ホーム > 詩人の部屋 > 新着順表示

新着順表示  〜 新着順に10件ずつを表示しています 〜


[191421] 波浪警報
詩人:どるとる [投票][編集]


波にさらわれてゆく
ひと欠片の命が たどる足跡を 雨が消してく

さよならも 輝いて
手を振る影が 遠くなって
明日にはまた 側にいる大切な人。

2016/04/17 13:49



[191420] 七色レコード
詩人:どるとる [投票][編集]


街中に音符の雨が 降っている
ドシラソファミレド 人の足音も 話し声も
それは素敵なメロディ

涙が 地面に落ちるまでの間に
僕はそっと君の 涙を手のひらで
こぼさず掬い上げたいのに

物語に そっと雨が降り注いで
レコードの針 落とすように 音が溢れる

悲しいよって 言っているように聞こえたの
少し遅れて差し出す手が 傘を握らせるけど
君は敢えなく涙に濡れてしまう。

2016/04/17 12:59



[191419] 蜘蛛
詩人:どるとる [投票][編集]


糸を紡いでゆく きれいな螺旋になる

六角形の家を 糸だけでつくる

その八本の便利な手足で

虫じゃないよ 六本足の虫じゃないよ

蜘蛛は てらてらの

夜明けに輝く巣の真ん中で

そのたくさんの瞳で何を見てる。

2016/04/17 12:39



[191418] 光の絨毯
詩人:どるとる [投票][編集]


黄金色の風が 闇をさらって
始まる朝の ページを一枚めくった

夜明けの街 いつも通りの時間に日は昇り
いつも通りに 僕は目覚ましに起こされた

テーブルに並んだ珈琲とマフィン
軽く平らげて お腹を膨らませたら

まばゆく輝く光の絨毯を広げよう。

2016/04/17 12:16



[191417] 落書きノート
詩人:清彦 [投票][編集]

心…どうする?

湿気 部屋 ひとりきり

空白 ノートは無駄

思考はぐるぐる

手足はいつも動かない


年金の問題にしても

いつだって、そう、甘やかして

ほったらかしておけば

腐敗 怠慢 妥協 裏切り

人と何かを強く結ぶには

信念が要るってのに

システム テクノロジー

組織、社会、団結力

出来上がった枠の中

飼い殺し、いや、甘えだ

おかげでそれなりの毎日


本来はもっと弱肉強食だった

獲物を狩って喰っていた

いつしか言葉と文字が発明され

知識の継承を積み上げて

安泰の上に文明が建ち

おかげで一見、平和な今日さ



誰が僕の事を見ている?

善も悪も枝分かれしてしまって

小さなコミュニティのはしっこで

今日も誰かが歌ってる


僕は誰を見ていればいい?

完全なる不完全を目の前に

横たわる堕落した部屋の角

今日も意味もない落書きが増える


全てはいつもホラ

空虚だよと仏が嘲笑ってるね


もて余した自由を使いきれない

小さなこの僕に

間違いのない本当の何かを

誰か僕に見せて下さい



2016/04/17 11:42

[191415] サクラ
詩人:カィ [投票][編集]

捕まえようとすると
逃げるくせに

要らないっていうと
ずっとそこにいて

それならそれでいいやって
もう顔も見たくないって
放り投げた

ごめんね

僕が弱かったばっかりに

上手く笑えなかった

桜吹雪の中
歩く君が

キレイすぎて

目が離せなかったのは本当だよ

捕まえようとしたら
すり抜けてゆく桜の花びら
君と重なって

上手く笑えなかった

春が来たね
君の好きだった春

サクラ

今年も満開だって。

2016/04/16 21:33



[191414] 父の拳
詩人:どるとる [投票][編集]


同じ屋根の下で 同じ釜の飯を食べて

同じ時間を過ごし同じようなことで悩んで迷って

でもすれ違うよ もしかしたら他人よりも
憎んでしまうかもしれない
裏切ってしまうかもしれない

でも 肝心なときはいつでも
ひとつになって どうしたら
うまくいくのか 真剣に考える

手をつないだら離さないよ
生まれたときから僕らは
どうしようもなく家族だ

泣いて笑ってたまには怒って
喧嘩してもまた何度でも
仲直りして明日にはけろっとしてる

巡りあったことは偶然なのかな
それとも運命なのだろうか
そんなことを考えながら
血でひとくくりにつながった輪の中にいるよ

夕暮れに沈んだ 街は項垂れて
元気なく 影を落としている

素直になれず傷つけた 昨日を反芻する

言い過ぎたかなあなんてあとで思い病むのが
いつも 変えようと思っても変わらないことだ

一緒に洗濯しないでという娘
会話もない息子 愛想のない妻
理想と現実の差

小さかった頃はあんなに
かわいかったはずの子供たちが
いつの間にか大人になって
生意気な口を利くたびに

すぐに手を出すようになって
叩いた 拳を見つめながら
泣きながら どうしてこうなってしまったのか

殴られたほうももちろん痛い
でも殴ったほうも痛いんだぞって
お決まりの台詞言いながら 素っ気なくごめんって 言ったよ

言葉を探していた 頭の中に 散らかったたくさんのそれらしい台詞を

これでもないあれでもないって 模索しながら 諦めそうになりながらも

父である自分を 思い出して 伝わらずとも 言葉を 語り聞かせてく心を込めて

その拳には 厳しさと優しさが 握られている。

2016/04/16 21:22



[191413] 大丈夫
詩人:どるとる [投票][編集]


