詩人:サエ | [投票][編集] |
男は扉をたたくだけ
自分から開けることはしない
中から女がでてくるのを待つだけ
最後のトリガーを引くのは女
引かせるように仕向ける男
なんて
ずるいよね
詩人:サエ | [投票][編集] |
久々でもかまうことなく
わたしを抱きしめる腕に迷いはない
会いたかったと
抱きしめながらあなたが溢した
ねぇ
よっぽどわたしの方が逢いたかった
全部欲しいと
瞳をとじてあなたが漏らした
ねぇ
とっくにわたしの全てを拐っていった
時計の針は
あなたとわたしのときばかり
やたら早足で
どれだけ願っても
止まってさえくれない
あなたの感覚を反芻しては
乱れた心を押さえつけ
あなたの声にさぇ反応する
冷えた身体を縮こませ
あと幾ら刻が経てばと
ひたすら画面に訴えかける
あなたをひととき手にする為に
ピアスを片方なくしたみたい
詩人:さくらんぼ | [投票][編集] |
久しぶりに覗いてみた。
「まだあった」ほっとした気持ちと
懐かしい気持ち。
あと、
ちょっと恥ずかしい気持ち。
過去の自分が書き落とした詩は
若くて…未熟で…
鮮明に覚えてる悩んでた気持ち。
それと幸せな気持ち。
ここに居たから
今があって
この場所があったから
救われて
きっとまた数年後
この場所にたどり着いて
同じことを思うんだろうな
詩人:サエ | [投票][編集] |
そんな気ないのに
これでラストと
嘘をつく
あなたがわたしに火をつけて
わたしがあなたを抱きしめて
ふたり一緒に染まってく
静かな炎は赤くなり
煙りを吐いては息苦しい
激しい熱で唸りをあげて
どんどん深く堕ちていく
満ちかけた月も見えない場所で
誰にも知られず燃えていく
最後の残り火で照らされた
あなたの穏やかな一瞬を
切ない炎の残り火を
わたしだけが知っている
詩人:サエ | [投票][編集] |
隙をついては
人目をぬって
奪われる唇
冷たい唇が
気持ちいいなんて
わたしも
ほとほと浮かれてる
目が合うたびに
早くなる鼓動を
こっそり触れられるたびに
跳ね上がる鼓動を
早くあなたと分け合いたい
予告もなく鳴る電話
油断してると
足元すくわれるから
あなたのかわいいに
もうそれほど価値なんてないから
あなたから離れる口実はある
リミットも近い
あとはそれに理由をつけるだけだから
自分を納得させるだけだから
詩人:高級スプーンあと何年 | [投票][編集] |
不用意に目を潰す
見えなくなったと駄々をこねる
叱ればいいのか
笑えばいいのか
ぼくは
母親がするように背を向けた
母親とは違って愛情はないから
振り向かず
抱き寄せず
帰路に着いたよ
地べたで泣きじゃくる彼も彼らも
独りになったと気が付けば
腫らした両穴で虚空を仰ぐか
星ひとつない闇を見るのはきっと辛い
後悔しても
詩人:梅宮 蛍 | [投票][編集] |
沈みゆく果てに歌はない
高く飛ぶ花
舞えば夢
奥園の果てに夢はない
低く成る鳥
散れば空
松林の静寂
倶利伽羅の寂静
那由多の煌めき
悔恨の唸り
軋む悟道に幾万朽ちねど
弾む魂緒は
救世の真髄神のまほろば