ホーム > 詩人の部屋 > ひつじの・Xの部屋 > 新着順表示

ひつじの・Xの部屋  〜 新着順表示 〜


[7] 
詩人:ひつじの・X [投票][編集]

雨が降っている
僕は
ずぶ濡れだ
 
ずどーん

雷が鳴る
 
閃光がはしり
どこかに
落ちる
 
もちろん
僕のところじゃない
 
でも
確かに
どこかに落ちる
 
一瞬のうちに
終わってしまう
 
そして
何事も無かったかのように
雨が降り続ける
 
僕はもう
ずぶ濡れになっている

2008/10/19 (Sun)

[6] 僕らの時代の愛
詩人:ひつじの・X [投票][編集]

僕らは
 
僕らの言葉しか
 
  信じられなかった

2008/10/15 (Wed)

[5] スクラップ
詩人:ひつじの・X [投票][編集]

貧しい国の
貧しい子供たちが
ゴミを集めて
生き延びているように
ぼくは
言葉を集めて
生き延びている

2008/10/11 (Sat)

[4] キリスト
詩人:ひつじの・X [投票][編集]

キリストってさぁ、ほんとはこくじんだったんだってよ
えぇ、ほんとにー? がいじんじゃなかったの?
っていうか、いまカーテンこわれたんだけど
なに、カーテンって?
カーテンだよ、カーテン。ふんじゃっさぁ
えぇ、ほんとにー?
ほんと、ほんと、まじで
ねぇ、しってたぁ?
なに、なに?
キリストってさぁ、こくじんなんだよ
ふーん、っていうか、どうでもよくない? じぶんらにんげんだし
なにそれ、いみわかんない


2008/09/17 (Wed)

[3] 迷子
詩人:ひつじの・X [投票][編集]

「ここはどこ?」
「地獄さ」
「でもわたしまだ生きてるわ」
「生きたまま地獄に連れてこられる場合もある」
「でもわたしどこにも連れて行かれたりしてないわ」
「心の問題さ」
「こころ?」
「そう、心。気持ちの持ち用でここは天国にも地獄にもなる」
「本当に?」
「本当さ」
「じゃあ、あなたはどこに居るの?」
「アウシュビッツさ」
「アウシュビッツ?」
「そう、まあ象徴にすぎないけどね」
「象徴?」
「別にアウシュビッツじゃなくてもいいってこと。サラエボでもベトナムでもイラクでもチェルノブイリでも……、まあ、どこだっていいのさ」
「ねぇ」
「なんだい?」
「ここは日本よ」
「そのくらい知ってるよ」

2008/09/16 (Tue)

[2] しあわせなひび
詩人:ひつじの・X [投票][編集]

ランデブー。
ぼくたちはみんな
うつくしい。
または、
みにくい。
きみのこころは
みえにくいから
にくくなる。
慈善事業とかいって、
最終的には
ぶたがかわいそうとかいって、
にくくわない。
ベジタリアン。
アダムとイヴ
ロミオとジュリエット
ぼくときみ
とかいって、
ロマンチスト。
神様、
ぼくの欲望を
なくしちゃってください。
食欲
物欲
性欲
もうぜんぶ。
そうすれば
みえてくる、
しあわせなひび。
なんていって、
ファンタスティック。

2008/09/16 (Tue)

[1] 季節はずれの春の歌
詩人:ひつじの・X [投票][編集]

僕は君を見つめている
 
僕は君を見つめている
冷たい石と
黄色い花を。
やっぱりこんな日には
雨が降っているのが似合うように思えたから
僕は雨を降らしてみる

雨が降ってきて
 
ザーザーと、
もしくはポツリポツリと
雨が降ってきた。
僕も
石も
花も
濡れていく

冷たい石

冷たい石は
最近冷たくなった様にも、
最初から冷たかった様にも見える
僕にはよく分からない
僕はこの石は君じゃないな
と思う。
ただあくまで
僕の個人的な印象に過ぎないのだけれども

黄色い花
 
僕はその黄色い花の名前を知らない
タンポポやヒマワリでは
無いことぐらいしか分からない
その花は
とても静かに
置かれている。
雨に打たれながらも
何も言わずに
静かに
ただ静かに
そこに居る

そう言えば
 
そう言えば
春という設定だった。
 

 
春、
桜が咲き、
新しい命が生まれる季節。
そんなイメージ
君が、
冷たい石に、
黄色い静かな花に、
なるには向かない季節
だと僕は思う。
でも
それも僕の個人的な意見に過ぎないのだろう。

春、
君は静かな花になった。

2008/09/15 (Mon)

- 詩人の部屋 -