| 詩人:清彦 | [投票][編集] |
どれだけ平然を装っていても僕ら
お天気は操れないさ
空は怪しい雲行き
結局、
偶然に出会って
恋に陥ってかき回す無様
水たまりに映る僕の姿は
乱れる景色、恋模様?
そうだ、それは虚妄に偶像なのだと
噛み締めよう
今度も
これからも何度でも
雨が降るたびに
恋よりも愛で
優しい諦観の眼差しで
すべてを眺めていこう
そこに咲く紫陽花のように
感謝も恨みもないね
ただ、憂い、慈しみ、彩りを演じる
それでも
その美しさに心を奪われて
ほんの少しだけ立ち止まった
雨の中
遮断する傘の中
| 詩人:EASY | [投票][編集] |
始まりのない処で
僕たちは
終わろうとしていて
終わりのない処で
僕たちは
始まろうとしている
始まったと思うことは
終わりにさえ満たないし
終わったと思うことは
始まりにさえ満たないのに
始まりから終わりへと
僕たちは騙されて
騙されることの代償に
君に恋してみたりする
| 詩人:EASY | [投票][編集] |
君のことが好きな理由を
説明するのは難しい
それはまるで
風が心地良いことを
哺乳類じゃない先人に
説明するかの様なもの
思い通りに行かないことを
説明するのは難しい
それはほとんど
スラム街に降る雨を
その街に住む少年に
説明するかの様なもの
| 詩人:高級スプーンあと何年 | [投票][編集] |
締めていたのは
首じゃなかった
探していたのは自分じゃなくて
内側から鍵を掛けられて入れない
自分の部屋だよ
だから
行きたくもない旅に出なくちゃ
探しものはこの手の中に
だからいくら探したって
他に何も出て来やしないのに
みんな前を向いて
みんなに倣って前へ
いつまでも続くわけがないと
ガタがくるのをひたすら待って
昨日の失敗を繰り返しては
子どものような嘘を吐いて
怒られる不毛
そりゃあ上司も禿げるわな
諦めていたのは
君じゃなかった
| 詩人:EASY | [投票][編集] |
よく俺の電話番号が分かったな?
色々調べたからな
まるで人工知能だな?
俺たちも、そういう時代だからな
金が欲しいのか?
まぁ、そういうことだ
それで、何が出来るんだ?
何でも出来る
女だって買えるし
美味い飯も食える
借金だって返せるしな
まるで人工知能だな?
ああ、そうさ
俺たちも、そういう時代だからな
| 詩人:鰐句 蘭丸 | [投票][編集] |
俺の知るこの世界の狭いこと小さいこと
俺の知る人々のなんと生々しくも痛々しいこと
耐えられないニュースにも慣れてきた
あちこちにころがる孤独に躓いては転び擦りむいて
誰も見向きもしない
とばっちりを避けんと見て見ぬふり
俺の知るこの世界の美しくも醜いこと
否定と肯定のマイノリティ
孤独が幸せだと雑踏のなか殺されていく
意識のあるまま死んでいく
幼子の行方なき泣き声
もう
生きていても楽しくない
そう思わせる世界に
誰がそうしたのだろう
俺の知る世界って
こんなだったかなぁ
| 詩人:EASY | [投票][編集] |
その小さなタッチパネルから
手を放すんだ
イヤホンも外そう
煙草は全て吸い付くし
雨に濡れない理由を問いただそう
スケジュールは白紙にして
流れるボサノバに体を揺らし
一瞬だけ目を合わそう
こんな平日の昼前に
誰も言葉を交わさずに
コーヒーを飲みあった仲じゃないか
ボサノバはビートルズに変わり
僕は、コーヒーに溶けた
| 詩人:高級スプーンあと何年 | [投票][編集] |
好きな人の好きなものが
自分も好きである確率を
求めて導き出す頃には
別れを告げられて
好きな人の好きな曲だけが
変わらず部屋に流れている
違う
そうじゃないんだって
雑感
ひどく断定的な
けれど限定しない
パッケージングされた
可愛さを
おもいおもいに引き裂いて
柘榴の断面みたいな集合体
そこまで
見えていなかった
立体的に客観視せず
正面だけを見て
それがあなただと判断してしまっていた
見るからに甘そうだったから
過ぎ去った今も苦い思い出だ