| 詩人:猫のあし | [投票][編集] |
ひとつの大きなものを捨てて
ただ、生きる事を選んで
失った分
新しいことが、始まったり
孤独でも
僕には未来があって
だから立ち止まらないよ
僕が生まれてきたことに
意味があると信じたいから
明日は、また新しい1日だから
| 詩人:浜崎 智幸 | [投票][編集] |
・
・
目覚めるまえに思い出して
このわたしの面影を
起きてもいない寝てもいない
そんな時にきっと
目覚めるまえに思い出して
わたしは夜会いに行く
遠い姫路の空を越えて
あなたが呼ぶならば
古里はいま 古里はいま
丈を競う草木
暦を越えて 季節を越えて
伸びる若い芽
目覚めるまえに思い出して
幼なじみのわたしを
心のままに風をおこす
ことができるならば
目覚めるまえに思い出して
あの時かけた呪文を
昔のように涙みせて
悔やみきれぬほどに
古里はもう 古里はもう
悲しみのない光
言葉を越えて 心を越えて
あなたに会いたい
─────────
─────────
| 詩人:如月蒼雪 | [投票][編集] |
12年ぶりだな ここに来た
理由なんてない ふと思い出した
おまえは今迷っているだろう
3つの選択肢があることだろう
ここにいるわたしは
何もしないことを選んだわたしだ
ただ時間が過ぎるのを待ったわたしだ
今穏やかに暮らしている
今のところ想像できた人生だ
いわゆる普通の仕事をして
子供もいる
幸せかと問われたら
幸せだ
間違いなく幸せだ
だから
何も怖れなくていいんだ
と伝えに来たのではない
いいんだ
そのまま死を選んでもいいんだ
死ぬのが怖くはないもんな
わかってる
強がりじゃないこと知ってる
問題ない
それはそれで幸せだ
あっちの道を選ぶのもいいだろう
その一歩が出ないか
孤独は死より怖いからな 知ってる
問題ない
ああそうだ
わたしは無責任だ
見れないからな
選ばなかった道を
わたしは見ることができない
でもおまえは
見る可能性を持ってる
わたしの暮らしも悪くないぞ
おまえから見たら
つまらない人生だろうけどな
| 詩人:高級スプーンあと何年 | [投票][編集] |
別に起きなくたってねえ
いいんだよ
って
陽が見えないのを良いことに
午前6時過ぎ囁く声
しなければいけないと
追い詰められているけど
後ろを見てごらん
崖っぷち
飛び降りたっていいんだよ
耳元で感じる
息遣いのぬくもり
心地良いな
やめろよもう
幸せが必然じゃないんだと
諦めてしまった
ラストに向かう道程が
この先も辛く苦しいものだって
感動も救いも待ってないんでしょう?
最後の最期まで生きるための望み
とっくの昔に捨ててしまったし
努力と違って失敗は
努力せずとも積み重なる
部屋の隅
いつの間にか
溜まっているほこりのように
掃除する気力も理由も無いもんで
そのまま放置していたら
病気になったよ
別に起きなくたってねえ
それでも必死で
必ず死ぬのに身体を起こして
這ってでも前に進もうとする
すげえよなあ
楽じゃないさ
楽しくすらないさ
仕事も趣味も恋人も家族も
信じるものもすがるものも無い
これ以上生きる意味も
でも
それでも
全うするために生きて何が悪い
もうわかんねえよ
目が覚めたら起き上がる
そんな当たり前のことが出来なくて
すげえなって思ううちは
眠れなくても
起き上がれなくても
前を向くしか
ねえんだよ
| 詩人:浜崎 智幸 | [投票][編集] |
・
いつまでも明けない夜
夢でゆく長い道
幼い頃の憧れが
私の翼に変わる
姫のもとへ走る道
流れ星を追い抜いて
私は燕になって
何よりも速く飛ぶ
夜の渦に迷いながら
最後に必ず着くと
姫路の長い道程が
果てることを信じてる
・
・
息が苦しくなるほど
憧れたあの人が
細い指で招くのなら
奇跡は何度も起きる
姫のもとへ走る道
宇宙島を貫いて
私は燕になって
誰よりも強くなる
もう一度耳を澄まして
あなたの吐息をさがす
姫路の長い道程が
果てることを信じてる
──────────
──────────
| 詩人:EASY | [投票][編集] |
正義は悪と友達で
喜びは悲しみと親密で
苦しみは幸せの約束だ
そして
僕たちは愛の表現で
そうしたいという運命に
それなりに忠実で
発揮されてる自由には
それがそうである為に
素晴らしく鈍感で
それに気づいている者は
不幸をまるで成功に
経験の中に見いだして
空と夜空が綺麗なことを
伝えることなく知っている
コントラストの達人だ
| 詩人:高級スプーンあと何年 | [投票][編集] |
一生笑われる夢を見た
干からびた頬を伝う涙
現実はもっと酷いと笑った
嫌な奴を映した鏡のように同調し
わたしはわたしを指差し見下し
他人事みたく口角を上げる
とても見ていられない
わたしがわたしだったら
乖離するのは
回避するため
Nobody
わたしがわたしじゃないために
怒らなかった
起こらなかった奇跡
少なくとも
誰かは救われなかったみたい
横になるのはわたし
じゃあ
明日起き上がるのは?
一生笑われる夢を見た
悪夢じゃないから涙が出るよ
笑えるね
| 詩人:EASY | [投票][編集] |
不自由がやって来たら
不自由の自由にさせるんだ
それが本当の
自由なのだから
自由は所有されるような
小さなものじゃない
それは
僕たちが持つ最高の
宇宙からのギフトだ
| 詩人:遥 カズナ | [投票][編集] |
炎のように燃える色した気球が
水平線に舞い降りる
さっきまで
眩しすぎて
やっと、まるいことしか
わからなかった太陽が
もう容赦するかのように
水平線に遮る雲もないまま
だんだんとおとなしく
吸い込まれていく
岬には
夕日を見に向かったのだけど
見上げた白い灯台を囲うような
手摺りの間仕切りの向こう側へ乗り越えていくと
釣り場がある
荒磯の先端にたたずむ一人の釣り人が見えたが
途中足場の悪い岩肌から断崖の下を激しく打つ白波に
足がすくんでしまっていた
十数年程前なら
勇んで車へ竿を取りに帰り向かったであろう、この足が
太陽は沈み
皆帰って行く
夜釣りに備えた竿先のケミホタル※が
灯台を囲う手摺りの内側から
磯の先の空に灯って見えた
※(ケミホタル
魚のアタリを見極めるため、竿の先端部に取り付けたりする小さな化学発光体)