詩人:旅人モドキ(左利き) | [投票][編集] |
けして実らぬ想いですら抱えては 寝っ転がり仰ぎ見る港の青天井か
こんなに暖かくなって薄着しても 春が来たものか首をかしげる者で
ただ渦を巻きたがる群衆の波まで 割ってどういう意味だって青年が
お気に入りの果実にでも尋ねれば 鬼才と満天の星とが面と向かって
詩人:旅人モドキ(左利き) | [投票][編集] |
軽すぎる袋なんか突風で舞い上がりやがれ
意中の人を待ち焦がれては暇とか退屈もしのぎ
春の陽気など浴びる防波堤にて二匹の小犬を連れた
老年の夫妻と思わしき歩行者にも出くわす
聞き流す選挙の声も背景に相対するぶっ壊すべき壁を
洗いざらい語り明かしとっとと冒険へ駆け抜け
詩人:旅人モドキ(左利き) | [投票][編集] |
きみが過ごす日々にとっての礎となりたい
そっと胸にしまい込んだ感情を時々だったら開け放とう
おれは散歩道にて揺れる木々の葉っぱの声へ耳を傾けながら
ありとあらゆる人々にとっての共通語とは何だろうと問いかけ
きみとの間に芽生えた恋心の幕とやらも早々と上げたがる
詩人:旅人モドキ(左利き) | [投票][編集] |
はくはんって読むんだろうかと白飯とむきあう心がつぶやく
にわか雨に見舞われながらも急ぎ足で祭り会場に乗りこむ
ちょうど出番を迎えたばかりの人気者の背後へ回ってみる
きっと哀しみの帆を揚げるなら桃花から牡丹までの豊富な音色が咲きほころぶ
ちゃっかり去り際に集合写真を撮影するも正体は明かさず
ひょっとするとトンビがタカをうむって気づくのはタマゴやヒナより先の段階かもって思いを持つ
詩人:旅人モドキ(左利き) | [投票][編集] |
キリマンジャロの雪にまみれようとも
びくともしない野望を胸に秘め高らかに叫びまくってやろう
掛け替えならばプライスレスであろう砂粒のかけらだと
あがいたって届かない極地へと導かれて到達しうる心境だろう
電磁波の猛威を受け気味な操縦士と語らうオデッセイ
詩人:Я | [投票][編集] |
ありがとう
素直に言えない
子供の頃は、嫌なこともあったけど
少ないけど遊んでくれたこともあった
大人になった今は、本当に本当に感謝してる
近いうちに誕生日と感謝の印にプレゼントを渡せたなら言おう
ありがとうと...
詩人:理恵 | [投票][編集] |
疲れた身体が目覚めると
窓は漆黒の闇
雨の叩く音だけが
辺りを包み込んでいて
熱いシャワーを浴びながら
あと二時間だけ眠ることを考える
髪からしたたる雫を拭い
コップ1杯の水を飲む
巡る水はすっと身体を重くして
眠りへと私を誘うけど
熱い風を髪に当てながら
ふと川辺の桜を思う
今年もそんな季節が咲いていた
儚く咲き散りゆく姿に
何人もの芸術家がそれを唄い
その下で陽気な人が酒を飲む
染みゆく水を感じつつ
また一つ季節が終わったと
ふっと悟った午前二時
H29.4.9
詩人:さみだれ | [投票][編集] |
今日は何もなかった
私は平気なんだと思う
曇った窓に指をあてて
そこだけ透明になったよ
昨日は桜を見たんだ
私は大丈夫なんだ
信号の赤が部屋に溢れて
少ししたら冷たくなった
何が私を呼んだの
何が私を留めたの
あなたにはわからないんだ
明日は何かあるかな
私はいつもと同じだと
夜は斑にたゆたう
風船のようにしぼんでいくよ
詩人:ユズル | [投票][編集] |
わたしはもう ずいぶん前から知っている
こんなとき 産まれるのは 言の葉
不安 ふあんで 不安定な こころ模様を
真っ白なノートに つづる
優しい 呼び声
いつのまにか 弱ったこころ
いつもよりも 繊細だから
取り扱いに 戸惑い
うろたえ
振り向いたら
白いページと ペンが待っている
わたしはもう ずいぶん前からそうしてきた
こんなとき 産まれるのは 言の葉
詩人:亜子 | [投票][編集] |
私たちはいつも
部屋の隅であっています。
公園のベンチであっています。
満員電車の揺れのうえであっています。
ディスプレイの文字列であっています。
桜の花のまわりであっています。
川の流れの音の中であっています。
一本道に寂しげな目はまようけれど
姿をとらえられない手は虚しさを握るけれど
あなたが私を想いだしてくれた時
時間のブロックをひっくり返して
私の輪郭はできあがり形は息を吹き返し
私たちはどこででもであえています。
そしてあなたのおかげで私も想いだせるのです。
私たちは、たった一つから生まれた
ただ一つあることを。