悲しいときは必ず誰かがそばにいてくれるほど
みんな暇じゃないしそれを求められもしない

円周率から 体にあるほくろの数まで 覚えてるのに

記憶をさらってみても 満足に人を愛した試しはない

大丈夫、大丈夫って言い聞かせた
あの 夜は どこまでも朝を遠ざけたの。

2016/04/16 19:50



[191412] 花火
詩人:どるとる [投票][編集]


浴衣を着付けてもらったの そう言う君に
付き合わされて 祭りに 行った数年前の夏の夜
あまり人混みが 好きじゃないけれど
君の言葉にはなぜか 断れずに了承した

ほら見たことか 思った通り 人でごった返していた

神社の長い階段下の 夜店で 綿菓子を 頬張り笑う君に むくれてた

これ見よがしな 僕の 態度に 少しも苛立つこともなく
隣にいて笑ってくれる

多分僕は君のそんなとこに惹かれたんだろうなあ
そんなこと考えながら 歩いてる

呼び掛けた僕の声に振り返る君の背中に
最後の花火が 打ち上がるよ
夏の終わりを そっと 飾るように

三日に渡って 続いてる夏祭りの最終日
今日も 行こうって誘われて 出掛けた

君のうなじにあたりに 夏を見た
ただでさえ 暑いのに夏はさらに暑く半袖になってもまだ暑い

僕の半袖姿に あなたも浴衣着てくれば
よかったのになんて今度は君がむくれた

ほほに作った小さなかわいい 膨らみを指で押してつぶした

ただ一緒にいるだけで 楽しいのに
それ以上何もしてあげられない
自分があまりにちっぽけだ

でも 君はこんな僕さえ笑って
受け入れてくれるから それがまた申し訳ない

たくさんの人の中ではぐれそうな手を
必死になってつないで 君と歩いたね
ガヤガヤとした雰囲気の中 僕は君に気持ちを 打ち明けた

聞こえたかなあ 聞こえなかったかなあ
返事はすぐに わかったよ

少し離れたところから君は僕に
駆け寄って 少し泣きながら
僕を抱きしめた いまだ忘れられない
温もりと香りが瞬時にはじけた

これ見よがしな 僕の 態度に 少しも苛立つこともなく
隣にいて笑ってくれる

多分僕は君のそんなとこに惹かれたんだろうなあ
そんなこと考えながら 歩いてる

呼び掛けた僕の声に振り返る君の背中に最後の花火が 打ち上がるよ
夏の思い出を締めくくるように。

2016/04/16 19:13



[191411] 坂道のある街
詩人:どるとる [投票][編集]


明日の僕はどんな1日を過ごしてるだろう

通り過ぎてく窓から眺める景色に重ねてみる

ぼんやりと たたずむような 街並みが
悲しいときと嬉しいときで見え方が
変わるのは 気のせいだろうか

笑いながら 泣きながら たまには
落ち込んだりするのも それもまた
どうしようもなく生きているから

そうしてまた 一枚カレンダーは めくられて
暦の上に 春が降り積もる 花びらが舞う街に
坂の向こうで夏が 頭をのぞかせてる

緩やかに陽射しが 道に 降り注いでる

風景画のような景色が すぐそこにある

まっすぐに平坦な つまらない道は
歩いてても 何も教えてはくれない
涙を知らなければ わからないこともある

電車の窓から 見える 家々に灯る明かり
そのひとつひとつにある 異なる営み
今日もまた交わされるただいま おかえり


そうして また今日も 街に夜の帳が降りてきて
暮らしの 片隅に そっと幸せが 見えたら
躊躇わず言おう「なんて幸せなんだろう」

上ったり下ったりするだけの日々だ

繰り返される 毎日が なぜここにあるのか
そんなことは 誰も知らないし 教えてもくれないが
ただひとつ わかってることは
僕には守るべき人がいて 愛すべきものがある 今があるということだけ
いわばそれが僕の生き甲斐だよ

笑いながら 泣きながら たまには
落ち込んだりするのも それもまた
どうしようもなく生きているから

そうしてまた 一枚カレンダーは めくられて
暦の上に 春が降り積もる 花びらが舞う街に
坂の向こうで夏が 頭をのぞかせてる

そして長い夜は明けて坂の向こうから また
太陽がゆっくりと坂を上るように朝を連れてくる。

2016/04/16 18:40
5197件中 (3941-3950) [ << 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 >> ... 520
- 詩人の部屋 -