| 詩人:IKUMI | [投票][編集] |
何度他の人と付き合っても
私にはお前しかいないんだよ。
もう、他の人とはきっと
付き合えないのかもね…
トラウマが私を襲うの。
また裏切られたら怖い。
傷がまだ痛いの。
だったらもう一人でいいやって
思ってしまうの。
昔のように相手の嫌な所も
愛せない。
ねぇ。
置いて逝かれた私はどうしたらいい?
お前しかいないのに…
| 詩人:高級スプーン似 | [投票][編集] |
学校帰り
自転車に乗って
病院へ行くのが日課だった
同じ高校への合格が決まった直後
体調を崩して
入院したきみに会うために
賢治も詩を書くことも好きなんだ
だから一緒に書こうよ
なんて
いきなり誘われても困る
教科書でしか読んだことないし
書けないって言ってるのに
「時間よとまれ! やっぱとまるな!」
国語のノートにそれだけ書いて
続きを書いてと手渡されても
屈託なく笑うきみは
病人には見えなかったし
それは
ぼくのノートだし
仕方なく続きを考えた
一行書いてきみに渡し
一行書いてぼくに戻っての繰り返し
春には定番
桜の下で出会う
新しき日々の詩を書いた
教室にきみはいなかったけど
病室でぼくらは
沢山の出会いと別れを書いた
夏には海
それから花火に
バーベキューの詩も
病室のテレビで観た
高校球児たちの熱い闘いを
描いたこともあったっけ
二人で交互に一行ずつ
鉄道のレールのように書き連ねる
病室から
銀河の果てまでも
どこまでだって
行ける気がした
秋には紅葉
落ち葉を燃やして作る
焼き芋の詩も書いた
窓から見える
あの木の葉っぱが
全て散ったら
わたしの命も・・・
笑えない冗談だったけど
つられて
笑ってしまったな
お芋を食べてぷっぷぷ〜
そんなふざけた一行を書き
雨にも風にも負けない笑顔
そのあと
体調が急激に悪化して
本当に命を落とすなんて
思えなかったから
冬には詩を書かなくなった
結局
どこにも行けなかったんだ
あの日の病室
ふたりでいた時間は
記憶の中でだけ停まったまま
先には進まないでいる
「時間よとまれ! やっぱとまるな!」
初めて完成させた二人の詩
どんな続きを書いたのか
思い出せないのはどうして
あれから十年
銀河の果てから折り返し
再び巡り逢えはしないか
時々立ち止まっては考える
「時間よもどれ! もしくはすすめ!」
込み上げる想い
病室での日々を思い出して
もう一度
ノートを開いて書き出した
いま一度
前に進むため
伝記にもならない
短い生涯を終えた詩人に向けて
今度は
ぼくが手渡す番だ
10y
| 詩人:どるとる | [投票][編集] |
目を開くと そこに大切な人見つけたよ
雛鳥のように 最初に見たあなたを
涙ながらに 喜んで
産声上げたあの日
空は 高くて青かった
何百のありがとうも
何万の愛してるも
あなたのぬくもりひとつでもう
霞んでしまう僕の言葉
だから何も言わないの
ぬくもりはぬくもりで返すんだ
夕暮れの街は 帰る人を見送って
窓に映る幸せを ほほえましく見つめてる
言葉をなくして立ち止まり
悲しみに うちひしがれるとき
君の声が 明かりになる
夜空に輝く星よりも
指に光るダイヤよりも
あなたの 笑顔ひとつでもう
埋もれてしまう その輝き
大切なことは 言葉にはしないで
ぬくもりに隠して 伝えるよ
目を閉じて もう一度開いたときには
もうたぶんあなたはいないだろう
きっとあと 少し避けられない別れ
この手を放すその時は
わかりきった ありがとうが
こぼれるように あふれるのに
それ以上僕は何も言えないんだ
何百のありがとうも
何万の愛してるも
あなたのぬくもりひとつでもう
霞んでしまう僕の言葉
だから何も言わないの
ぬくもりはぬくもりで返すんだ。
| 詩人:どるとる | [投票][編集] |
