| 詩人:ユズル | [投票][編集] |
星の影になったときは
いつもひとりで
瞼をおろしているけれど
今は少しちがって
ぽつり、ぽつりと控えめな唇から
聞き漏らしてしまいそうなほど
微かな声が 零れ落ちる
その行方を 瞳で追いかけながら
指先だけ 触れていた
この夜には ふたりきりみたいなのに
もっともっと大勢の人が それぞれの場所にいて
青い星は それらを乗せて
不安定に ぽっかり浮かんでいる
ぽつり、ぽつりと零れた声は
とても小さいけれど 流星群が 渡るあの場所まで
もしかしたら 辿り着いて
遠い街に 降り注ぐ光かもしれない
指先から 伝える
魔法じゃない 魔法で
| 詩人:香奈 | [投票][編集] |
『おめでとう!幸せになってね』
今日は私の唯一の友達
親友の結婚式
愛する人達に囲まれ
愛する家族に感謝し
愛する人と
将来を誓う
それはそれは
『幸せ』なパーティー
今日は風邪を引いてしまった
でも仕事休めないし
頑張って行った
愛する家族に疎まれ
『アンタが風邪引いたらこっちが迷惑』
それはそれは
『幸せ』とは程遠い
淀んだ空気
明日はどんな日かな
明日死ねたらいいのに
親友に『おめでとう』の一言すら言えず
私は消えるのでしょうか
| 詩人:どるとる | [投票][編集] |
空に飛んでいく羽ばたきひとつ
新しい物語を刻んでいく
まだ出会ったこともないメロディ
色と音が 重なりあったような街で
二人は 奏でた 二人にしか鳴らせない音
当たり前な 日常じゃつまらない
時々は 大袈裟に笑い泣くくらいしよう
引かれた道を 反れて自分だけの道を開拓
そしてたどり着くその場所にあるもの
二人で探そう それが二人のメロディ
二人だけのメロディ。
| 詩人:どるとる | [投票][編集] |
雨空を見上げながら 君はふと
ため息吐いて 下り電車を待っている
何かを話そうと 口を開いてみるけど
こんな時に限って僕は無口になるんだ
そっちに行ったらまた電話頂戴ね
なんて素っ気ないことしか言えなかった
僕のこの気持ちだけ取り残されたまま
やがて電車は二人を引き裂いてゆく
ぬくもりを失いすぐに冷えていく手
その瞬間の切なさを空は見てたのかな
次第に雨足は強くなって窓に映る君の顔も見えない
だけどおかしいね僕には泣いてるってわかった
ふるさとの街で見る空と東京の街で見る空は
同じ空なのにどこかがやっぱり違うね
次の誕生日には 間違いなく会えるかな
約束できないのが とても悲しいね
仕事に忙殺されてく 日々の中で 互いを思う時間だけが 二人が二人になれるんだ
思い出すよあの小雨の 降っていたホーム
君の 最後の涙だけがやたら 残ってる
もう離すまいとつかんだはずの手を
離すときが 来ることをわかってたように
するりと結ばれた手は難なくほどけていく
だけど二人にはわかってる また会えること
なかなか会えずにいる今は
愛想笑いも悲しみに変わるけど
この胸に重ねた思い出があるから
平気とはいかないまでも大丈夫だよ
カレンダーに付けた来週の土曜日
日付を囲うように記された丸印
僕のこの気持ちだけ残されたまま
やがて電車は二人を引き裂いてゆく
ぬくもりを失って冷えていく手
その瞬間の切なさを空は見てたのかな
次第に雨足は強くなって窓に映る君の顔も見えない
だけどおかしいね僕には泣いてるってわかった
だから、僕だけでも笑って 泣きそうな僕を引っ込めた。
| 詩人:どるとる | [投票][編集] |
誰が呼んだか わからない
とりあえず今のところ名前はない
敵か味方かも わからない
男か 女かもわからない
仮面ライダーに変身したいけど
バイクの免許 持ってない
仮面ライダーに変身したいけど
運動神経 全くもってゼロ
それでも心だけは 仮面ライダー
海のように広く 空のように 果てしなく
タダ働きで 悪の組織と 戦うぜ
今だ パンチ そこだ キック
必殺技は 猫だまし
卑怯な やり口 暴力団以上
行け 行け ママチャリで
仮面の下に 涙を隠して
夕日に背を向け
俺は 仮面ライダー 正義の人。
| 詩人:香奈 | [投票][編集] |
『愛されたい』
と
泣きじゃくる子供
もう年齢は子供じゃないんだから
自分の事は自分でしないといけないのにね
まだ親に頼る
また親を困らせる
いつになったら
私は自立できるの
こんなに足掻いてるのに
ちゃんとした
良い子に育たなくてごめんなさい
わがままで甘えん坊で
ダメ人間
…でもね
親…あなた達がとても大事なのよ
親孝行したいし
楽をさせてあげたい
笑い合っていて欲しい
幸せでいて欲しい
のに…
『あんたが体調悪くしたら、お金かかるんだから!いい加減にして欲しいわよ』
あなたの中では
お金 > 子供
なのね?
