詩人:高級スプーンあと何年 | [投票][編集] |
思えば全部「ごっこ」だった
まともに生きている人間たちに混じって
仕事も恋愛も生活も行ってきた
上手くいかないなって思っていたずっと
真っ当な人間の生き方を真似た
ごっこ遊びだったのか
詩人:理恵 | [投票][編集] |
この道をゆきて着いたらば、
何待ち構へたるものか、
われは知らぬ、だがゆかん。
この道をゆきて秋風ふけば、
立ち止まりて思ひ馳する、
われは知らぬ、きみのこと。
この道をゆきて触れたらば、
知らぬ世界に実感もなし、
しかし確かに、きみはゐて。
この道を戻りて手元(たもと)を見れば、
尽力の賜物が頁を連ね、
亦たどりぬる、その人生(みち)を。
この道を戻りてきみに耽れば、
今さらそれを噛みしめて、
われ筆を執り、認(したた)めぬ。
この道を戻りて灯りの下で、
未熟な理解と知りつつも、
刻ませて賜ふ、この詩(うた)を。
H30.10.19
詩人:EASY | [投票][編集] |
鰹節を食う猫が
鼻息が荒すぎて
鰹節を飛ばすのが
僕はとても好きなんだ
鰹で、できたシーチキン
少しだけマグロより
脂が乗っていないのが
僕はあまり好きじゃない
詩人:EASY | [投票][編集] |
もう
言い訳できないよ
生まれて来ちゃった者だから
それは、もう
ものすごく
致し方ない事なんだ
こんな風に僕たちは
目的みたいな言われのものを
欲望みたいな云われのものを
切なさみたいな儚いものを
隠しきれないみたいなものを
隠そうとしてる無邪気者だ
僕らが生きた風景は
ほんの少しの価値があり
ほんの少しの意味があり
ほんの少しの苦しみと
少し多めの切なさと
かなり多めの儚さと
満たされ過ぎた愛がある
詩人:さみだれ | [投票][編集] |
見慣れた歩道橋が
色を変えていた朝
いつもすれ違う人が
最近見ないなって気付いた夜
紫陽花がたくさん咲いていた5月も
町が白く覆われた12月も
終わりの兆しさえ
見せようとはしない世界を
煙草に火をつけて
彼女はうつむいていた
同じ煙草に火をつけて
私は空に吐いた
ちゃんと終わってくれる
あと少しで消えちゃうから
彼女に言いたい言葉は
空へ泳いでいく
それだって消えるなら
そんなことを思いながら
今日も歩いている
詩人:高級スプーンあと何年 | [投票][編集] |
新しい景色
動いているのに素通りしていた
視界には入っていたのに
噂には聞いていたのに
右から左に流れても振り返らずに
あてもなくぶらぶらしているうち
初恋相手は結婚して子どもが二人
実家のタロウはココに代わり
思い出のバンドは解散して復活を果たしていた
アルバム十一枚目を出すまでの期間
同じだけ生きていたのに同じじゃない
記憶はたしかにあるのにな
中身がどうにも見当たらない
新しくなる景色に
目移りしてばかりで
肝心なものは何ひとつ見えていない
違う
そんなことが言いたいんじゃなくって
そうこうしているうち
初恋相手は離婚して
子ども二人は大人になって
横切っていくのを横目に
大人になれずに死んでいくのか
一度座ると中々立ち上がれない
差し伸べられた手
希望の光
スポットライトを前にしても重い腰
仕事をしない言い訳を考えて
一日を終える
最新曲で再ブレイクを果たす中
ソラはいまだに懐かない
詩人:山崎登重雄 2 | [投票][編集] |
言葉化したい想いの丈を
どんなに愛しているのかを
言葉に編んで置いてゆく
寿波を詠んで老いてゆく
言葉よ寿波 言の葉の
風にそよいで 流れ詠む
I can't touch this 今を重ねて