詩人:どるとる | [投票][編集] |
夜明け前の街は 眩い光が 集って
海鳥が 群れをなして
君を待ちわびていたように 出迎える
昨日の涙も 乾いて重ねた 傷跡も いつか誇りになって
懐かしく 語り明かせる日が来るだろう
電車を次々に乗り換えてくように
新しい僕に 生まれ変わりながら
今はひたすら自問自答の毎日
どこまでも 手を伸ばして
いつか この手に したい夢を
今はただ イメージしながら
真っ白な 未来に明日を描いてる
途中まで 下書きしていた
モノクロの 未来を完成まで持ってく
誰かが描いた 未来とは少し違うよ
特別な未来は望んじゃいない
でも 腹がよじれるほど笑ってたい
夜明けの街に放たれた サテライト
暗闇を 根こそぎ さらってった
悲しみなどは もはや跡形もない
いつまでも 駄々をこねるプライドを
おとなしくさせて 歩き出すときには
大人って ところまで 行けるかな
大きな夢と 小さなチャンスを
両手にこぼれるほど抱えながら
幸せだよって 微笑む明日まで走ってく
空高く 掲げた僕らの旗に映る 昨日
なりたいものへの憧れは 日毎に 増してくばかりで 仕方ないなあ
どこまでも 手を伸ばして
いつか この手に したい夢を
今はただ イメージしながら
真っ白な 未来に明日を描いてる
途中まで 下書きしていた
モノクロの 未来を完成まで持ってく
完成した未来を 次の未来を担う
君に手渡すその時まで
この決心は 捨てずに とっておこう。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
悲しみの中でも どんなどしゃ降りでも
笑ってる君は 強くてたくましい
でもたまには 涙もちゃんと見せてほしい
君が無理して笑うと僕は悲しくなるから
積み重ねられた 二人の思い出
いつどこで笑ったのか 泣いたのか
それさえうまく 思い出せないや
車窓から流れる景色のようにただ
過ぎていく 毎日の中で
時間だけを浪費してくだけでも
十分なのに誰かを愛する苦労を
わざわざ なぜ僕らはしたがるんだろう
離ればなれの 糸と糸が結ばれるとき
握手をするように重なりあうとき
僕はその意味を 知る
人として生まれ やがて
この人と決めた 誰かを 愛して
たまに すれ違うことも想定内
それさえ楽しんでみせるわと 君は笑う
誰かが電車の中で忘れた小さな傘
黙って持ち帰る 傘を忘れたから
思いもしない 運命が突如降ってきて
役に立つ間もなく終わるはずだった
忘れられた傘もこうやって 役に立って
僕の 凡そ 20分足らずの 帰り道を 保証してくれる
時計の 針が 刻んでく時間は
いつか 終わるんだと いつ知ったのだろう?
焦りを隠せない 僕は生き急いだ
今にも雨が降ってきそうな空の下を
濡れながら駆け抜けた
ありふれた言葉でいいから 愛をくれと叫んだ
抱きしめたよ 自分を自分で 眠れない夜に
車窓から流れる景色のようにただ
過ぎていく 毎日の中で
時間だけを浪費してくだけでも
十分なのに誰かを愛する苦労を
わざわざ なぜ僕らはしたがるんだろう
離ればなれの 糸と糸が結ばれるとき
握手をするように重なりあうとき
僕はその意味を 知る
人として生まれ やがて
この人と決めた 誰かを 愛して
たまに すれ違うことも想定内
それさえ楽しんでみせるわと 君は笑う
だから僕も 笑うんだ。
詩人:村和緒 | [投票][編集] |
甥っ子が磁石を持って来て
俺にどくように言う
甥っ子のおめがねに叶わない
行為が目立つとまずいので
義姉を呼んで来て
甥っ子の心をやわらげる
必ず怒る義姉が言うには
せこいタイミングは
口の中で発生するので
外に漏れるのもそのせいなのだから
甥っ子に従わなくてはならない
和歌が無くても
口中に目いっぱい食べ物を詰め込んでも
どうしても義姉を怒らせるわけにはいかなかった
タンギー爺さんが上から下がって来て「やあ」と言う
スワヒリ語をしゃべって居る様なタンギー爺さんは
義姉とはグルで
摘果実験でもパートナーで
二人が出て来るタイミングはいつも不思議で
そんな意味でも義姉が怒る訳はないのだが
野心を持った帰りには
どうしても現れる国事御用係の様な
タンギー爺さんは貴重だった
甥っ子もおこらせたくないし義姉も怒らせたくないので
前方を飛び出して来る猫に
それをやらせようと思って
うちにこもった
詩人:どるとる | [投票][編集] |
離ればなれの二人をつないでるのは
月に数度の手紙のやりとりだけ
メールが嫌いな君は手紙が届くのを心待にしていたよ
贅沢して たまに電話をした日には
僅かな時間の中に 永遠を感じた
もうどれくらいの 手紙をやりとりしただろう
