詩人:あかつき | [投票][編集] |
気づけば10年ぶり そんなこと見せない素振り ひとり心さぐり 無邪気に記憶たどり どこからともなく思い出に誘われて優雅にひらりひらり舞う蝶 この手を伸ばせばもう一度さわれるのかな あの頃みたいにもう一度手を繋げるのでしょうか…
大人びた眼差し 少し短くなった髪 何気ない笑顔 昔のおもかげを探す 知らない君を目の当たりにする度にハラリハラリ羽をもがれたよう この手を伸ばしてももう二度とさわれないだろう たぶん追っているのは色褪せた思い出の中のだけの蝶……
風の吹かない部屋に漂った残り香はいつまでもあまく 何もない空を探し続けるあおい心を弄ぶ……
詩人:IKUMI | [投票][編集] |
親友の自殺。
流石に応えている。
そんな中、君は連絡をマメにくれる。
「大丈夫?」
「お前のせいじゃないよ。」
ありきたりな言葉だけど
君は毎日そんな連絡をくれる。
夢で親友が出て来ると
君にラインをすると電話がくる。
安心してまた少し寝れる。
皆んな腫れ物に触れるかのように
接するのに君はそんなの関係なく
連絡をくれる。
「今のお前を1人には出来ない」
大丈夫だって言ってるのに…
そんな人の優しさに触れて
生きてるのも悪くないと思えたんだ。
ほんの少しだけどね。
ありがとう。
詩人:ロニ− | [投票][編集] |
ここは私の巣。
誰も害することが出来ない安全で安心な場所。
邪魔するものも傷付けるものもいない。
ここは私の巣。
蜘蛛のように糸を張り巡らせて、
私の隙間を埋める獲物を待つ。
闇が詰まった甘美な空間。
ここは私の巣。
醜い私を閉じ込める、唯一の檻。
詩人:IKUMI | [投票][編集] |
彼女じゃなくて、
友達の立場だから
もう昔の様に君に心配出来ない。
自分が辛い時ほど人に優しくしなさい。
そうある人に言われたのを思い出した。
話を聞いてあげたいけど、
私と君はもうそう言う関係ではない。
だから、聞けずにいる。
辛かったのに、私の話を聞いていてくれたんだなと
思うと…罪悪感が凄いんだ。
気付いてあげられなくてごめんね。
何かあったなら…話してよ。
そんな仲じゃないじゃん。
色々あったけど、君の力になりたいのは
変わらないんだよ。
分かってよ。
詩人:浜崎 智幸 | [投票][編集] |
・
懐かしむような
イナサの風が吹く
筑紫野に春の花を呼ぶ
アヅミの心に刻まれた
あえかなサナギの謡(うた)
歌わせる
――旅人は故郷に立ち止まらない
――風待ちは必ず終わる日がくる
――ワタツミは潮路に舟霊を招び
――神々を小舟の舳先に祀る
海の果ての
邪馬台(クニ)を目指せ
天ツ筑紫野は
弥生の風のなか
──────────
イナサ……南東の風。
アヅミ……安積族。海洋民族。
あえかな……消え入るような、
サナギ……銅板を丸めた楽器。
ワタツミ……海洋民族の総称として、すべての日本人の共通の祖先のイメージとしてこの語を置いた。
詩人:如月 ちゃこ | [投票][編集] |
大丈夫だよ
そっと抱き寄せて
背中を撫でてくれる貴女
大丈夫だよ
そっと髪を撫でて
何も聞かずに包み込む
大丈夫だよ
貴女のそばにいると
僕は
無垢な自分に
還れる気がした
詩人:如月 ちゃこ | [投票][編集] |
貴方に近付きたくて
飲めなかった珈琲も
ブラックで飲めるように
頑張ったんだよ?
貴方に近付きたくて
お化粧やお洒落も
貴方に似合うように
勉強したんだよ?
貴方に近付きたくて
一生懸命頑張ったのに
この想いを伝える前に
手が届かなくなった
貴方に近付きたくて
貴方に触れたくて
貴方に想いを伝えたくて
でもほんとはね
ただ
貴方に笑っててほしいだけー…
詩人:IKUMI | [投票][編集] |
今日幼なじみが亡くなった。
自殺。
もう独りは嫌だと言う遺書を
書き残して…
私が…殺した。
ごめんな…
独りにしてごめん。
本当は…仲直りしたかった。
でも、お前のこと心底信用してたから
許せなかったんだ…
頼むから…逝くなよ。
言ったじゃんかよ…
「先に死んだりしないよ、約束!」
その言葉にどんなに救われたか…
縁切っていてもそれくらいは…
守ってくれよ…
頼むよ、戻って来てくれよ…
沢山話したい事あるんだよ。
何より謝りたいんだよ。
お前と行きたい場所もある。
紹介したい人沢山いるんだよ…
私のせいでいなくなるなよ。
こんなクズに負けるなよ…
病気でも何でもないんだから…
戻って来てよぉ…
自殺なんか一番しちゃいけないだろ…
いつも止めてくれたじゃんか。
私はお前にそれだけ支えて貰ってたんだ。
ごめんな、ごめんなさい…
今更でごめんなさい…
詩人:理恵 | [投票][編集] |
彼は筆を止めた
見上げた塀の上には猫が一匹
つまらなそうに歩いてる
彼はうつつに夢を見て
描き続ける意味を考えた
全てが彼次第の世界で
勇者は勇敢に戦った
手にした秘宝は勇者の願いを叶えて
砕け散った
破片は砂に埋もれたまま
数百年が経って
もう、その存在すら誰も知らない
物語の終わりに
勇者の笑顔すらなくて
誰も見向きもしないまま
日常は流れてく
H28.1.6