思えばたくさん僕も愛されてきた
人を愛したことより愛されたことが
あざやかにこの心をざわめかせる
風になって 胸の片隅吹いている
優しさもぬくもりももらってばかりだ
気づけば返せないほど積み重なった
感謝が僕の中に溢れている
それはただありがとうって言葉に
やっぱりなってしまうけれど
いつか それ以上の言葉にできたなら
その時は 迷わず届けるよ
愛をくれた お返しに
ありがとうって言葉を聞くのも久しい
恩を着せてみても似合わないから
見返りをあてにするならやめておきな
感謝はさせるものではないのだから
もらったぶん全部返したいのに
それでは足りない 気がするよ
もらったもの以上の何かをもらった
ありがとうって言葉にありがとうって返すとき
ありがとうはありがとうより素敵な言葉になる
忘れられない言葉になる
無償の愛なんて 言葉がある
償いも見返りもいらないから
愛させてくれと 願うその心は
愛することが まるで見返りのように
償いのように 我が子に注ぐ眼差し
陽射しのようにやわらかな 手ざわり
それはただありがとうって言葉に
やっぱりなってしまうけれど
いつか それ以上の言葉にできたなら
その時は 迷わず届けるよ
愛をくれた お返しに。
| 詩人:どるとる | [投票][編集] |
つないだ手から 伝わるぬくもりが
心と心を結わえてひとつにする
人との出会いは一期一会
悪かったと思う出会いもある
手のひらをかざして太陽を受け止めた
自転車は 風に押されて走る 春より先へ
真夏の 青い空に描いた 蝶々
君の小指にとまって羽を休める
歩き出したそばから物語になる
木々の隙間から差し込む陽射し
ゆらゆらと。
| 詩人:どるとる | [投票][編集] |
前略、どんなふうに書こうかな
冒頭から つまずいてる
愛してるとか ありがとうとか
単純過ぎて つまらないよな
言葉にするのは 案外難しいものだ
気持ちが 心に追い着けず 空回り
思うことを言葉にするってただそれだけのことなのに
溢れそうな思いは 一文字にもならず
まっさらな手紙の上に涙が ぽたり落ちただけ。
| 詩人:どるとる | [投票][編集] |
あみだくじみたいな混みあう路線図を
指先で たどりながら目的地を確かめる
窓の外を過ぎてゆく景色がいつの間にか
暗くなって 夜になってしまった
蛍みたいに飛び交う 街明かりが
人懐っこく 窓に浮かんで 消えてく
気のせいか誰かの涙みたいに見えたんだ
なぜか空を飛んでいるような
少しの浮遊感 眠れない東京の夜
明日もまた仕事 準備に抜かりはない
誰かの書いた筋書き通りのシナリオで
物語が続くのなら癪だ だけど打つ手なし
24時間 ずっと 働きづめのアリのように
働くだけの 機械ではいたくない
環状線 外回り なめるように 流す
つり革さえ 重たい終電トライアングル
笑いかたさえ 忘れてしまいそうになる
月が頭の上に輝いている
改札を出てまだ風に春が残る 東京の夜
麦酒でも買って帰りますか
片手間で 続けてるような仕事
ロマンスは 欠片さえ見当たらない
宛もなく ふらふら酔いも回って
麦酒一杯で 幸せになる 単純なもんです
蛍みたいに飛び交う 街明かりが
人懐っこく 窓に浮かんで 消えてく
気のせいか誰かの涙みたいに見えたんだ
なぜか空を飛んでいるような
少しの浮遊感 眠れない東京の夜
明日もまた仕事 準備に抜かりはない。
| 詩人:どるとる | [投票][編集] |
季節は いつなのかもわからない
寒いのかな 暖かいのかな
それさえもどうでもいいみたいに
流れてく時間を そのままにした
手放しで 漕いでく自転車が坂道を降りてゆく
変わらないスピードなのに
君だけ いつまでもそこで立ち止まったまま
熱い珈琲と 格闘してるうちに
猫舌の僕は ついに珈琲を飲むのをやめた
