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柚の部屋  〜 新着順表示 〜


[102] 涙を添えて
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夢の奥深くで

眠っていられたらいいのに

静かな蒼に

囲まれ口ずさむ歌

風に乗ればいいと思うのは寂しさ

戸惑い 知らぬ内に流した涙は冷たく

ぬぐった手は白く震えていた


感じたことの無い温もりを求めるのは

誰も同じで

自分しか見えない旅人が

いつまでも彷徨い歩き続けている


ここにあるよと言ってくれれば

すぐわかるのになんていうわがままは

花が散るような思いと似ている

手を握ってほしいという願いは

流れ星に託す思いと似ていた


自分の足で立っているのが辛くて

誰かの為に生きたいと思った

支えたい思いと支えられたい気持ちがぶつかり

また涙ばかりが

泉のようにあふれ出るばかり


愛が愛で返されるのなら

どんなにいいことか

私が私であればどんなに楽か


叶わない思いは永久に輝き続け


いつまでもこの心を強く締め付ける

2010/03/01 (Mon)

[101] 1・1・1
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孤独の空に見たのは

たったひとつの雲の影

嘘つきの横を

夜の風が走っていく

より速くを競い合いながら


どうにも入れない世界は

明かりのついた家のようで

外から見てる僕には

声と人影しかわからない

浸る孤独は星の輝きを誘った


街頭の下に行ってみれば

なにか暗いところが怖くて

結局はその場を離れてしまう

やっぱり違うのさ

違うのさ


僕は一人の夜をどう過ごせばいいのか

独り 悲しくなる

生きていけると思ったレールの上は

ある日突然不安になるものだ

消えてしまうから


以前にはもう戻れないのは知っている

もう引き返せない



立ち止まる ワタシ ひとり

2009/07/08 (Wed)

[100] ふりかえり
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何年も前の

僕らの帰り道

懐かしさの風に吹かれて
青い竹の香りがした


光がちらほらと眩しくみえて

笑い声が今にも聞こえてきそうだよ

僕と同じぐらいの背丈の草に

向こうには大きな雲

息を切らした坂道は

こんなにも短かったっけ


もうキレイになっている

浅い学校のプールの水が

優しく囁いてくれているみたいで

一瞬だけ

幼かった僕に戻った気がしたよ


輝きばかり放つ毎日に

思い出が重なって

少しずつ道になった


振りかえれば

いつでもそこにある

大切なもの

小さな 小さな

大きな大切なもの


今でもあるよ

胸のなかに



このまま


幼い自分を連れて




懐かしの友に会いに行こう

2009/06/17 (Wed)

[99] Lonely
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残された記憶の面影に

どこか取り残された感じのする

十字路の真ん中

何人もの知らない人が行き交う中で

自分の世界の狭さを知った


ただすれ違うだけの人に

もしかしたらあの隣にいたかもしれないという

妙な期待が

胸の中の涙をあふれさせようとする

後悔という逃げ道に

なぜこんなにも甘えているのだろう


自分はいつこんなにも弱くなった



知ってるさ

それは


本当に本当にずっと前

ずっと ずっと前

最初からだった


気付かないフリを

していたんだよ


認めたくなかったところが

今 大きくなりすぎた


そばにいてほしいものと

求めているものが違ったように


すべての世界が交差する



一度ぐらい


あの人のもとで泣いてしまおうか

2009/05/30 (Sat)

[98] 笑顔咲く
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ずっと夢見てたこと

いつの間にか忘れていたね


雨と共に全部を流して


また一緒に笑いあえないだろうか

2009/05/28 (Thu)

[97] そしてまたいつか
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鉛筆で書かれた

消えそうなイニシャル

もう日に焼けたページは

昔の香りを感じさせる


まだ幼い字に

ふと笑みを浮かべてみれば

優しい温かさに

包まれた気がした


未来の僕の為の

たくさんの言葉

たくさんの気持ち


どうして忘れていたんだろうね


こんなにも願い望んだこと


今ではこんなにも遠くに感じていた輝き



昔の自分にありがとうを言おう

2009/05/27 (Wed)

[96] 光の差す方へ
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声が届かなくなる

自分に

あの胸が熱く

こげるような感覚と

まるで無風の中にいる

静か過ぎる世界


現実とも夢ともわからないような

閉ざされながらも広がる


自分だけの世界


そんなところに唯一届くのは

空多角飛んでいる鳥の姿と

自身の鼓動

息を吐くごとに高鳴る


自分の鼓動



一度目を閉じて

もう一度開いてみれば

とても明るい景色が岐路がる

そして自分は一歩踏み出し



その明るい中へと


少しずつ歩んでゆく

2009/05/21 (Thu)

[95] かごのとり
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外はとても明るくて

青と蒼ばかり広がっている

風は木を揺らし

とても強く まるで歌うように

枝をしならせた

僕はそれを

何も無い部屋から見ていた


音すら聞こえないこの中で

僕は音を感じていた

一体自分はこの部屋で何をしている

世界はもっと広かったはずだ


この場所に存在しているのかも

不安に思えてきた中で

僕は外を見ていた


一つの赤い風船が

青と蒼ばかりの中を飛んでいく

きっと幼子が

放してしまったのであろう赤い風船が


僕の中に飛んできた

そんな気がした


まるで何かが生まれるように

2009/05/21 (Thu)

[94] 白い花
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すべての夜明けに

白い花が咲き

太陽の光の向こうに

虹が かかる


夜露に濡れた

白い花びら

光に照らされて

七色に染まる


黄緑の葉が

まるで飴のように

優しく輝く色をしていた


ただ

ただ

そこにいるのは誰


ただ

ただ

立ち尽くしている


そっと手を伸ばすけど

届かない


せめて

声だけでも

届けたいけど

もう

わからない

わからない


夜露の色は

乾けば落ちてしまうけど

心の色までも


戻せはしないということを


今 知った

2009/04/30 (Thu)

[93] 花へさよなら
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風に誘われ舞う花の

中にいるのはただ一人

もう季節も変わるよと

言うほどに天高く舞う名も知らない花


ピンクというには優しくて

白とはいえない花びらが

蒼い空を彩りながら

輝いていた


もう緑も青々と

五月がやってくるよと

まるで最後を惜しむかのように

私に語りかけた

散りゆく名も知らない花の隣でほら

藤の花の紫がよく映える


さよならを言うには早すぎて

包まれた僕の姿だけが

とても異質なもののような気がして

朝の香りがいつも以上に

僕の中へと誘われてくる


足元で踊る花びらが

春のような気がして

歩みをためらわせる

またあえる日を信じて

別れを告げようか




また来年

僕は また出会う

2009/04/23 (Thu)
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