| 詩人:ひトも | [投票][編集] |
その不可逆さはずるいと思う。
底に沈めた錆びた錨も、
底に沈んだ宝の箱も、
手が届かないと諦めたのに、
そのにおいがした途端、
泡みたいに浮かび上がって、
否が応でも思い出す。
水面で儚くそれは割れ、
再び沈んでゆく様を、
なすすべも無く眺めて終わる。
その一方的な不可逆性は,
どこかそうだ。夢にも似てる。
その不可逆さはずるいと思う。
底に沈めた錆びた錨も、
底に沈んだ宝の箱も、
息が続かず届かぬ日々も、
そのにおいがした途端、
足掻く私をからかうように、
否が応でも思い出す。
水面でゆっくりそれは割れ、
どこかに霞んでゆく様に、
手を伸ばしては届かず終わる。
その一方的な不可逆性は,
どこか、そうだ。あなたに似てる。
| 詩人:理恵 | [投票][編集] |
暗い吹雪の向こうから
列車の明かりが近づいてくる
どこの雪国の景色だろうと苦笑して
開いた車両に乗り込んだ
窓は曇ったまま 街の灯りを曖昧にして
それでも降り続く雪は目に映る
髪から白い雫が落ち
ひやりと手の上を濡らしてく
さっきの苦笑が嘘のようだ
急に親しみを覚えてしまった
その冷たさに
その容赦のなさに
この窓の向こうは
私の心だ
十個の駅を通りすぎ
降り立ったホームには
サクリと足跡が記されていく
ああ、私の心だ
コートに手を突っ込んで
白い息を吐くような
冷たい冷たい心の中
君とは仲良くなれないが
恐らく君は私だ
悲しくなるこの気持ちすら
分かち合えるような冷たさに
ひとりぼっちの寂しさすら
体現した静けさに
ここは現か幻か
色のない世界は惑わせる
このままこの景色に浸かっていれば
すべて忘れてしまいそうだ
ただ、どうか
時間が止まればいいのに
そう願う自分がいる
H30.2.23.Fri
| 詩人:理恵 | [投票][編集] |
破れた風船を繋ぎ合わせて
息を吹き込むような
そんな感じ
風船なら取り替えればいい
生き物ならどうすればいい?
引き裂く勇気はないから
ただただ息を吹き込み続けてる
H30.2.21
| 詩人:浜崎 智幸 | [投票][編集] |
・
あなたをあいしただれよりも
わたしのおもいはつよかった
わすれないでねぇ
わすれないからぁ
たねになって
かぜにのって
とんでいきたい
はるをよぶからぁぁ
はるになるからぁぁぁ
うたになって
かぜにのって
あなたにとどけっ
──────────
| 詩人:EASY | [投票][編集] |
感覚の取りかえっこ
僕たちは良い意味で
子供のまま
共感する為なら
大抵のことは惜しまない
僕の見える赤色を
君の見える赤色に
被せてみせる
求めなければ手に入るような
そんな崇高なもの
僕たちはいらない
求めても手に入らないものを
僕たちは求める
求めているのに
最後まで残る
ミックスナッツのアーモンドみたいだ
| 詩人:高級スプーンあと何年 | [投票][編集] |
ぼくらは毎日死んでいる
睡眠イコール自死との仮説
先生の意見が正しいならば
前述のとおり
眠らないのは
明日よりも死を拒んでいるのか
起きたくないのは
どこにも行きたくないんじゃなくて
逝きたくないんじゃないか
だったら先生
あの子だって
必ずしも死にたいというわけじゃないのかも
かもしれない論は
何でも比喩にしちゃう論と同じく
本心を嘘偽りなく
混じり気なく
話しているわけじゃない
のに
そうかもしれないと思わせる技術
流石です先生
眠れないと言っても
眠るんでしょうあなた
でないと死ぬ
翌朝
蘇ると
昨日さっさと
死ななかったことを後悔し
きっと
今もどこかで生きている
先生
先生
永い眠りにつかないで
良い顔しないで
はやく起きてよ
ねえ先生
誰だって
眠りにつくのなら
純度百パーセントで
生きたい人もいない
私もそろそろ
| 詩人:EASY | [投票][編集] |
宇宙全体に、四方八方に
在りとあらゆる点在に
張り巡らされているものが
最終的には
たったひとつのフィルターに
濾過される
記憶、想像、過去、未來
自分、他者、客観、主観
たったひとつのフィルターに
濾過される
君が空を見上げる為に
必要なものは
空じゃなくて君だ
そして
君が愛される為に
必要なものは
何もない
| 詩人:EASY | [投票][編集] |
必要以上に流線形
便利さを勝ち誇り
なんでもかんでも軽量化
薄型チップにプログラム
特化セールの想い出だ
世界が終わる訳じゃない
そう言える人が前向きで
終わった世界も悪くない
そう言える人は上向きだ
それが笑顔なら
そういう経験で
それが涙なら
そういう経験で
それが何であれ
そういう価値がある
必要以上に僕たちは
必要以上な僕たちだ