いつも同じことを書いてる 気がしてるよ
会いたいって 気持ちばかりが先行して
君の迷いに 気づけない僕がいた
季節は 移り変わって
もうしばらくしたら 薄着じゃ いられなくなるね
この街に白い 綿帽子が 降ってきて
冬を 届けた 何でもないいつもの街が
二人で並んで歩くときれいに見えた
冗談を言い合いながら寒さをごまかした
今悩んでること
迷ってること 何でも話してよ
小雨降る ホームにたたずんで いつまでも 帰れない僕らは
別れの日、離れてく手を 何度もためらった
窓越し 遠くなる君を見送ったあと
一人泣いたことを覚えてる
これでもう 会えない気がして
さっきまでつないでた手がまだあたたかい
君も ついに観念して携帯を 持った日
君は電話に出たとたん しどろもどろになってた
そのしぐさが目に浮かぶようでおかしくて 僕は笑った
でも君は 嬉しそうだった
僕らは時間を忘れいつまでも話した
君と重ねた手紙のやりとりも その日を境に終わった
でも、君がくれた手紙をまだ 残してる
これは僕の宝物だと大切にしまってる
今じゃ 僕より携帯の使い方がうまい君だけど
また君のあの 下手くそな字を 見たいな
思ったことがつい口に出たら
君に叱られたよ
君も まだ持ってるかな 僕が 送った手紙
二人が まだ恋人だった頃の思い出。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
まだ夜も明けてない空 街は眠りの中
静かに流れる カーステレオと車
カーブをひとつ ふたつ過ぎたなら
岬で少し休憩 君と夜明けを見る手筈
海鳥が つがいで 仲良く 飛んでく
東の空から 解き放たれた サーチライト
街を射抜くように 扇状に広がる 光
僕は大きなあくびをするんだ
思い出になるよ 忘れられない今を 君に手渡そう
見せたいのは 明日になったら すぐに
忘れてしまうような 景色じゃない
宝石ちりばめたような夜空が流れる
今の気持ちをどんな言葉にしようか
伝えきれない喜びや小さな感動を
閉じ込めることはできないだろう
だから僕はためらいなく抱きしめられる
青と白と銀の 混ざりあった 世界
手を伸ばしてつかもうとした あの星
手をかすめるのは冷たい風だけ
この世界のまだ知らない すべてを君に見せたいな
笑ってる君が今よりもっと笑ってくれるようにと
シートを倒せば 即席の プラネタリウム
天窓から 見える 僕らだけの星空
東の空から 解き放たれた サーチライト
街を射抜くように 扇状に広がる 光
僕は大きなあくびをするんだ
思い出になるよ 忘れられない今を 君に手渡そう
見せたいのは 明日になったら すぐに
忘れてしまうような 景色じゃない。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
君は僕の為に 何をしてくれるだろう
魔法も超能力も使えない僕は
ただのつまらない人間です
テレビの特撮で 出てくるヒーローは
いつもゆるがない信念を胸に
風にマントをはためかせていた
君のヒーローになりたくて
柄にもなく 格好つけたりした
慣れないことはするもんじゃないね
見事に転んで 君に笑われた
あなたはあなたのままでいいわと
君は笑いながら ひとつしかない愛を
迷いを捨てて僕に手渡してくれたよ
ヒーローは 諦めることは知らない
ヒーローは 弱音なんか吐かない
希望しか 信じてない
だから強いんだ
君のヒーローは 格好つかないヒーロー
安月給で 頼りなくておまけに猫背
でも人より努力してやっと一人前
僕は幸せだ頑張る理由がすぐ傍にある
人の 十歩が
僕には 一歩だ
でもそのぶん
じっくりしっかり
歩いていける
こんな僕で良かった
たまに 開き直るよ
君のヒーローになりたくて
柄にもなく 格好つけたりした
慣れないことはするもんじゃないね
見事に転んで 君に笑われた。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
雪が二人の隙間に そっと降りてきて
二つの足跡 白い道に上手く刻んでく
言葉なんて二人の間には 要らなくて
手のひらから伝わるぬくもりが
代わりにすべてを 語ってくれる
いつの間にかできたこの 距離を
どうしたら埋められるだろうって
泣きながら 考えていたんだ
冬の窓辺に 灯る明かりに寄り添って
君にもらった手編みのマフラー
イニシャルが入ってるけど
NとSが 逆だって言えなかった
だってそんなの問題じゃないから
人を愛する喜びと 難しさの間で
四苦八苦する僕を君が見ている
たくさんの約束と それと同じだけの裏切りを 君は知ってる
僕は不器用だから迷いなく 君を愛せない
