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あぎの部屋  〜 新着順表示 〜


[6] 愛する者へ
詩人:あぎ [投票][編集]

 
 
 
ほんの少し退色してしまった飴玉越しの世界
歪んでいるくせに、ひどく美しい


その鼈甲色の景色が 大好きでした


笑うのがへたくそな主人公達と疲れ切った大人
一度でもよいから、貴方の眼でその世界を見てみたかった


けれどもそれはもう適わない
貴方は私達よりも一足早く、また別の世界を
見に行ってしまったから


先にいって待っていて下さい
私が追いついた時に魅せるものを
子供の様な笑顔で握りしめて


今敏監督に贈る
ご冥福をお祈りいたします
 
 

2010/08/26 (Thu)

[5] 少女革命
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無限回廊駆け抜けて
蕩けそうに甘い、チョコレートの匂い


あの白い肉塊は
私に追わせる癖に私を追いかけている


迷い込んで迷い込んで
少女よ、もっとこの世界に溶けていけ


毒入りのマフィンとシロップ漬けのハーブティー
値札なんてつけて帽子に着られちゃって


泣いてばかりの紛い物
不幸自慢ばかり


強情な女王様
張りぼての乙女


ワンダーランドなんてヘルスに夢ばかり求めて
札束抱えた王子様達は両手を叩く


曖昧ラインを薬で埋めて
両手に剃刀を抱えて少女はまた、迷い込む
 
 

2010/08/22 (Sun)

[4] しらゆきひめ
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キラキラ光る、貴方の星
 
照らしだすには幾らか役不足な私
 
 
嫌々光る、私の私
 
鏡は嘘つきだわ、美しいだなんて
都合の良いことばっかり言って
 
 
宝石で飾られた金色の王冠よりも
飛びっきり甘い、毒入り林檎を頂戴
 
 
夜空見たいに磨かれたその光沢に
グロスたっぷりの唇でキスを上げるわ
 
 
けれど貴方が両手にいっぱい
愛を持ってきてくれたなら
 
本当はそれだけで充分なのよ
 
 
鏡よ鏡
嘘つきはだぁれ?
 
 

2010/08/15 (Sun)

[3] 兎病
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まんまる赤い目玉に
ふわふわ真っ白ファー
 
 
飛び出す勇気のない兔
出来損ないの生命力
 
 
声はすれども姿は見えず
君を囲んで飛び回る
 
 
馬鹿な兔 愚かな兔
ピアスだらけの長い耳
 
 
嗚呼はやく構って
しんでしまいそう
 
 

2010/08/15 (Sun)

[2] A candy girl
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言葉をつめたガラスの瓶に
お気に入りの水玉リボンを結んで
 
 
ネオンカラーのコンタクト
瞳につめ込んでお星様キラキラ
 
 
今夜も街に飛び出すの
 
 
ねえ王子様!
そんなうすのろ白馬よりも
私のホウキに跨らない?
 
 

2010/08/15 (Sun)

[1] red hood
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そう例えば、
熟したチェリーみたいな赤
 
 
血のように、燃えるように
 
 
貴方を誘う、赤
 
 
ああ、はやくはやくはやく!
はやくしないともうすぐ
お婆様のお家に着いてしまう
 
 
白馬でのお迎えなんて望まないわ
 
 
葡萄酒ごと私をさらって頂戴
 
 
野蛮なキスをして
 
 
真っ白なタイツを汚して
 
 
少女から大人への階段は
この赤いフードで駆けのぼってみせるわ
 
 
ねえ、狼さん
それとも私では不満かしら?
 
 

2010/08/15 (Sun)

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