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[191434] 
詩人:どるとる [投票][編集]


それでも散ってしまうのです
指折り数えても 幾ばくもない命

窓の外を 過ぎる駅前通りの景色
たくさんの人だかりに紛れて
建物の向こうに夕日が 沈むのを見た

春の終わりに桜が散ってゆくように
君の命も それまで持つかなあ

静かな病室に 二人の影が落ちて
涙も流さず笑う 君を僕はただ見ていた

春ももうじき終わりだね 最後の桜が散る。

2016/04/19 11:21



[191433] 僕と君の間に
詩人:どるとる [投票][編集]


なんでもない顔で でも君は悲しみを
一人では到底持ちきれないほど抱えてて

それを強がって 言おうとしないから
僕はまた 君につらくあたってしまうんだ

桜も終わりだね もう陽射しも夏の色さ
歩幅を無理やり合わせていたけど
当然のように少しずつ離れてゆく

僕と君の間には 埋められない距離ができたよ

君も僕を愛してきた
僕も君を愛してきた
でもいつの間にか
違うものを見ていたよ

終わりにしようね こんな悲しい恋は
どちらからともなく 離した手
遠ざかる背中を僕はただ 見送っていた

たくさんの言い訳を好きなだけ並べたら
消化しきれずに残してしまったんだ

無理やり食べたらきっとお腹を壊すね
だから聞かなかったことにしたんだよ

坂道は続いていく空を目指すように
君を乗せたバスはもう来ないだろう
でもわかってるのに来てしまうバス停

僕と君の間にできた距離を埋める魔法はないかなあ

君の好きなところ 数えたら きりがないけど
君は自分を好きになれないと よく泣いた

今でも何が 二人の間を引き裂いたのかわからない
君とつないでた手を見つめながら
気持ちとは裏腹に青い空を見上げていた

飛行機雲が すぅーっと横切ってゆく
君がいたら こんななんでもない場面も

映画でいう名シーンに変わるのかなあ
なんてことを思いなぎら煙草をもみ消す

君も僕を愛してきた
僕も君を愛してきた
でもいつの間にか
違うものを見ていたよ

終わりにしようね こんな悲しい恋は
どちらからともなく 離した手
遠ざかる背中を僕はただ 見送っていた。

2016/04/19 11:16



[191431] 私のワガママ。
詩人:IKUMI [投票][編集]


あの日最後のワガママが
言えたのなら…
お前はまだ生きていたかな?



関東になんて行きたくない。って
お前に言えていたなら…
お互い今頃結婚して幸せに暮らしていたかな?



想いは変わらないのに…
景色は変わって行く。



里帰りしたら、色んなものが
変わっていたよ。



切ないよね。



ごめんね。
やっぱり…お前じゃなきゃ
幸せになれないよ。



他の人じゃダメなんだよ…



ちゃんと話を聞いてくれて、
私をちゃんと見ていてくれて、
私を泣かしてくれて、
笑わせてくれて、
甘やかしてくれて、
心配してくれて、
幸せにしてくれるお前じゃなきゃ
きっとダメなんだよ。



もうね?
他人に気を遣えなくなって、
他人に優しく出来ないんだよ…



傷付き過ぎたんだよって
友達から言われる位にキツいんだ。



他人の嫌な所ばっかり見付けてしまうの。



お願いだから戻って来てよ。



お前が私じゃなきゃダメなように、
私もお前じゃなきゃダメなんだよ…



まだワガママ言ってもいいなら…



戻って来てよ。お願い…


2016/04/19 02:05



[191428] ロマンスになれ
詩人:どるとる [投票][編集]


空から落ちてきた 雨の一粒を
上手に 手のひらにのせてもてあそぶ

手を離した瞬間に ほどけてゆく温もりが
新しい物語を求めて明日に駆け出してく

スプーン一杯ぶんの退屈を 飽きるまで
堪能したあとに 押し寄せる浅い微睡みを

つまらない ため息で終わらせないで
せめてこの命尽きるまで消えないロマンスになれ

シュガーとソルトふりかけて
スポンジの上に降らせるメレンゲの雨

めまいを起こしそうな まばゆい光
頭の中まで極彩色に埋め尽くされてゆく

スプーン一杯ぶんの退屈を 飽きるまで
堪能したあとに 押し寄せる浅い微睡みを

つまらない ため息で終わらせないで
せめてこの命尽きるまで消えないロマンスになれ

悲しみを覆い隠してしまえ。

2016/04/18 12:38



[191427] 春は街をあとにして
詩人:どるとる [投票][編集]


数センチの間をあけて歩く歩道に
わざと置き忘れられたように
花びらがたくさん落ちている

春がまだ少し夏にはまだ早いよと言うように

その一歩から どこまで行けるだろう
僕らはただ一歩一歩つないでゆく 気の遠くなるような地道な努力 つつましやかな頑張り

春はもうじきこの街をあとにして
桜も来年までもう見られないね

あんなに 寒かったはずの街も もう
薄いシャツ一枚で 歩けるよ

足跡は 続いてゆく僕らが歩いた道に
これは誰の足跡だろう 思いの外、真新しい

宛のない想像は 真っ白な画用紙に
夢を描いて 間違わないように
引いたレールの上をたどってゆく

たまには 無謀にもなるさ 狡さも必要 優しくなんかないよ

これが物語なら ページをめくるたび
あらすじ通りの結末を目指すのに
どうやら僕らの毎日には そんな便利な近道は ないようで
だから途方に暮れてしまう

ポケットにしまったままの夢
なくしたことにして見ないふりしてる

こっそり 取り出して眺めては
涙なんか流したりしてる僕がいる

風はどこに 吹いてゆく 足跡も残さずに
見上げた空に 星がひとつ 願いは届くかな

離れたり 近づいたりする歩幅
強がるふりして 寂しがる
隠した 涙は正直で気づけば
素直になって 君の姿を探してる
名前を呼んだりしたら 来てくれるかな
頼りなくて丸まった背中をさらに丸ませて

