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梅宮の部屋  〜 新着順表示 〜


[37] ワルツ
詩人:梅宮 [投票][編集]

ふらりと揺れる星の中で
あなたは私と踊るの
騒々しいしじまの中で
月だけがぽかりと浮かぶ
柔らかな風が
シフォンの裾を撫でていく
水の香りが
ココニイルヨとささやく様
笑うあなたの唇の端
甘い言葉もなく
ただ瞳の中に惑星の青が

そう、青い故郷があるの

2023/11/14 (Tue)

[36] 自我の来し方
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ハリボテの空に溜め息をぶつける
水色を塗ったくった棺の中
振り返れば短いものだったねと鶯が鳴くから
お前に何が分かると噛みついた
もう陽は沈まないし
昇ることもないだろう
名も知らぬ花の匂いが多少疎ましいが
一度眠ってしまえばまぁここも悪かない

思えば短い人生だった
鶯なんぞに言わせてたまるか

それを言って許されるのは
私だけだ

2023/10/14 (Sat)

[35] 窓の此岸
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何をそんなに苛立つことがあるのか 空が地を打ち据える
ときに激しく ときに弱く
私は部屋で独り じっと息を殺している
鞭の音 張り手の音 愛の音 哀しみの音
どんな音色とも思えるそれを
息を殺して聞いている

何がそんなに憎いのか 空が地を睨みつける
ジリ ジリ と 灼くほどに
私は部屋で独り じっとそれを見ている
白くて 全てが灰になりそうだよ


窓のこちら 快適で安全な箱の中から
ただ聞いている ただ見ている

 ああ
 ああ、そうか

あれ等が憎いのは地ではないのか
『私』達なのか

2023/07/09 (Sun)

[34] それはいつの日か
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薄紅の恥じらい
青き日々は真白の陰の中にある
窓の外 見る君の頬杖
眦に光る過ぎし刻の忘れ形見
人は還らじ
ただ征くだけ

空から鳩が舞い降りて
また飛び立つ

2023/05/28 (Sun)

[33] 網膜の中
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やぁ、と言えば
応、と応え
そこに何のあるべきか

然りとて君は夢の飛礫
明日は帰らじ郷の粒

GO!と吼えれば
さぁ?と躱し
そこに雫の見るべきか

去れどもあなた
そこはダメだよ

2023/05/27 (Sat)

[32] 老いを美しく思う
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虫の音と風が部屋に滑り入る
ベッドに横になったまま見上げた窓の向こう
下弦の月が逆しまに居る
今日も何もなかった
明日もきっと何もない
満ちず欠けず 歳だけが過ぎる
そんな日々もそう悪くはない

風は幾分涼しくなった

2022/09/04 (Sun)

[31] 
詩人:梅宮 [投票][編集]

鉄の匂いがする夢の中で
私は途方に暮れています
黒一色の場所に立ち
右も左も分からずに
前も後ろも分からずに
辛うじて
足の裏の硬い地によって
上下がわかるだけなのです
虫の羽音がこだまして
ここは狭くない場所なのだと知ります
なまあたたかい臭気によって
異様な光景が脳裏に浮かびますが
何も見えないので
何も分かりません
鉄の匂いがする夢の中で
そういった次第で
私は途方に暮れているのです

2023/06/20 (Tue)

[30] 
詩人:梅宮 [投票][編集]

書きたいことも尽きたのに
書くことを辞められないでいる
これは何かの呪いだろうか

2022/06/18 (Sat)

[29] 冬の夜
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じょんがらの
音が夜の雪片に跳ねてこの耳に届くとき
その手はもう
次の音を弾いてゐる

寒空の月
何を観る その眼で
誰を弾く その指で

知らない香りが鼻腔に迷い込んで
出て往く宛もなく
ずっと私の中に残るのだ
残ってゐるのだ

憎い人
だけど 愛しい音

だから
知らないふりをしてあげる

嗚呼
なんて なんて莫迦な夫(ひと)だろう

でも ほら
じょんがらの 音が 綺麗だから

2022/05/14 (Sat)

[28] お別れを
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跳んでゆく僕のうさぎ
あの青い空
浮かぶ白は今も笑っている

 うん、そうだね

泣き虫にお別れをして
水溜りを 僕も跳びこえる

2021/10/21 (Thu)
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