詩人:どるとる | [投票][編集] |
いつもの帰り道 歩道橋にさしかかり
ほら 夕日が沈むところだよ
赤い夕日に照らされた街並みが見えた
なぜか僕は 泣きたくなってしまうよ
優しい オレンジ色が心さえ染めるから
あの空と同じ色になった僕の心が泣き出す
いつでも会いたいと思う人がこの街にいる
そんな気持ちを 落とさぬように 歩いていく
人が人を思うような ありふれた気持ちにやどる
あたたかなお風呂のような安らぎ
この街は誰かを待っている顔で笑うから
僕まで 笑顔になってしまう
夜が来る前に 喧嘩したこと謝らなきゃ
また昨日のように 君と笑いあいたい
翼を休めていた鳥が羽ばたいていく 巣に帰るのかな
僕も家に帰りたくなってしまう
離ればなれでも 互いを思う気持ちで 結ばれている
寂しくなったときは君を思い出すんだ
笑った顔が まぶたの裏にぼんやりと浮かぶよ
ただいまを言う準備は整っている
この街はまるで 誰かを待っているみたい
ドアを開けていつものように
ただいまって笑うあなたや
おかえりって迎えるあなたを
結んでる 見えない絆がある
そこに生まれる気持ちを人は幸せと 呼ぶのだろう
いつでも会いたいと思う人がこの街にいる
そんな気持ちを 落とさぬように 歩いていく
人が人を思うような ありふれた気持ちにやどる
あたたかなお風呂のような安らぎ
肩まで浸かって 吐き出す感嘆のため息
白い湯気になって 天井に上って消えた
「僕は幸せ者だ」
詩人:どるとる | [投票][編集] |
気持ちをふくらませて
イメージを形にするんだ
空は晴れて 雲を蹴散らした太陽が
畑に 日差しを降らせて野菜を育てる
本を読んで あくびをして昼寝をして
日が昇っては 日が暮れてまた明日
笑いながら 泣きながら生きていく
僕らの 暮らしはページの向こうへ続く
新しいノートに描いた虹
七色の 川みたいに見えるよ
南向きの窓を開けて 陽射しに手招き
洗濯物を 乾かしてくださいな
猫の背中に乗ってちょっとした大冒険
たんぽぽの綿毛を追いかける旅
笑いながら泣きながら 生きていく それでも
僕らの 暮らしは飽きるほど 変わらず続く
口笛吹き鳴らして
新しいいたずらを思いついた
やってみよう 驚かそう 腰を抜かすような
面白い 楽しい これからのはじまりはじまり
本を読んで あくびをして昼寝をして
日が昇っては 日が暮れてまた明日
笑いながら 泣きながら生きていく
僕らの 暮らしはページの向こうへ続く。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
引き出しを開ければそこには未来がある
昨日の僕が明日のドアをたたく音がする
風船を 空に放って
花で冠をつくって
飾付けよう
魔法の絵の具で
世界を塗り替えて
引き出しの中には
引き出しの中には
未来がそっと光る
引き出しの中には
引き出しの中には
たくさんの夢が光る。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
ホームで電車を待っているように
未来と待ち合わせをしているんだ
約束もしていないのに 時間通りに
ホームに 到着した行き先のない電車
窓から見える景色は見飽きたよ
昨日と今日が変わらないように
時計がどれだけ回っても歳を重ねても
変わらないものは変わらないままだ
東京の街の地下に張り巡らされた路線
もぐらが作った穴のように入り組んでる
こんがらがることも絡まることもなく
上手くかわしながら道はつながってる
科学の進歩と発展が招いたのは
生活の利便性 でもなくしたものは大きい
メトロの闇に消えていく 鉄の芋虫
蛇行しながら 這うようにレールを走る
時計が刻む同じ時間も 昨日と今日とでは随分違うんだ
同じ一分で何が出来るかな
日暮れの街に きれいな夕焼け空が広がる
水面に浮かぶ白い船の帆が風をつかむ
一息ついて そっと見上げれば満天の星空
見つけたよ僕らが守らなきゃいけない物
一つ一つ 数えきれない宝物が増えてく
失う物より 残された物を指折り数えよう
東京の街の地下に張り巡らされた路線
もぐらが作った穴のように入り組んでる
こんがらがることも絡まることもなく
上手くかわしながら道はつながってる
日暮れの街に きれいな夕焼け空が広がる
水面に浮かぶ白い船の帆が風をつかむ
一息ついて そっと見上げれば満天の星空
見つけたよ僕らが守らなきゃいけない物
小さな子供たちに残さなきゃいけない物。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
