詩人:とーれぱすて | [投票][編集] |
特急電車強風で低速運転
乗客の僕は遅いと感じるが
自転車に乗るきみからしたら
遅くは感じないのだろう
過ぎ去る景色の中
公園で楽しそうに遊ぶ親子
でもきっと僕には分からない
辛さもあるのだろう
計り知れない物差しの存在を
忘れてない僕はまだ
救われるのだろうか
僕の勝手な物差しで
推し量っているのか
僕は誰かを救いたいのだろうか
僕はきみを救いたいのだろうか
僕はきみに救われるのだろうか
通常速度に戻った。
見える限りの生が
一瞬で過ぎ去っていく
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誰とも話したくないな
なんだか
今日はそんな気分
とりあえず外に出て
目的もなくふらふら
おひさまはぽかぽか
お昼時 喫茶店
騒がしさに身をひそめ
たらこパスタを頬張り
塞ぎ込む
定員さんと話すことさえも。
それくらい今日は誰とも
話したくないな
珈琲は諦めよう
マフラーを高く巻き外へ
朝は白かったため息が
上着を脱ぐほどのあたたかさ
イヤホンマスク帽子
対人バリアは完璧なのに
落ちずに残る綺麗な花
君は年を越すのかい
なんだか矛盾してるな
説明ができないな
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目の前を歩く君
肩を叩いて呼ぶ
振り返える
暖かみを帯びた
優しい笑顔
君で色づいていく世界に
君と僕だけ
僕の君だけ
手を伸ばして君を抱く
握り返される幸福感
特別感のない安心感
僕は君の右側
君は僕の左側
そう決まっているんだ
いつもそうなんだ
色がわかる世界
心臓の鼓動
手に残る
温度のない感触
また
君の夢を見ていた
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過ぎていく景色
そこに住んでいた
確かな記憶
汚れた皮の水面に映る
高いビルの光の揺らぎ
電車に揺られて
心地よい眠りに誘われて
君がいない不安を
大きな音楽で消しています
あの日感じた窮屈さ
今はそれさえも羨ましい
ここにいれば会えるかな
そんなの無理だよな
見慣れた景色に君を投じて
また君を探す日々
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雪が降る少し前
そう、ちょうど今の季節
ここに来たんだ
だけど君は突然高熱を出しちゃって
本当に申し訳なさそうに言ったんだ
「せっかくの旅行なのにごめんなさい」って
仕方ないんだよ 大丈夫なんだよ
でもね弱っている君を見て
僕は 少し笑ってしまったんだ
これから旅行に行くたびに
「今日熱はない?」って真剣な顔で
聞くことになるだろうな
きっと君は少し怒りながら
「ない!!!」って言うんだろうな
ここに来ることを2人の
恒例行事にしてもいいな って
不覚にも弱っている君を
愛おしいと思ってしまった
あの時、ここで描いた未来を
思い出したんだ
君は来ることがあるのかな
ここで何を思うんだろうな
せっかくの旅行なのに
また君を探してしまうな
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小さな手
ぴったりサイズのどんぐり
ぎゅっ と握って
よたよたと
転んでも離さず
顔や膝は泥だらけ
あぁ また洗濯物が増えちゃうな
世界で
宇宙で
一番の笑顔と共にどんぐりがやってきた
僕は僕の幸せを願っていたんだ
僕には小さすぎるどんぐりと
大きすぎる笑顔
大好きな笑顔
その笑顔を守りたいと
思えるようになったんだ
僕は貴方の幸せを一番に願ってる
守りたいなんておこがましいな
汚れても気にせず
まっすぐにどんぐりをもってくる貴方に
僕はきっと
守ってもらってるんだろうな
生きる意味を
ありがとう
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8回目の冬
朝晩寒さが増す日々に
「今日も寒いね」と
君は誰と交わしていますか
言葉の節々に落ちていた影を
抱えながら歩いていた君
赤く染まった夕暮れ
葉が落ち 寒そうな木々を横目に歩きながら私は
また今年も君を按じています
どうか 君を
愛してくれる人と幸せになってください。
どうか 無理をせず
そのままの君でいてください。
私はとても幸せに暮らしています。
暖かく柔らかい風が、
満開の桜を運んでくる春を楽しみに
寒い冬を越すことになりそうです。
8回目の春を待っているとは思えないほど
君が隣にいてくれた
寒いけれど暖かい冬を
未だに鮮明に覚えているのです
本当に
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のばした手が
握り返される
私だけの笑顔で
紡がれた言葉
君の優しさを知る
君の脆さが見える
握り返された手を引いて
ただ君を抱きしめる
誰にも邪魔されないよさせないよ
君が眠るまでこうしていよう
私が起きるまでこうしていて
もっと簡単で
まっすぐでいいんだ
飾らなくて良いよ
ボロボロな君も
愛おしいから
近くに感じる
遠くから想ってる
やわらかなあさひが
今日も夢だと教えてくれる
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きみをまってる
ずっと ずうっと。
間接的すぎてごめんなさい
一番嫌いだよね。
でもこうするしかないんだ。
ここに、ここで、こうするしか。
君の右手の薬指。私の左薬指。
もし、もしまた2人で会えたなら、
もう言葉なんてなにひとついらないんだ。
ありったけのちからで
ただ君を抱きしめる。
きみをまってる
ずっと、ずうっと。
あの時と変わらないよ。君を待ってる。
えっと、君は変わっててもいいんだ
私は変わらない
いや変わっているんだ、
でも深く深く変わっていない
君への変わらない想い
港で待ってる、ずっと、ずうっと。
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理由もわからない空虚さをアルコールで埋める
ほどよく酔う
お笑い番組をYouTubeで見る
心のない乾いた笑い声が
一人の部屋にこだまする
酔いが覚め始めると
また虚しくなる
理由はわからない
理由をこじつけ
プルタブに指をかける
明日へ向かう
確かな時の進みを見たくて
アナログ表示の腕時計を手に取る
スマホの23:59と、腕時計の23:59
長針が12を過ぎたのを見ながら考える
明日は、心いっぱい元気に過ごせるのだろうか。
なぜこうも、張り切って頑張って生きようとするのか
また、プルタブに指をかける