春はもうじきこの街をあとにして
桜も来年までもう見られないね

あんなに 寒かったはずの街も もう
薄いシャツ一枚で 歩けるよ

足跡は 続いてゆく僕らが歩いた道に
これは誰の足跡だろう 思いの外、真新しい。

2016/04/18 12:22

[191426] 金木犀
詩人:どるとる [投票][編集]

近づくでもなく 離れるでもない感覚で
歩幅は狭くなったり広がったりする

波紋みたいで 思わず笑ってしまうよ
ただの会話も交わしたそばから物語

金木犀の香るなだらかな坂道は
ゆるやかに 空の果てまで続く

坂道を降りたところの 小さな喫茶店
君は珈琲よりもメロンソーダ 子供みたいだね

饒舌でもなく かといって寡黙でもない
話が上手いわけでもないから退屈もする

でもそんな退屈までちょうどいい間
小説の行間のようなちょっとした息抜き

いつの間にかどちらからともなく差し出した手を つないでる

手と手で結ぶ 少し不恰好な蝶々結び
隙間もないくらいに 互いを思う気持ちで満たされてる

積み重ねてく 日々は積み木みたいだ

ジェンガみたいにさ所々 出っぱって
今にも崩れそうだ だけど絶妙なバランスで うまい具合に立っている

金木犀の香るなだらかな坂道は
ゆるやかに 空の果てまで続く

坂道を降りたところの 小さな喫茶店
君は珈琲よりもメロンソーダ 子供みたいだね。

2016/04/18 10:13



[191425] だから私は詩を書く
詩人:羅憂里 [投票][編集]


自分で書いた文章が一番好き
やっぱり一番落ち着くし
一番共感できる
だから大好きだよ

あの頃から年月経って
私は少しは成長して
いろいろ変化もあったけれど
きっと何か大切なものは変わっていない
ここに帰ってくると
過去に支えられて生きてるんだなって思う

私は私だ
私はいまだ自分で自分のことがよくわからないけれど
私のことは私にしかわからないってことわかってるよ
他人に理解されなくとも
君の詩を読むとわかるんだ

2016/04/18 02:13



[191424] 生ハムチーズワイン
詩人:カィ [投票][編集]



幸せな組み合わせ

君とのセックスとか
好きなアーティストのライブとか

それと同じくらい

ドキドキする

気持ちいい

自分の表現方法は今はこれなんだなって思い知らされる。

僕が僕でいるために

セックス以外の1つになる方法

会場の雰囲気と仲間の表情と呼吸を感じて

相手の思考を先読みする

張り巡らされた伏線が1つになる時

最高にワクワクする

繋いだ手から伝わる思いが

今度は君が頑張る力になればいい

そうやって今まで守られてきたこと

忘れてたわけじゃないけど

あの頃の先輩のように自分が守れてる自信もないんだ

少しでも近づきたくて

あの頃の遠い未来にいる今。

生ハムチーズワイン

今日の胃が痛くなるよーなイベントをこなした自分へのご褒美。

あと少し。

逃げずに向き合え!

2016/04/18 00:37



[191423] 10年
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

天気予報じゃ
午前中までどしゃ降りの雨の筈だった

「向こう側の交差点からここの前を通りが出来上がりますし
小学校迄なら歩いて10分程です…。」

不動産屋の話しを聞かされた
中古マンションの四階の窓辺から見えるのは
数台のパワーショベルが
町並みの所々を虫食のように住宅の取り壊しをすすめている様子だった
すぐにでも道路ができあがりそうな物言いだったのに
もうあれから随分たっていた

朝日の中
雨上がりの水溜まりから
犬が水を舐めているのだが
よく見ると首輪に鎖をひきずっていて
その端にまた首輪があって
ボロボロの犬の頭らしきものが繋がれ
時折、臭いを嗅ぐようにしながら亡骸を舐めたりしていた

亜熱帯地方特有の気候の気紛れさに
気象台は予報なんて宿題に
鉛筆の先が折れるような心持ちで
キーボードのキーを打ち込んでいるのかもしれない

乾き始めた
コンクリートの瓦礫へ向け
あたりに粉塵が振り撒かれないように絶えずホースで水をまく作業員

ズルズルと犬の首を引き摺りながら
あの犬はどこへ行ってしまったのだろう

なにも分からぬまま














10y

2016/04/17 20:22



[191422] 椰子の実
詩人:どるとる [投票][編集]


覚めた夢のあとにもまだ消えない
あなたの面影が 寄り添っているよ

時間から 外れた場所で生きる
あなたの 笑顔を思いながら

色彩の雨は モノクロを塗りつぶしてく
それは波にさらわれた貝殻の模様

どしゃ降りが 窓をはげしくたたく
さよならもどこか優しく頬を流れる

海を渡る 椰子の実ひとつ 宛もなくさまよう

白い砂浜 大きなパラソル 空と海の青。

2016/04/17 14:01
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