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[196567] コトノハ
詩人:サエ [投票][編集]

あなたが想いを告げるとき
洗い立ての毛布のようにあったかい
電話を切ってもしばらくは

求めずとも
せがまずとも
降ってくる優しい言葉たちを
私はどう受け止めたらいい?
繋がっているから言わなくていいと
あなたの気遣いはわかるけど
私も想いを伝えたい

けど言葉にするには限界があって
離れてしまった今
抱き合うことができない今
言葉でしか繋がれない今
言葉を並べるほどに切ないの
伝えきれないことがもどかしいの

所詮抱き合うことでしか
繋がっていられない私たち
満ち足りない月のように
ほら 今夜ももがいてる

2020/04/07 01:57



[196566] 遠き人
詩人:梅宮 蛍 [投票][編集]

遥かなる人よ 私はここにいる
尊き人よ 名を呼んでおくれ
それだけで あの高き山も
遠き空も
深き海も
渡っていける
遥かなる人よ 尊き人よ
幽き命よ
灯火よ

2020/04/06 23:56



[196564] 命あっての
詩人:ふくざわゆいと [投票][編集]

命あっての

全ては 命あっての

ある大人たちの判断が

もし 大きな大きな間違いで

まだ幼い 多くの命が危険になるなら

青く若い 輝く命が失われてしまうなら



「大丈夫 これならもう大丈夫だよ」と

専門家たちが 確かめてみて

それからでも 遅くないんじゃないか




みんなで一年 ちょっと我慢して

浪人したって 留年したって

いいじゃないか



生きていれば 頑張れる

生きていれば 希望がある

生きていれば 生きてさえいれば…



目を閉じて

胸にそっと 手を当てて

聴いてごらん



命あっての未来

命あっての世界

2020/04/04 22:51



[196562] くちなしの君
詩人:高級スプーンあと何年 [投票][編集]

とにかく
なんでも口に入れるから
困ったものだ
そのくせ
喉元過ぎれば
なんとかだもの
あなたは高いところが苦手
だけどバカ正直に笑う
世界は今日も平和です
そんなわけないのに
そんなわけないのにね
何十何百億年かけて
ここまで来たのは
わかっているけどさ
もう少し早く
より良い未来が来ればいいのにな
あなたはなんでも口にするから
すくすく育ち
あなたはなんでも口にするから
気持ちが良くて
あなたはなんでも口にするから
死んじゃった
口無しの死人
だけど化粧映えする顔立ちで
こんな時でも笑ってる

2020/04/04 02:13



[196560] 呪文
詩人:サエ [投票][編集]

夜中に見返す愛しい文字たち
きれいに並んだ愛しい文字たち
もうすぐ消える愛しい文字たち
透明な宝箱があったらいいのに

秘密の角を曲がったら
そこは月明かりもない夜のなか
あなたに背を向け火をつける
煙がくゆる夜のなか
あなたが私を呼んでいる
私の名前を繰り返す

返事なくても続けるあなた
何度も唱える呪文のようで
続く呪文は魔法のようで
私は魔法にかけられて
あなたの呪文が愛のことばに聞こえるの

名前をひとつ呼ばれるたびに
私の体温が上がってく
名前がまるで
愛してるの隠語のようで
あなたに何度も唱えて欲しくて
私は聞こえない振りをする

消費期限はあと2日…
あなたはあと何度
魔法を使うだろう

2020/04/01 02:09

[196558] シティ・イン・ザ・アイランド
詩人:梅宮 蛍 [投票][編集]

