詩人:サエ | [投票][編集] |
あなたはいいひと?わるいひと?
わるいひとは休まない
わるいことは夜に起きるとは限らない
あなたならばいいもわるいもない
いちにちの始まりを
朦朧としたまま
あなたと迎える至福
あなたが降ってくる地獄
いろんな奇跡重なって
そんな一日どうしたって
それ以上心動くことあるはずない
今だけ
わたしの中で悦んで
今だけ
最後の秘密をつくろう
もうしないから
もう欲しいだなんて言わないから
もう満足するから
神様、
今だけごめんなさい
詩人:あいる | [投票][編集] |
君はいきなり泣くんだ
いつも突拍子もない
君の
君による
君のためのリサイタル
ワ行に濁点をつけたような不器用な泣き声は
夏の嵐のようで清々しい
鳩が豆鉄砲をくらったのはつい先日のこと
パズルのピースだったり
迷宮だったり
自分を形成する
ナニカの在処を
まだなんとなく探してる
このなんとなくが諸悪の根源でさ
心の体積は変わらず
入れ物だけ大きくなって
今日を乗り切る知識だけを
頭に貼りつけて
そんなん必要ない
なんとなく
呆れるくらい晴れた空に
儚さをおもうようになった
科学的根拠に基づかない
基づきたくない
調律なんだよなきっと
なんとなくはなんとなく
あたたかくてさびしいんだ
君が泣く
泣けないボクのかわりに泣くんだって
切れたままのギターの弦でも張りなおそうかな
あれもしたいし
これもしなきゃな
さびしくてあたたかいな
とりあえずは
なんとなくつられて
泣いてみようかな
詩人:サエ | [投票][編集] |
わたしも彼もあの人も
みんなもれなく嘘をつく
今夜あなたを諦めるのに
わたしはどれだけ車を走らせた?
どうしても噛み合わない日は
だいたい
どうしてもあなたに会いたい日
だったりする
あなたの深夜の
おやすみのメッセージは
今夜どうして
こんなに胸を締め付けるの?
わたしと過ごす他に
あなたがこんな時間まで起きてること
わたしの知らないあなたの時間
わたしの知らないあなたの顔
きっとあなたは教えてくれない
きっとわたしは知る由もない
当たり前にリンクしないふたりが
交わるのはあと何度だろう
もうなかったりするのかな
熱に浮かされたまま
放っておかないで
つかず離れずの距離は
鋭く生温いトゲだ
わたしから笑顔も涙も
奪っていかないで
消去するなら記憶ごと
あの花火の夜から始まった
苦くて甘くて半分溶けた
チョコレートみたいな
暗闇の中の頼りないろうそくみたいな
細くねじれて絡まったみたいな
今にも切れそうなふたりの糸を
吸い差しのたばこの火で
焼き切って
きれいになんて切れなくていい
焼け焦げた匂いと
くすぶった熱がとれないくらいでいい
詩人:高級スプーンあと何年 | [投票][編集] |
隣り合わせの苦しみは
地獄そのもの
首を絞められ気絶をしても
冷や水のような現実をぶっかけられて
目を覚ます
そんな時
夜の誘いよりも
眠りに落ちるよりも
ぼくを魅了するきみだ
走馬灯は見てられない
思い出に成った過去はないから
物覚えの悪いバカのまま
一度も振り返ることなく
消えてしまいたかった
誰でも良いわけじゃない
今すぐ会うには
そうするしかなかった
気を紛らわせるには
他の誰でも良かっただけで
事が済んだら
また逢いたくなるって
そこまで頭は回るのに
最低だ
何より素晴らしいことを
「生きるほど」とは言わないよな
そういう話
想えば想うほど楽しめない
僅かな間もなく息ができない
また襲われる
出会ったこともないのに
きみほど恋しいものはない
詩人:高級スプーンあと何年 | [投票][編集] |
シティポップを聴きながら
夜の海まで車を走らせる
カッコ良い顔なんだろうなそいつ
お別れまでの過程も
あとに残る切なさも
醜さのカケラもないんだろうなあ
恥の多い半生は滑稽過ぎて
サブスクで解禁は無理
誰にも聴かせられない失恋ソング
死にたい夜
部屋の隅っこ 脳内で流してる
気持ち悪いな
きみのことを思い出し
どうしようもない
泣いたらさすがにブサイクすぎるから
無表情
出口のない夜更け
どん底の六畳間
感情を殺して寝転がる
死体みたい
でも息はしてる
イヤホンさして
逃避しても変わらない現実
あれもこれも
キャンセリングできずに苦しい
きみとの思い出から
良いところだけを抜き出して
昨日のことのように
耳元に引き寄せて聴き浸る
気持ち悪いな
