詩人:46 | [投票][編集] |
昨日の当たり前が消え去った
昨日の私はいなくなってた
望んでいたわけではないけど
ずっと満たされていたわけでもないから
空っぽに感じる今を心底嫌うわけでもない
一からのスタートなんて言ってしまえば
私の口からは贅沢すぎる思考
朝も昼も夜も淡々と流れていく時間に
あなたという存在が染み渡っていく
一旦置いていたかった愛の言葉も
今は足りないくらい体に巻き付けていたいくらい
やっと呪いからとけたのか
それとも今まさに悪夢に犯されているのか
失ったものに悲しんでいる今が罪深い
気づいて有り難みを感じる私は罪深い
何もやる気が起きないこんな日は
何もしないで流れる血を想像する
これでも息をしている私の意味は
意味なんて何もないと分かりきった大人は
とても生きづらい
詩人:猫のあし | [投票][編集] |
僕の進む先に
何かつかめると信じて
必ず何処かに辿り着くと信じて
歩き続ける
歩いていく
例えその先が
今より苦しくても
求めていたような結果じゃなくても
もう立ち止まらないよ
きっと
この短い時間の中で
僕に出来ることは
自分の決めた道を
信じ続けることだ
詩人:浜崎 智幸 | [投票][編集] |
・
まだ明けぬ暁に
窓を叩く風
海へ続く小道に
鶴の羽が散る
忘れないでほしいと
思うような人
鶴が輪を描くように
別れ告げた人
飛ぶならば速く飛べ
見るならば狭く見よ
小さすぎる翼は
かなぐり捨ててしまえ
■
■
いたのよそこに鶴が
……信じないでしょう
谷へ吹く風に乗り
ゆるく去っていった
くぐれる虹はあるの?
弱気な鳥には
幸ある人はいるの?
愛さない人に
あとから悔やむよりも
今この時始める
雲よりも高く飛び
あの鶴を驚かす
どこまでも飛んでいく
─────────────
虹をくぐる、でもう一篇。
縦読みは、第2連の2文字目で、たにぐちともこ。
弱起で作曲されているので、楽譜の文頭は2文字目になる。
―――――――――――――
詩人:浜崎 智幸 | [投票][編集] |
・
心はいつも
嘘を重ね着して強くなる
逃れられないならば
何度でも歌う
虹をくぐる鳥よ――
黄泉を恐れぬ蝉よ――
その閉じた目で
私のために泣いて
◆
記憶を秘めた螺旋を ※1
刃物よりも恐れてる
冬に蒔かれた種の
契りを疑う
海をわたる蝶よ――
枝を棄てた鳩よ―― ※2
その醒めた目で
私の体を見て
――あんまり美しくないね――
――――――――――――
※1……遺伝子。
※2……ノアは洪水のあと鳩を放つ。水が引いていないうちは、オリーブの枝をくわえて帰ってきた。
――――――――――――
詩人:46 | [投票][編集] |
元々強いわけじゃないけれど
少し強くなれた気でいた瞬間があったんだ
その時はどんな涙も拭えるような力さえみなぎってさ
僕はそのままヒーロー気取っていたかった
じわじわ毒がしみてったみたいに
今はまた随分と弱々しくなったもんだな
僕はまたヒーローきどっていたい
僕は僕のまま死にきれないよ
詩人:如月 ちゃこ | [投票][編集] |
当たり前みたいに
そばにいて
当たり前みたいに
ケンカして
当たり前みたいに
笑いあって
当たり前みたいに
お互いの想いも
同じだと思ってた
あの日
あたしの知らない
貴方をみつけるまでは―…
初めてみたね
貴方のそんな照れた表情
初めてみたね
無口で不器用な貴方
初めてみた
あたしの知らない
貴方が
溢れすぎて
貴方の知らないあたしが
いま
ここで泣いてる
詩人:如月 ちゃこ | [投票][編集] |
もしも
貴方に逢えたら
どんな挨拶をしよう?
どんなお天気で
どんな格好で
どんな話題で
貴方に
あたしを
知ってもらう?
まだ見ぬ貴方へ
あたしは
いつも
恋に恋い焦がれてる
自分勝手な夢をみて
傷付くことには敏感で
もしも
いつか貴方に
出逢えたら
あたしはどんな
夢を見るのかな?
まだ見ぬ貴方へ
いつか出逢う
その日まで…
詩人:如月 ちゃこ | [投票][編集] |
思い出す度に
ほろ苦さが
懐かしさに変わる
忘れられない
その面影
時間の流れは
どんなふうに
貴女を
そして
僕自身を
変えたのだろう?
心の奥に眠る
今もまだ色褪せない
その面影
もしも偶然
貴女にまた逢えたら…
貴女は僕に
微笑んでくれるだろうか
詩人:如月 ちゃこ | [投票][編集] |
君とよく歩いた
見慣れたはずの
いつもの風景
あの頃と違うのは
君がいない
ただそれだけなのに
何か物足りなくて
落ちかない気分になる
君がいない
一緒にいられたシアワセ
気付かずになくした
かけがえのない存在
君がいない
あの頃と違うのは
ただそれだけなのに
僕の心は
歯車が狂ったまま…
詩人:如月 ちゃこ | [投票][編集] |
貴方が初めてくれた
揃いのリング
今もはずせないまま
あたしの指を
独り占め
ねぇ
貴方のそばでは
誰が微笑んでるの?
はずしたリング
月明かりにかざして
ため息ひとつ
はじけた思い出
あたしの心に
波紋を広げる