おおきなひとがやってきて ぼくをのみこんだ
まっくらになったみちのとちゅう
そこはあたたかくて やわらかくて

ちいさなひとがあらわれて ぼくにはなしかけた
ピンクいろのみちのとちゅう
そのひとは ぼくのまえにきたひとだって
そういって

ぼくのてをとって ふたりはおどった

ねぇ ここはどこ?
そんなことがだいじなこと?
ねぇ きみはだれ?
あなたはしってるはずよ

おおきなひかりがやってきて ぼくをのみこんだ そのあさに
ちいさなひとがやってきて ぼくはかみさまと ともだちになったんだ

2022/01/28 01:40



[196556] 性根
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

小さな頃から
嘘が好きだし
嘘しか
話す気になれない

耳のそばを蝿がかすめる

シーミーと言って
年に一度
沖縄では親族がその先祖の墓に
集まる風習がある

本当に見た事にしか
語る価値を感じない

母の実家の墓は
本島に寄り添う
ごく小さな島の丘のふもと
建ち並ぶ墓の中
団地のポストのような一角にあり

あたりまえみたいに訪れてきた

子供の頃から
なぜたが
自分達の墓のある場所から
上に登った事が無い事に
その日
登ってみながら
初めて気が付いていた

各階のような墓のある等列が
段々ごとに
整然と続いていたが
終点付近は
異様だった

蝿が
そこら中を飛び交い
犬小屋みたいな墓が
いや、ただのコンクリートの箱が
横に向かって二三十は並び
中にはコンクリートの蓋が外されたような箇所もあって
寒気と鳥肌を感じながら

わけもわからず

とにかく
その場をあとにした

帰宅してから

大雨が降りそそいだ
台風が近づいていたのだ

この嵐の夜が
何もかもを洗い流してくれるように
祈るように布団の中に縮こまり
何もかもが外で雨風に打ち震え
遠退いていった

今も毎年シーミーはあるけれど
もう二度と
自分達の墓のある所から上へは
行こうとは思はない

俺は嘘が好きで
懲りない方だと
思っている

2023/01/21 23:56



[196554] 砂時計
詩人:サエ [投票][編集]

砂時計のなかの自分

時間が経つにつれ

息苦しさでいっぱいになる

時間が解決するだなんて

慰め以外のなんでもない

じわじわと落ちてくる砂

いっそのことひとおもいに落ちてこい

あなたの想いが目に見えたなら

わたしは平気じゃいられないだろう

あなたの姿を探してる

いつだって1番に見つけたい

目を瞑ったらあなたが映る?

甘え下手な甘ちゃんは

何も見えない

離れたら意味がないの

触れないと意味がないの

誰か砂時計を逆さにして

もう一度あの頃に戻してください

2020/03/26 02:25



[196553] 僕らの声は澄んでいる
詩人:たかし ふゆ [投票][編集]

金曜日に髪を切りに行った
山崎さんの指が相変わらずしなやかで
僕の髪も相変わらずへたり癖で

世界は変わらない

と思ったのに
道すがら、交差点でお地蔵さんを見掛けて、まじまじと見る
果たして、こんな顔立ちだっただろうか

エントロピーが拡がり続けていくように
世界はアップデートを加速し続ける



別れたとき、元カノが「他の人の彼女になったよ」、とメールしてきていて
付き合いだした頃の温度と、その時の温度とを天秤に意味もなくかけた

夕暮れの時計台
伸びていく給水塔の影
風に舞いながら
空を漂ういくつもの折り紙たち

秒針の音だけが響いて
怒りもせず、悲しくもなく
僕は歩き出す
ただ、何かの終わりだけを実感しながら


見えない涙や傷を抱えながら
僕らは生きている
切り落とされる髪の毛のように
伸びきって、いつかそれらが身体から離れていくまで


煙草の煙がくゆる自室

切れかけのトイレットペーパー

机の上の、書きかけの文字


2020/03/25 23:26



[196552] you
詩人:サエ [投票][編集]

運転してても

一服してても

コンビニ行っても

仕事してても

昨夜のあなたの愛してるが

右耳に張りついて

とれないの

この声をいつか忘れる日がやってくるのが

たまらなく怖くてさびしいの

明日なんて来なくちゃいいのに

昨日を永遠にループしていたらいいのに

2020/03/25 13:17
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