に気のきいた
優しい言葉のひとつも、かけてあげられなくて


何も言わない君の横顔が、秋雨に濡れて

余計に悲しく見えたんだ。

2007/11/13 (Tue)

[17] アイムルッキンフォー
詩人:きよたか [投票][編集]

愛がもし、目に見えて
手に取れたのならば
僕はきっと今の様に
漠然と求めたりはしないのだろう。

抱きしめてほしいだとか
キスしてほしいだとか
けれども最終的に
"愛が欲しい"と言ってしまうあなたにも
きっと愛は見えていないのだろうね。

この切ない気持ちが
あなたに伝わっているならば
きっと同様に
愛も伝わっているのだろうけど
あなたは今日も愛を探しているから。

僕もまた、あなたに渡せる愛を
探しているのです。

2007/06/17 (Sun)
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