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猫の影の部屋  〜 新着順表示 〜


[547] 優しくなりたい。
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優しくなりたい

だけどもう、これ以上は優しくなれない

僕はもう、十分優しくなってきた

時間も、手間も、思考も、なんなら感情だって

ぜんぶぜんぶぜんぶ、捧げてきたんだ

でも僕は

僕はまだ、優しくなりたい

これ以上、優しくなれなくても

まだ、優しくなりたい

2018/11/07 (Wed)

[546] 漂流するものたち。
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僕たちは孤独であるがゆえに、孤独になりきれず、文脈の中をたゆたう一個の言葉である。主語になり、助詞になり、形容詞になり、述語になる。

そして世界は書物になる。

2016/05/11 (Wed)

[545] いたずらきぶん。
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ファストフードを食べて、お酒を飲んで

いつもよりも遅くまで起きて夜空を見上げて

そうして少し悪い子供になった気分

そうして少しワガママになった気分

2016/04/13 (Wed)

[544] つまらない人たち。
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嘘だとわかることも

本当だとわかることも

どちらも嫌いだ


はっきりとした瞬間

すべてが決まってしまうから

それはやっぱりつまらんことだ


いつもゆらゆら

いつもふらふら


風のように

生きていたい

2015/11/06 (Fri)

[543] 逃げを打つ。
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逃げることを肯定してしまったら

もうここへは戻れなくなるだろうか

逃げることを否定してしまったら

もうこれ以上は進めなくなるだろうか


振り絞った声も虚空に消えて

空はそれでも底抜けに青い


ギュッと唇噛めば、血の滲む味

ペロリと舐めて、僕は決めた

2015/11/06 (Fri)

[542] 最後から何番目かの恋。
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重みのない言葉ばかりつぶやいて

君の頬をなぞるんだ

届かないような気がして不安になって

ぎゅっと強く抱きしめる


何度も何度も泣きそうになる

君がここにいることに

何度も何度もキスをした

確かめるように

確かめるように

2015/02/19 (Thu)

[541] 恋。
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どうにかなってしまう
君のことをよく知りもしないのに
どうにかなってしまう
好きという言葉からさんざっぱら逃げてきたのに

声色も
笑顔も
話した内容も
全部わからなくなっているのに
日増しに君の存在が
この胸のうち、大きくなるのだ

君のこと、なにも知りはしないのに
好きになる、根拠のひとつもないのに

どうにかなってしまった
どうにかなってしまった

2014/12/02 (Tue)

[540] 殺意。
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世界をまるっと殺してしまえたら、なんて

結構ずっと思っている

その後に残るものがあるとしたら

きっとそれって「ほんとう」なんじゃないのかとか

思ったり


殺せるものは限られていて

どうしても離れ難いものがある


それでもまず、殺すことかははじめなくちゃ

はじめることから、殺さなくちゃ

2014/08/20 (Wed)

[539] 君を追って。
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炎天下 君の後を追った


鳴り響く太鼓の音、祭囃子

どこかで割れる水風船

子供が泣く声 母を呼ぶ


炎天下 君の痕を追う

間に合わなくてもいいと思う

2014/07/29 (Tue)

[538] なつのかぜ。
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うそのように蒼い空

夢のあとが駆けていく


吸い込む風は熱く

君との夏を思い出す


あの夏はとても暑くて

とてもよく笑った

2014/07/28 (Mon)
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