詩人:gof | [投票][編集] |
からまるな生命
君のため息に
ラメ色のノスタルジー
混じる様
綺麗な指先で
ぼくの頬を軽く撫で撫で
猫のピアノみたいさ
真っ暗な海で
目を閉じれば
瞼の裏には波音で
涙で
それはかなしいの?
うれしいの?
真夏の花は
感情を模すグラデーション
模様さ
気づけば
とりとめない感情の
やわらかいところ
懐にはラムネみたいな
去ってく季節に
向かうべき今夜に
ほんのすこしだけ
きみのかおりを
たおやかな勇気を
詩人:あいる | [投票][編集] |
ちょうどボクらの体温の
半分くらいだ
日々の憂鬱なんて全部
8月のせいにしなよ
窓際に置いた麦茶
18℃を下回れば
季節に麻痺する
掻き立てるのは
秋のせいじゃないよ
君のせいだよ
衝突を繰り返しながら
少しだけ本気の小宇宙
あと一息で燃えきらなかった蚊取り線香
どかしたコップ
結露が円を残して
いつだって待ち望んでる恋は
乾く前に駆け抜けて盲目
詩人:しゅんすけ | [投票][編集] |
千年の孤独を
千年目にどう思うか
夏の終わりが近づくと
重ねた過ちが泌尿器科にを賑わせる
千年と一日
蟲毒と成り果てた
食い散らかした惨めな正義
吐き捨てた手あかまみれの常識
くそつまらない
くそつまらない
くそつまらない
目が覚めると
私は蛄になっていた
原因不明の高熱に
三日三晩うなされて
妻には大変に迷惑をかけたものだ
目が覚めると
私は蛙になっていた
何でもいい
愛だの恋だの
真実だの正義だの
他人が決めた正しさに居座る心地よさ
くそつまらない
くそつまらない
詩人:ゆなぎ | [投票][編集] |
好きだよと笑った私に
あなたは寂しそうに笑った
知っていた 知っていたんだね
すれ違った好きが こんなにも寂しい事
例えば色が違った
甘く優しく包むような淡いオレンジと
触れれば燃えて灰になりそうな程の紅と
例えば温度が違った
暖かい春の陽だまりと
焼け付く夏の日差しと
例えば重さが違った
2人ならどこへでも飛んでいけそうな翼のような軽やかさと
深い青に沈むような鉛と
そばに居られるだけで充分で
それ以外は何も望まない私と
2人だけの特別をずっと欲しがっていたあなたと
すれ違った好きが、いつしかあなたを蝕んで
私を傷付ける前にと 手離してくれたこと
気付かずに恨んだ 欲しいと手を伸ばしてくれなかったこと
あなたの色を、温度を、重さを
その全ての違いを知ったら
私は怖がって傷つけて、逃げたはずなのに
きっとこの先出会うことはないくらいの
重い愛を、私に寄せてくれてありがとう
同じ重さではないけれど
たしかに私も愛して居たから
どうかあなたが幸せで居てくれますように。
詩人:EASY | [投票][編集] |
鳥は鳥かごから逃げた
窮屈過ぎる世の中で
何処か遠くの宇宙では
宇宙自体が窮屈だ
割りと近いその星の
鳥は逆に鳥かごで
窮屈だとは思わずに
鳥かごの中を空みたく
美しくも飛んでいる
詩人:梅宮 蛍 | [投票][編集] |
ひとひらの夢が翁樹から溢(こぼ)れ その手に着地する
風の香は甘く桃源の色をしていた
貴女の着物は赤く 唇に挿す紅もまた赤く
淡い光に包まれた画の中で 唯二つ 鮮明に映える
朝霞の雫 そのひとつひとつが
雑音(ぞうおん)を吸い込み 雑事から切り離す
そこには静謐が溢(あふ)れていた
初恋の人の横顔は清らかで
いついつまでも清らかで
僕はただじっと 魅入るのだ
最期の瞬間(とき)を迎える今に
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ひとひらの夢が翁樹から溢れ その手に着地する
風の香は甘く桃源の色をしていた
貴女の着物は赤く 唇に挿す紅もまた赤く
淡い光に包まれた画の中で 唯二つ 鮮明に映える
朝霞の雫 そのひとつひとつが
雑音を吸い込み 雑事から切り離す
そこには静謐が溢れていた
初恋の人の横顔は清らかで
いついつまでも清らかで
僕はただじっと 魅入るのだ
最期の瞬間を迎える今に
詩人:カクレクマノミ | [投票][編集] |
ひとりはひとり
それぞれが混ざったりくっついたりすることはなく
それぞれが似てくることはあるけれど
同じにはならない
もしも同じになってしまったなら
もしも混ざってしまったのなら
良いことも悪いことも
うれしいもかなしいも
なくなっちゃう
個が集まったら集団だけれど
どうせ混ざることはないのだから
不安できょろきょろ
真似ばかりししないで
自分の足で
自分の目で
自分の言葉で話をしよう
詩人:EASY | [投票][編集] |
奇跡は偶然を装って
かくれんぼをしている
偶然は奇跡を装って
それに対抗している
君は不幸な振りをして
それを思い込み
世界はそんな風にして
それを呑み込む
お腹が空くのは
愛が足りないから
食べてる姿が愛しいのは
お腹が空くから
僕たちは本能に従いなが
ごく普通に
歩いていくべきなんだ