詩人:遥 カズナ | [投票][編集] |
湿地対の薄暗い
ようやく木漏れ日の射す
小川のほとりに
木がある
苔にまみれ
そこいらじゅうの腐った葉っぱやら
ミミズ達か蛆虫に近いかそれ以下の生命の助けをかりながら
生きながらえている
これに、もしも精神が宿っているのならば
人ごときでは
計り知れないおぞましい心もちやもしれぬのに
なのに人には
木は健やかに見える
詩人:どるとる | [投票][編集] |
開いた傘の上に落ちた大粒の雨粒と
重なるように 鳴った無数の音
爪先で 踏み越えた未来のライン
届くかな 君を呼ぶこの声は
ずっと君のそばにいたいな
いつの間にか 固く結ばれた口から
あふれ出す メロディ
雨上がり見上げた空に 架かる虹
何でだろう 誰かに会いたくなる
心弾ませ 踊って
心まであの空と同じ色に染まって
飛べそうもない空に 腕を広げたよ
ずっと 長い時の間に忘れた空の飛び方
風をつかんで 舞い上がるように
消えない思いを つなげていくんだよ。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
歩き疲れた 体を 労るように
優しさを傷痕にあてがう
絆創膏の代わりくらいにはなるかな
暮れかけた街の 隅っこで
言葉にならない 悲しみを抱いた
重ねた手のひら
伝わるのは 理屈じゃない ぬくもり
唄うように 命をひびかせる心臓が
とくとくと 絶えず脈打ってる
明日のあなたに手紙を残すよ
膨大な知識より 血の通った 気持ち
いくらお金を出しても買えない
あなただけが知る 澄んだひびき。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
新しい風が 南の窓から 運ばれて
誰かが くれた言葉が ここに来て役に立つ
三毛猫は 日がな一日 縁側で光と埃に戯れて
僕はというとまだスタートラインにも立てずにいる
君の声を聞かせてよ 遠い春を 連れてくるあの歌
即興で 奏でた でたらめな歌
胸の隙間を 少しずつ埋めていく
ほらね もの凄い魔法みたいだ
頬にふれたときの柔らかな 手ざわり
包むつもりが 逆に包まれるような
名前も知らない 気持ちに出会う喜び
いつか 君にも伝えたいな 自分だけで楽しむなんて勿体ない
泣いて 笑って たまに怒って そんなことがきっと大切なんだ
気づいた僕は もう一人じゃない
つないだ手は ほどけないくらい頑丈だ
何でもない毎日が思い出ならば
離ればなれの思いをつなげていく 小さな約束
綴れ織る 日々の 途中で
僕は君の 名前を呼ぶよ
いつか 別れるその時も
与えられた 愛に 恥じぬように
君の声を聞かせてよ 遠い春を 連れてくるあの歌
即興で 奏でた でたらめな歌
胸の隙間を 少しずつ埋めていく
ほらね もの凄い魔法みたいだ
山ひとつ越えてひびく 山びこだ。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
見上げた瞳に 流れる星の あとを追って
風の行方を 人差し指で 占った
色とりどりの 色に染まったこの街で
僕も きれいな色に染まれるかな
アジサイの上の カタツムリは
言葉少なに 語った
大切なものは ここからでも十分見える
記憶の片隅に 静かに残る 一滴の涙
空に届いて 星を浮かべた海になったよ
すべての命が いつか帰る場所。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
踏み出した 僕の足が鳴らしたメロディ
ゼロから すべてが始まっていく
夜明け前の街は 少しばかり冷えるな
凍えないように 毛布にくるまった
描き出した 夢の果てに 何があっても
「諦め」という 選択肢に 屈したりはしない
ありままのイメージを形にしても
あやふやな 輪郭線をたどる あしあと
どこまで行けるかな それさえわからないままだ。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
舞い落ちる 枯れ葉に重ねた
今はもう いない 誰かさんの面影
街は 少しずつ暑さを忘れていくよ
言葉もなく ただ立ち尽くす景色に
僕は流されていく 人混みの中へ
降るような足音に紛れてる
小さな 泣き声を今日 見つけたよ
ずっと 探していたような気がする
優しさを 手にしたオクトーバー
庭でカラカラと風が笑えば
誰もいない 部屋に思い出が帰る
そして懐かしい肌寒さがよみがえる
夕暮れの街は どこかやっぱり寂しくて
だからつないだ手のぬくもりが有難い
今だけは強がらず弱さを見せていいよ
優しい人は すぐそば笑うのです
いつまでも ふれていたいから
時を計る時計なんていらない
忙しさから抜け出せず また一人
黄昏て 見上げた空に 一番星が ひとつ
言葉もなく ただ立ち尽くす景色に
僕は流されていく 人混みの中へ
降るような足音に紛れてる
小さな 泣き声を今日 見つけたよ
ずっと 探していたような気がする
優しさを 手にしたオクトーバー。
詩人:アルバトロス | [投票][編集] |
渇いている
でもね その炭酸水は砂の味がするから
渇きを与える
そう その炭酸水は砂の味がするから
唾を飲み込んでみる
でもね その炭酸水は砂の味がするから
それでは満たされない
そう その炭酸水は砂の味がするから
飲み干してしまいたい
眩しすぎる灰色の君を
何度も吐き出して
何度も飲み干してしまいたいのに
君がいるせいで
また渇いている
でもね その炭酸水は砂の味がするから
詩人:どるとる | [投票][編集] |
そっと目を閉じて
暗闇の中に光を探した
窓の外では降りやまない雨が降ってる
何色でもない 色に染まって
どしゃ降りのなかを駆け抜ける
まばたきの合間に
見えた気がした 明日
町中が 明かりを消したような 真夜中
出会う人もなく ただ流れていく時間
一人さえも いなくなったような世界
なんならこの寂しさに 名前をつけようか
今ある そのすべては なんのためにある
幸せのすぐ傍で 平気で人が死んでいる
ため息を まとわせて 風切るように走る
睡魔に勝てずに 乗り過ごした電車
気づけば ここは見知らぬ駅だ
看板には 「未来」と書かれている
町中が 明かりを消したような 真夜中
出会う人もなく ただ流れていく時間
一人さえも いなくなったような世界
なんならこの寂しさに 名前をつけようか。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
足元に引かれたスタートのライン
確かめたのなら そこが始まりの場所
ちょっと深呼吸 雨上がりの虹を
描いた空に 投げたスマイル
百あるうちの たったひとつの運命
手にした僕らは 幸せなんだろう
道しるべは落とした涙だ
迷わないで 帰れるように
また何度でもスタートラインを探す
明日の君に出会えるように
この街で一番高いビルにかけ上って
見下ろした街 橙に暮れていた
いくつの 分岐点を過ぎただろう
降りる駅を間違えないようにしなくちゃ
味の無くなったガムをまだ噛んでる
いつか味が出るかもなんて期待して
南南西に 舵をとれ あの星を見失わないように
瞬く光に 謎は暴かれて
そして再びスタートラインに 立ち返る
明日の君が 笑えるますように
目をつむった 瞬間
飛び込んできた
無数のイメージに
飲み込まれて
僕はがらんどう
道しるべは落とした涙だ
迷わないで 帰れるように
また何度でもスタートラインを探す
明日の君に出会えるように。