人間らしさと交換でも良いから
正しくきみを忘れたい
正気のままじゃ前を向けないとか
ホント醜いな
いつまでも続かない夜に
出来損ないが何を想う
嘔吐きながら
詩人:遥 カズナ | [投票][編集] |
片言でいい
花咲きたい
見向きされる望みすらいらない
片隅へ投げ捨てられ
花咲く心地で
自分だけの中に
後悔の無さを
拠り所に
花咲きたい
咲く時期を逸した
蕾みで
詩人:ふくざわゆいと | [投票][編集] |
長く連絡を取っていなかった
あなたからの 久々のLINEは
「5月に結婚するよ」というものだった
こんな先行きの見えない
不安定極まりない世の中でも
あなたは力強く
明るく 希望に満ちた姿で
堂々と 誰かに伝えられる
その清々しさが
ワタシには眩しくて
羨ましくも見えた
詩人:結愛 | [投票][編集] |
空虚な瞳 何かを諦めたような顔
自分を 家族を
周りとの関係を守りたくて
つなぎとめたくて
嘘をつく
ううん あなたにとっては
嘘じゃなくて 全てが真実で…
行き過ぎた先は
何が何だか分からなくなる
あなたは真っ直ぐだけど怖がりで
でも愛されたくて 優しくされたくて…
「本当は分かってもらいたいだけなの」
そういう声が聞こえるの
愛しています あなたのこと
本当のあなたを 知りたいんです
知られたくない 分かられたくない
信じられない それでもいい
いつでも温かくありたい
受け止めたい 受け入れたい
今まで辛かったね 頑張ったね
もう頑張らなくていい
人に言われた通りになんて
生きなくていい
自分の人生を生きて…
自分を否定しないで
泣いたっていいから
汚れた腫れた醜いどんなあなたも
私は知りたいんです
否定しない 真っ直ぐ受け止めるから
人は誰だって愛されたいの
たくさん転がってる偽物の愛情
自分を守るための 自分に都合のいい
自分本位の愛情
それに傷つくこともある
生き抜く力を失うことも…
でもあるから
「分かってもらえる」
「理解してくれる」
「受け入れてくれる」
そんな愛情も
きっとそんな愛に触れたとき
人は信じられるのかもしれない
愛しています あなたのこと
本当のあなたを 知りたいんです
知られたくない 分かられたくない
信じられない それでもいい
いつでも温かくありたい
どんなあなたも
受け止めたい 受け入れたい
詩人:結愛 | [投票][編集] |
待ち合わせ すっぽかして
訳分かんないこと言って
関係を2度も切っちゃって
たくさん傷つけて
友達になるチャンスを自分で潰した
いまさら言えない
3度目の正直
「友達になってください」だなんて…
約束を守れる自信が無い
不安から逆なことをしてしまう
後に後悔するばかり
自分に自信が無いの
いつ嫌われるかもわからない関係に
裏切られる日が来る可能性が怖くて
本当は「好きになっちゃいました」だったけど
好きになってもらえない事くらい
ちゃんと分かってる
だから、そんな気持ちに蓋をして
友達になりたいって思った
友人より薄い繋がりかもしれないけれど
本当は大切にしたい
だから高望みはしない
知人同士 ネット上でやり取りをする
歌の話や他愛のない話をして
大好きな歌声を聴いて…
知人というより
ファンかもしんない
うん、ファンに近いかな
何時でも何も変わらずに
接してくれた事に
とても感謝してるんです
普通なら嫌われても
おかしくない事だから
寛大すぎるというか
優しい人なんだなって思った
それと同時にそんな様子に安心した
まぁ正直、私を好きになってくれるような
物好きな人なんて
世の中にいるのかは絶望的だけど
でも、今の状態が心地良いから
イイかとも思う
詩人:遥 カズナ | [投票][編集] |
十年程前に
会社を退社して
起業した二人の元同僚がいる
帰宅途中に
久しぶりに会いに立ち寄ると
あの頃に
タイムスリップしたみたいで
自宅兼作業場
狭く小さな会社だが
壁には二人で何処かの写真館で撮った
凛々しい写真が飾られている
顔にも言葉にも出しているつもりはなかったのに
二人の優しい気遣いが
ひび割れた心に染みわたり
本当に有り難いと思った
「俺もここで一緒に働きたい」
そう言いたい
ドブ川の傍らであろうと花は咲くし
晴れてさえいれば
水面に爽快な空も映る
でもそれは
俺から見た景色で
彼らにとっては向こう岸の人間の絵空事なのだ
帰宅して
ビール呑んで泣いて
眠る