あたしが身を粉にして
働けばいい
働いて働いて働いて働いて
お金稼いで
あたしは病状を悪化させて
死 ね ば い い の ね
あなた達の
手元に残るは
お金
子供の亡骸は
砂になって
空へ散る
あなた達が
それを望むなら
そうしましょう
それが私からの
親孝行
…???
| 詩人:羅憂里 | [投票][編集] |
何を描こうか
わたしは
誰を愛そうか
これから
何処へ向かおうか
わたしの命をかけて
何を探そうか
わたしの
誰と生きようか
わたしの
何処に隠れようか
わたしの
命をかけて
何を遺そうか
じぶんで
ひとりの
わたしを
優しく触れようか
命を燃やすのは
まだまだこれから
わたしの命を
わたしで決める
18の夏に
何を始めよう
| 詩人:どるとる | [投票][編集] |
歩道橋の真ん中に来たら夕日が沈むよ
計ったように ほら目を閉じるように
時計は 置き去りさ 時間になんて縛れたくないから
涙と笑顔の数を 競わせるのはやめよう
悲しみの多さに 立ち直れなくなりそうだから
夕暮れの落とし物が僕の胸に落ちてる
まだ消えないあの茜色 熱く燃えている
ただいま おかえり交わす言葉 意味もなく
当たり前のように 僕は君に 君は僕に
帰り道を照らす月 背伸びする僕の影
悲しいことより 嬉しかったこと思って
長く果てしない道のりを歩いていこう
夕暮れの落とし物が君の胸にも落ちてる
まだ消えない優しい茜色に染まってる
ビデオや写真に閉じ込められた思い出もいい
でもね瞼閉じて思い出す思い出もまたいい
涙と笑顔の数を 競わせるのはやめよう
悲しみの多さに 立ち直れなくなりそうだから
夕暮れの落とし物が僕の胸に落ちてる
まだ消えないあの茜色 熱く燃えている。
| 詩人:どるとる | [投票][編集] |
夜明けの街に 海の向こうまで
光の絨毯を広げたら 目を覚ます合図
準備運動は 怠りなし
腹ごなしもすんでいることだし
あとはただ 風が吹くのを待っている
あの屋根の上の風見鶏が回ったら旅立とうと決めた
言い訳なら 尽きることもなく生まれる
余計な言葉を 吐き出しそうなら
大好きな歌を歌おう 夜が明けるまで
夜明け前の 街
堤防に沿って走る
僕は 夢追い人
突き上げろ拳を空に
誓え夢を叶えると
君の瞳はまだ
死んじゃいないだろう
物語はまだ始まったばかりだろう。
| 詩人:どるとる | [投票][編集] |
どんな悪人でも善人でも 関係なく
雨は等しく 人の頭の上に 降るんだよ
不用意な 無防備な
肌をさらけ出した
白い地面に突き刺さる
痛みのない とても気長な 殺戮は続く
悲しみに暮れる僕の心に そっと
傘を 差し出してくれたのは君だった
雨に歌えば この世界には悲しみなんてないよと
ちょっと 笑いながら言えるよ
傘がないのなら 僕のこの腕の中へ
お嫌じゃないなら
あたためてあげる。