詩人:EASY | [投票][編集] |
信号無視
青で渡らないのが
僕の基本的な
信号無視だ
急ぐ必要もないし
そうである必要もない
そもそも必要としてるものを
必要とは、していない
君は少しだけ
目を吊り上げて
愚痴を言う
僕は少しだけ
目を吊り下げて
それを聞く
そうやって、少しだけ
分かり合えたと思うのだから
詩人:たかし ふゆ | [投票][編集] |
掠れた冬の匂いがまとわりつく
その理由を探しているうちに
知らない場所へと来てしまった
誰のためでもない
何のためでもない
したたかで
たおやかな偶然
その理由を思い出せない
瞳は閉じているのに
世界が見える
文字と言葉の羅列が海になる
それに飲まれる
レッスン
溺れかけたように呼吸がずれるのは
世界が一ミリ
俺を受け入れたからだ
詩人:鰐句 蘭丸 | [投票][編集] |
失った今はなんだろう
キレイな夕日を見たあとに訪れる暗闇
君の笑顔(かお)と笑い声(こえ)は
年月が経っても記憶から消えない
幸せと思ってたのは俺だけだった?
俺は君を愛しながら傷つけていたんだね
今日みたいな晴れているのに
雪が風に舞いあげられる日に
君と別れた日を思い出すよ
車から降りた君は仕事に出かける俺を見送る時と同じようにバイバイの手を振る
ドアガラスの向こうの君の唇は何か呟いていた
聞こえはしなかったけど分かってる
「愛してるからね」
なんで
なんで
なんで
お互いに愛してるのに
別れたんだろう
愛してるのに傷つけて憎んだ
君が置いていったあの時三歳だった息子は今年
成人式を迎えたよ
君は今
どこで
どうしてる
幸せでいてくれますように
詩人:EASY | [投票][編集] |
ハイライト吸ってるんですか?
うん、そうだよ
結構、多いんですか?
20本
いや、そうじゃなくて
周りで、吸ってる人
あー、そっちか
結構いる
数字で言うと?
25歳
あー、はい
詩人:EASY | [投票][編集] |
見えない膜に覆われた
僕たちの秘密
人差し指で唇を
十字に切る
可視光的にはピンク色の
少女が好む色で
目線的にはやや下で
表情的にはやや上だ
薬よりは毒寄りで
恋よりは愛寄りで
抱きしめる為の腕力を
数値化している資本主義
それに比べたら
ずっと僕寄りだ
詩人:EASY | [投票][編集] |
光らない蛍を見て
君は泣いた
肉体を持つ悲しみは
姿の見えない
鳥の鳴き声に似ている
今日のこと以外は
まるで昨日のようで
断片的な経験は
解読出来ない記号のようだ
仄かな香りを頼りに
僕らはそこを探してる
それは
何処にもなく
僕たちの隙間を
ぴったりと埋めているのに
詩人:鰐句 蘭丸 | [投票][編集] |
平気で距離を見誤り道路横切る眼鏡の女
もちろん謝りはしない
追いかけて文句を言いたいが車の往来
NO WAY
何がそうさせた
雨がみぞれに変わりかけた気象のせいか
俺が風邪をひいて着膨れした不審なマスクマンなせいか
おい やっぱ眼鏡女 オマエの見誤りのせいに違いない
サイドウィンドウと眼鏡は曇ってなかった
なんだなぜだ
ああ 腹立つな
理由を見つけよう
むかっ腹をなだめる為に
とりあえず錯覚
その死角に居合わせてしまった
そうしよう
妄想で間に合わず横っ腹に突っ込んで殺したことにしよう
気を付けつけろよ
よかったな
俺が着膨れした妄想マスクマンで
詩人:EASY | [投票][編集] |
くっきりとした幻影に
浮かぶ静かな飛行機は
必要のない黄昏を
夕日と仲良く醸し出す
信号待ちをしてる時
隣で眺めた少年は
必要としてる感情を
夕日と仲良く醸し出す
詩人:EASY | [投票][編集] |
全部、思い通りになったら
きっと、切ないから
君が持つ不満は
ぬいぐるみ、みたいなものだ
飴玉に手を伸ばす
子供みたいな無邪気さで君は
はっきりと、言ってしまう
うまく、いかない
うまく、いったらどうするのかなんて
恥ずかしくて、言えないし
うまく、いったら空っぽになるなんて
怖くて、考えたくもないくせに
ため息と深呼吸を区別するのは
僕たちの癖だね
そう
思い通りに
ならなくて良かったんだ
僕が君の話しを
いつまでも聞いてられるのも
君がずっと話し続けられるのも
何ひとつ思い通りに
いかないことが
くれた飴玉みたいなものさ