誰かが 口ずさむ メリークリスマス
僕は素敵な言葉を探してる
このまま夜が明けないでもいい
二人だけの世界で一途な愛を貫こう
君にもらった手編みのマフラー
長すぎて どれだけ巻けばいいの
あちこちほつれてるけどちゃんと
あたたかいから許してあげる
包丁握らせれば 必ずといっていいほど
怪我をする君は 危なっかしいから
君はとりあえず お皿を洗ってよ
お互いに 見合った役目があるはずだ
ほら 君にもいいところがあるよ
具体的には言えないけれど
いつか 教えてあげるねって
帰り道の途中で はぐらかした
いつの間にかできたこの 距離を
どうしたら埋められるだろうって
泣きながら 考えていたんだ
冬の窓辺に 灯る明かりに寄り添って
君にもらった手編みのマフラー
イニシャルが入ってるけど
NとSが 逆だって言えなかった
だってそんなの問題じゃないから
マフラーを編んでくれたことが
何よりうれしかったから
絆創膏だらけの君の手がとても
愛しくてたまらなかったから。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
たったひとつの概念に囚われた心は
世界を真っ直にしか見つめられない
たとえばそこに所在なく咲いてる花に
どんな思いを重ねるかで見え方は百通り
大切なものを見るためには
目を閉じて わざと視界をふさぐんだ
余計なものまで 見えてしまうから
たったひとつの大切なものを
見るために今だけは目を閉じて
君のことだけを 見つめていよう
暗闇の中に 浮かんだ白い月の光
浮かんでは 消えてく モノローグ
誰かの引いたレールの上を走るのも
そろそろ飽きたからレールを外れよう
花の名前を 思い出すとき
思い出す色が イメージを染めてく
変わらないまま 微笑んでいるよ
忘れないでいるからそこにいてよ
終われない物語 続いてく明日へ
醜くも美しく 咲いてる花だ
ゆるり ゆるり
ただ 移ろう 舟
時の川を 進む
オールもなく
ただ流れに委せて
宛もなく 行くよ
大切なものを見るためには
目を閉じて わざと視界をふさぐんだ
余計なものまで 見えてしまうから
たったひとつの大切なものを
見るために今だけは目を閉じて
君のことだけを 見つめていよう。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
寝坊助の猫も あくびしながら目覚めて
夜明けまえの 路地裏で軽く伸びをする
昨日の雨も嘘のように上がったよ
めずらしく天気予報は見事に外れたよ
宛もなく進む メロディライン
未来を照らすような 音を探してる
心に羽が生えたような訳もなく
ときめく思いに 引きずられ
僕は 笑ったよ
あなたの声や あなたしぐさに
見とれているだけで 時間は過ぎてく
繋いだ手のあたたかさだけで
簡単に幸せになれてしまう僕は どうかしてるな
水溜まりひとつ 軽々と飛び越えてしまう
驚くべき跳躍力 でもスニーカーは台無し
色褪せない色ってどんな色だろう
答えのない答えあわせの毎日だ
マウンドを越えて ボールが突き抜ける
弾道のように 白い球筋が 走ってゆく
道はあんなに険しいのに君は夢までの道は 遠いほど 甲斐があるって笑った
あなたが言うと不思議と 何でもできそうな気がするんだ
なんでだろうな 君のつま先は いつも 前を向いてる
昨日の痛みを まだ
忘れられない僕と
夢を追いかける君
互い違いの歩幅でも
ちゃんと お互いをリードしあってる
結果を残すよりも 思い出を残したいから
あなたの声や あなたしぐさに
見とれているだけで 時間は過ぎてく
繋いだ手のあたたかさだけで
簡単に幸せになれてしまう僕は どうかしてるな。
詩人:さみだれ | [投票][編集] |
星をなぞる小さな指先
赤いニット帽が目を隠してしまう
それでも嬉しそうに笑うばかりで
直さずにくるくる回りだして
どんな風に見えているのだろう
君にしか見えない世界は
寒さに震える彼の手紙
赤いポストの前で動けずにいた
羽が生えて勝手に飛んでいけばいいのに
そう思う心が楽しそうで
どんな風に見えているのだろう
君にしか届かない世界は
ひとりぼっち夜道を漂いながら
色のない僕を街灯が照らす
ひとりぼっち今日が終わらないのは
きっと僕が笑ってないから
誰かを待っている小さな影
青いベンチに座って泣いている
その涙の色はなんだったっけ
僕にも流せるものなんだっけ
そんな風に思えるだろうか
君にしか見えない世界は
どんな風に見えているのだろう
僕にしか映せない世界は
ひとりぼっち今日が終わらないのは
きっと君と笑ってないから
白い指で星のような涙を掬う
どんな風に見せようか
この世界を