詩人:さみだれ | [投票][編集] |
息もできない時間の海
白い光の泡
海底都市は寝静まったまま
君とひとりぼっちでたゆたう
握る手もない時間の海
一際輝く大きな泡
うねりをあげる潮の中
穏やかに待ち続けている
本当はとてもさみしくて
溺れてしまいたいのに
本当にずっとそばにいたくて
手を伸ばしてみたんだよ
呼吸を覚えた途端
輝く光の泡を追って
足掻いて見つけた夜は
君とひとりぼっちで泣いた
詩人:里雨夜 | [投票][編集] |
人間に備えられた優しい本能
憶えるために忘れるのか
忘れるために憶えるのか
その真意は未だに謎のまま
誰にも解らないなら
僕は僕の好きなように信じよう
きっと『幸せになるために』
忘れることを許されているのだと
詩人:46 | [投票][編集] |
あのときもっと笑えてたら笑い返してくれたか
なんてさ
もう思い飽きてる
美しく生きていきたいって目に見えないものを美しいと呟けるのは自分の心の奥だけなの
あぁ泣けも笑えもどちらも正しい
ここで息をしてること
苦しいながらに楽しいから
だったらねぇ、永遠に答えを探し求めるなら
できるだけ私のままでいたい
生まれ変わりたいわけじゃない
本当は消えたいわけでもないんでしょ
この肉体が透明に透けて見えてくるから
誰かに名前を呼んでくれれば
あなたも顔を上げれるのにね
私が呼んであげる
私があなたの顔をまじまじと見つめるよ
怖がらないで
私ももう怖がらないから
詩人:EASY | [投票][編集] |
100万年生きたとしても
終わってしまえば
それは一瞬だ
まさか
100万年の記憶を振り返るのに
100万年かかるだなんて
誰が思うだろうか?
寝ている間の夢さえも
おぼろ気な僕たちが
人工知能は今や
人間を凌駕する
あとは感情さえ身につければ
ターミネーターの実現さえ
あり得るのだ
それならば
感情をも含めたそれを
プログラムとするならば
僕たち人間さえも
人工知能と捉える事が可能ではないのだろうか?
しかし、そんな事は
幾分、前から唱えられていたことだ
僕たち自身が
機械的であることを
それは
脳の高度な情報処理であることを
僕たちは暗示されているのだ
いわゆるマトリックス的な
イリュージョンの事である
しかし
こうも言える
そんなこと知ったことか
僕はこんなにドキドキして
君に恋をした
この高鳴りをどうする事が出来る?
僕は君に恋をした
それが答えだ
それは最も正当な答えであり
同時に最も機械的な答えでもある
で、あるならば
「答え」とは、一体何なのだろうか?
僕たちは
何度でも問えるのと同時に
何度でも答えを提示できるのだ
たとえば
今日は雨が降るのだろうか?
天気予報では雨は大方降ると言っている
そして
それは外れてはいけない
あるいは
外れても仕方ない
外れることもある
はたまた
外れた方がいい
外れるべきだ
外れるに越したことはない
どうでもいい
色々と
思えるのだ
お天気お姉さんに
恋をすることも
充分にあるだろうし
その恋心に比べたら
天気なんかどうでもいいとも思えるだろう
だが実際に雨が降ったられば
僕たちは機械的に不快になり
本当には
どうでもいい濡れ具合を避け
本当にはどうでもいい出費を気にしながら
コンビニでビニール傘を買い
その雨を避けながら
また恋をするのだ
詩人:猫のあし | [投票][編集] |
気付いたら
僕の足は止まったまま
僕の中の時間は
止まったまま
どうしてだろう
何で今まで気付かずにいたの
何でここにいるの
心は置いてきぼりのまま
空白時間が過ぎてく
詩人:猫のあし | [投票][編集] |
色んな事
受け止められるくらい
強くて優しい人間になりたいよ
もう
誰かを許せるくらい
今も 明日を描けない
もうずっとそう
10年以上
明日に何も描けない
自分を許せない
人を許せない
人に優しく出来ない
どうしても
あの日から
色が無いの
詩人: - 皐月 - | [投票][編集] |
私を殺したのは誰?
それは誰でもない私自身。
この先、私はきっと
破滅の道を辿るのだろう
それもいいだろう
自分自身に興味がない
正直、どうでもいい
もはや飽きた
私が私を消し去る日
きっと安堵のなか微笑むのだろう
ようやく終われると
自分が自分で無くなる日
雨に濡れた月が
この世のものと思えないほど
儚く美しく見えるのだろう
そのとき私はやっと
初めて咽び哭く
詩人:EASY | [投票][編集] |
雨が降るように
欲望があり
風が吹くように
感情があり
太陽が照らすように
意志があり
始まりがあるように
終わりがある
僕たちは
全てを捨てて
全てに身を委ねるべきだよね?
疲れはてた人々が
今日もまた
疑問符を投げている
月はずっと表側を
地球に向けて回ってるんだ
裏側は穴だらけで
美しくないから
見せたくないのかも知れない
でも
物理学的には
無理は強いられない事になっているから
それはそれで
自然なこと何だろう
じゃあ
穴だらけは美しくないと
僕が思うことは不自然なのだろうか?
僕たちは苦しくなるほどに
こんな疑問符を投げつける
雨が降るように
欲望があり
風が吹くように
感情があり
太陽が照らすように
意志があり
終わりがあるように
始まりがある
僕たちは何も
捨てられず
何にも委ねられずとも
それにさえ
全てを委ねてしまうんだ
愛することも憎しみも
喜ぶことも悲しみも
生きることも死ぬことも
知らないことも知ることも
風に流れて千切れてく
雲みたいなものだから
さぁ、また同じ失敗を繰り返そう
成功でもいい
我慢してもいいし
食べてもいい
何だって構わない
運が良くても悪くても
欲があろうがなかろうが
それさえも
委ねることができるのさ
詩人:もとり | [投票][編集] |
まっすぐ生きて
前に進んでいけば
幸せになれると思っていた
人と真剣に向き合い
思い遣りを大切にすれば
愛されると思っていた
私の望んだ漠然とした願いは
手に触れられそうで
こんなにも届かなくて
目の前で何度も消えていく
そんな小さな希望ですら
高望みだというのだろうか
詩人:もとり | [投票][編集] |
貴方はイイコを強要する
お前なら分かってくれると思ったよ
お前はそういう事を言わない
イイコだもんな
甘い言葉と裏腹に
そうでなければいけないという
刷り込みを植え付けて
本当は我儘を言いたい
本当はずっと傍に居たい
作り笑顔の私に満足しないで
泣きじゃくる私を救ってよ
貴方はイイコを強要する
私は感情を捻じ曲げ
イイコの枠に収まろうとする
不毛な恋は
歪な形に練りあげられて
徐々に徐々にはみ出してゆく
でもそれはきっと
私の押し殺された本音だったのだろうね