詩人:ヨワムシ | [投票][編集] |
雨の吹く道
音の休む時間
世界の真ん中を探してる
哀しみが手を出しても
そちらにはなにもない
喜びが手を出しても
そちらにもなにもない
光の呼び声
音が歌う時間
世界の終わりを探してる
光に手を伸ばしても
そちらにもなにもない
闇に手を伸ばしても
そちらにもなにもない
おやすみ
おはよう
またあした
ここにあるのが
真ん中の終わりなら
ここにないのが
はしっこのはじまり
探してるいつまでも
探してるどこまでも。
詩人:鰐句 蘭丸 | [投票][編集] |
六月も終わりに近づき
梅雨入りしたものの少雨で
だらだらと季節をひきづっている午後
もう閉店した道の駅の駐車場
紫陽花も盛りを過ぎて
大きな葉にでんでんむし
そう言えば昔
この頃に別れたっけ
この世で最も愛したひと
行方も生死もわからない
今は 三度目の結婚をし妻が居る
なんで三度もしたんだろう
懲りない男だ
そう でんでんむし
のらりくらりと この梅雨のよう
家に帰れば あらここにも
居るよ でんでんむし
話しをしても 声をかけても
全っ然 全然
でんっでん
でんでん無視
でんでんむし
詩人:猫のあし | [投票][編集] |
考えることがあるんだ
一つ一つ失っていったもの
どうしたら良かったんだろうって
でも、思うんだ
生きていくほど
要らないものを脱いでいくんだろうって
離れていった人や、手にしなかったもの
心残りもあるけど、
きっと、
必要なものだけが、
今のぼくの手元にあるんだ
失うことも、手にすることも
恐れずに
生きていく
詩人:ヨワムシ | [投票][編集] |
愛されることを
忘れたのは
愛することを
忘れたいから
幸せの鳥は笑ってた
幸せの猫は黒かった
神様が持っていったのは
哀しみだけ
悪魔が持ってきたのは
喜びだけ
足りはしない
何一つ
ガラス玉投げるのは
割れる時を見たいから
そこにある愛を
縛られた愛を
僕はまた仮面で隠す
心の声を渡せるなら
いつまで泣き続ければいい
もうこの愛すら
霞み見失いそうだ
やっぱりずれたのは
世界じゃなく
僕のようだ
詩人:猫のあし | [投票][編集] |
僕は
新しい自分になる
僕は僕らしく
一歩新しい世界に行く
もう後戻りはしたくないから
今の僕も好きだけど
変わりたいから
ここで誓った夢
忘れない
詩人:高級スプーンあと何年 | [投票][編集] |
宗教上の理由で
豚も牛も駄目なんです
彼女はそう言って
ミディアムレアのステーキを
豪快に頬張った
整った顔立ちを無邪気に崩す
彼女の食べっぷりに感化され
負けじとナイフで
大きめに切った肉を
大きく開いた口の中に放り込む
皮膚の焼けたニオイが
内側から鼻腔へと上がり
同時に
馴染みのある鉄の味が
口内いっぱいに広がって
ああ
美味しい……!
彼女と顔を見合わせて
幸せを噛み締めるように笑った
お互い
口端から赤い肉汁を滴らせながら
かく言う私も
どうしても
食べられない肉はあって
犬や猫はもちろん
鶏や魚も無理で
頭の良い
カラスもイルカの肉も
苦手な部類に入る
無宗教だけど
誰しも好き嫌いはあるだろう?
だから
我々に割と近い
猿やゴリラの肉も少し厳しい
チンパンジーならまだなんとか
目を瞑ってだったら食べられるかな
……ハハハ
なんてね
悪い冗談だ
たった一種類を除いて
食べられる肉なんてあるものか
そういうわけで
次の食卓のお肉に選ばれたのが
きみだ
明日はハンバーグがいいな
詩人:カィ | [投票][編集] |
僕の幸せは僕が決めるんだよ。
彼女がいるとかいないとか
親が元気とかそうじゃないとか
健康だとか血圧が高いとか
子どもがいるとかいないとか
お金があるとかないとかじゃなくて
そんなもの好きにしたらいい
僕の幸せは僕が決める。
くたくたに働いて
つかれて眠る時に
大切な人を思い出してた
まぶたに君がいるうちは
まだ僕は君に護られてるんだろう
忘れる日がいつかきたら
そっと名前を呼んで
震える手を握りしめた
怖いんだって
はじめて言えた
君の笑顔が好きだった
僕が泣いた最初で最後の日
素直になるのは簡単で
言葉にするのは難しくて
この矛盾する世界を
君の涙ごと抱きしめた
僕の幸せは僕が決めるんだよ。
上手くいかなくてもやもやする日も
先を越されて悔しい日も
いつかきっとって戦う力に変えて
イノチ削りながら明日に向かうんだ
いいんだ。大変でも
辛くても
僕が選んできたこと。
まぶたをとじるともう
君はいないけど
それも僕が望んだこと
僕が選んだこと
君と交わらない未来
幸せは君が決めたらいい
今はとにかく進め
明日へ
朝、早く起きる。
苦手なことをする。
ゴミを出す。
天気のいい日に布団を干す。
夜早く眠る。
君の笑ってる夢をみる。