行き先のないバス停で貧乏揺すりして
未来と待ち合わせをしているんだ
ドリンクバーで粘る一時間かそこらの退屈
あんなに長い時間も君との会話が あっという間にする
ひらりスカートが風に舞い踊る午後には
宛もなくどこか遠くに行きたくなる
自転車は 走ってゆく見慣れた街並みを
アイスティーのコップが汗をかいている
夏の陽射しが アスファルトをいじめてる
映画を観よう 図書館に行こう
遊園地の観覧車に乗ろう
君が 笑える場所ならどこでもいいさ
油断すると恋をしてしまいそうな景色
リズムをとるテーブルの下の君と僕の足
空は晴れて 雲ひとつない 青い空だよ
急ぎすぎた僕はページを飛ばして
結末だけを知りたい
でも まだまだ 焦らせてほしい
飛ばし読みするのはあまりにもったいない
だから ゆっくり歩いていくんだよ
ひらりスカートが風に舞い踊る午後には
宛もなくどこか遠くに行きたくなる
自転車は 走ってゆく見慣れた街並みを。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
畑を耕すように 僕らのお父さんのお父さんが
世の中を すみよいようにしてくれました
B29が空を飛び 爆弾が降ってきた日に
これで最後にしようと誓ったじゃないか
平和な今を 変えてはいけない
武器を放棄し戦争を憎もう
畑に 実った小さな子供たちが
大人になるまで 見守るよ千の瞳で
えんやこら
えんやこら
鍬を振り上げ
土に降り下ろす
春には たくさんの野菜が収穫されるだろう
僕らは今日も畑を耕す
耕された畑を 荒らさないように
今ある平和な毎日を
子供たちの笑顔を汚さないように。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
遠い昔、運動会でやった二人三脚
要領の悪い僕はパートナーの足を引っ張っていた
でもあなたは 笑って 気にしないでと言っていた
その優しさが 僕をダメにしないで くれたんだろう
一歩また一歩 人生の長い道のりを
歩いていく 時にはつまずいて
雨に降られ 陽射しに焼かれ
あきらめそうになるだろう
時には 喧嘩だってするだろう
でもいつの間にか僕らは手をつないで
悲しささえわけあって 生きている
生きていく。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
沈む夕日を背にして 君は一人泣いている
涙拭くハンカチさえ持ってない僕だけど
そばにいるよ 僕がいるから君は一人になれない
走る 君は夢を追いかけるランナー
風を 切って未来までの道のりを埋める
涙なんて 汗と一緒に流してしまえ
肩を抱いて 笑いあってまた明日。
詩人:理恵 | [投票][編集] |
片付かない心の奥から
なけなしの言葉拾って並べる
灰皿にたまってゆく
煙草の灰のような気持ち
わりきれないで 過去からずっと
進めないでループしている
素直になったら何もしないで
ただ波間に浮かんでいたい
人間として生きるということさえ
本当の意味もわからない
働いていること? 友がいること?
必死で繕う毎日
進みたい願い抱えて
どうすれば、という壁にぶつかる
外に出て日を浴びたら
徒な時間があるだけ
繰り返してるパターンに急に
漠然とした不安がよぎる
こうなったらきっと
またあの繰り返しと予感すらしてる
人間として生きるということさえ
本当の意味もわからない
失った記憶と裏切りの中で
生きる意味もわからない
それでもきっと意味を考えているのは
生きていたい 人間になりたいと
思うから
きっと生きていくには向かないけれど
休日の使い方さえも
考えるような日々 正しいのかなんて
わからないけど探してる
H27.5.27
詩人:羅憂里 | [投票][編集] |
小さな私がもう失ってしまった
いつの間にか汚れてしまった
あの花のように いつの間にか散ってしまった
さようなら 私
私は 私を 殺して 生きていくから
でも 忘れない きみのことは 忘れない
きみのなかから私は生まれる
生まれる この命 明日も生きる
さようなら 私
私の命をあげる 明日の私に
夜の声に耳を澄ます、それは小さな私の声
夜の暗がりに意味を成さず、それは小さな私の願いだった
もっといい歌が歌えたはず
もっといい人と出会えたはず
もっといい言葉が紡げたはず
なんにもなくなって、からっぽの私
私は 私で なくなる
さようなら 私