くだらないことも 笑ってしまうよ大袈裟なくらい
君との時間は例外なく楽しかったんだ
なのになあ いつの間にか時計は
僕だけの時間を 刻み始めたの
休みもなく 忙しくしていれば
余計なことを考えずにすむんだ
ごまかしてしまえばいい
悲しみなんて ないふりをすればいい
夜が来て 切なさに沈んでる
ふいに 夢を見た 君は笑ってた
そんなところで寝てたら風邪ひくよって僕の心配ばかり している
いなくなってまで心配かけてる
熱い珈琲と 格闘してるうちに
猫舌の僕は 珈琲を飲むのをやめた
くだらないことも 笑ってしまうよ大袈裟なくらい
君との時間は例外なく楽しかったんだ
なのになあ いつの間にか時計は
僕だけの時間を 刻み始めたの
二人のものだった時間は いつの間にか
僕だけのために 動き始めたの
君の時間は あの日からずっと止まったまま
同じだったはずなのに 僕は君より 年老いてしまったよ。
| 詩人:どるとる | [投票][編集] |
いつも 愛する前に君に愛されてしまう
僕の思ってることわかっているように
君は僕より先に僕の気持ちの前を歩いてる
見返りなんて 求めない君だけど
もらってばかりいられないから
気づけばいつも君の胸の中で泣いてる
今日あったこと誰かに聞いてほしいんだ
何も言ってくれなくていい
慰めなんていらないよ
ただ君の ぬくもりに包まれながらしばらく雨宿り
素直になれないのは昔からなんだ
ごめんなさいって何度繰り返したかな
呆れてしまう素振りも見せずに 駄目なところまで
愛してくれる 君が輝いて見えたのは
気のせいなんかじゃないだろう
夕暮れの街 切なさが波紋のように広がって
帰り道を歩く僕から家を遠ざけてく
さよならの日は遠くはない
でもあんなに 早かったなんて
大切な部品をなくしたように 動かない心
止まったままの時間
あの坂道で 笑ったり泣いたりしたことや
写真を撮って 下手くそだって 言ったこと
思い出してしまうよ
瞳はまるで幻灯機
あるはずもない イメージでさえも
残してしまうよ 心の中にある記憶をしまう回路に
気づけばいつも君の胸の中で泣いてる
今日あったこと誰かに聞いてほしいんだ
何も言ってくれなくていい
慰めなんていらないよ
ただ君の ぬくもりに包まれながらしばらく雨宿り。
| 詩人:どるとる | [投票][編集] |
たったひとつの出会いから
色とりどりの物語が歩き出す
口笛ひとつ 夕暮れの空に 吹いて
振り返る背中に あの優しい笑顔
いつでもそばにいてくれるのに
素直になれないなんてもったいない
ありがとうかな 愛してるかな
僕の今のこの気持ちはなんだろう
ひとつひとつ 増えてゆくよ
あなたにとって大切なものが
僕にとって 大切なものはきっと
あなたが大切に思うものと同じだ
それがうれしくて何度でも何度でも
照れ笑いしながら 幸せをかみしめている
猫は 畳の上で 夢を見ている
どんな夢を見ているのかな
スクリーンみたいに映る思い出の
場面が 映画のように観れたなら
忘れたなんてことないのに
形あるものだけが残る訳じゃない
僕の人生が終わりを迎え瞼閉じる
その時にはきっと言葉にするよ
いつの間にか 大切なものができた
胸のなかには思い出がいっぱいさ
君がくれたんだよ 気づいてるかい?
黄昏時の街が優しく受け止める
溢れ出しそうな思いを 抱きしめてくれる
明日は今日より君に優しくしよう
水面に 木の葉一枚浮かべて
沈むまで眺めてるような
毎日の中で 静かに流れてゆく
時間(とき)を遠く見送る
変わらない色の気持ちは
心ごと夕暮れの街に 帰ってゆく
ひとつひとつ 増えてゆくよ
あなたにとって大切なものが
僕にとって 大切なものはきっと
あなたが大切に思うものと同じだ
それがうれしくて何度でも何度でも
照れ笑いしながら 幸せをかみしめている。