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[191375] ライオン
詩人:♪羽音♪ [投票][編集]


行きたい場所がある


急な坂を上り
いかがわしいお店を
通り抜けた先にある
異国の空間

薄暗い曇りガラスから
光と音楽が零れる

ドキドキしながら
ドアノブに手を掛けると
懐かしい音たちが
雪崩れ込んだ


二階に上がって
お気に入りの席に座る
横に目を向けると
そこにはキラキラ光るシャンデリア
正面には巨大アンプ


レコードが回るように
珈琲を銀スプーンで
クルクル

一瞬時がとまって
目をつぶり音と味を
味わう


ふと気がづけば
外は暗くなっていた


そこには冷えた珈琲と
隣の人の残った煙草の煙が立ち上る

空には異国の月が
のぼっていた

2016/04/12 18:18



[191374] アサシン
詩人:♪羽音♪ [投票][編集]


一人のアサシンと出会った

心の暗殺者

私はそんな彼の傍に
ずっと居て
ずっと見てきたから
貴方の手口が
手に取るように分かるの

なぜだと思う?
ほんとうは私も
同じだから…

でもね無駄な殺し合いは嫌い

互いに化かし合いつつ
心を蝕んでいくなんて

同じアサシンで
同等の力関係なのにね
きっと向かうところが同じだったならば
協力しあえたでしょう

尊敬する者同士
愛する者同士ね


同じ空間を愛する者
似たもの同士ならば
互いの手は熟知していた筈よ


自分の能力を過信すれば
必ず足元を掬われる日が来る


暗殺者は暗殺者を
殺せない
心に巣くおうなんて
考えないことだ


彼は孤独に怯えた
私は孤独を愛した

憎しみも苦しみも
強さになった


土砂降りの雨の中
傘も差さずに空を見上げる

人はみな無関心
雑踏のなか誰も彼もが
通り過ぎていく


そんな中で女は
雨のシャワーで
悲しみの全てと心を
洗い流した


2016/04/12 16:29



[191372] はじまりのうた
詩人:どるとる [投票][編集]


土星の輪に引っかけた数行のレクイエム
常に心は字余り 輪投げは得意なのになあ

なぜなぜ坊やになってしまうよ
それぞれの朝に光を届ける

夜と朝のギリギリの境目 その瞬間の
曖昧なラインに 僕は立っていたい

飛んだり跳ねたり繰り返してきたよ
今の今まで わかりきった答え合わせだ

それでも 時間通りに散歩に出る猫の
瞳に映るまっさらな空を眺めていたいよ

何度でも 振り出しに戻っては
またそこから せっせと歩き出す

すべての終わりがすべてのはじまり
今から生まれ変わるよ昨日より少しだけ新しい世界に。

2016/04/12 15:12



[191371] ブルー
詩人:どるとる [投票][編集]


ベランダから見える空が虹を描いて

目覚めたばかりの僕に素敵な朝をくれる

雨上がりの街 人いきれの中を走る
白い息を まとわせて

たとえばシャツの裾に にじんだ青を

悲しみと呼ぶにはまだおおげさだ

でも、それだけで人は命を絶つ理由にしてしまうんだよ

よそ行きの服で つきなれない嘘などを

唇がふるえた調子で話すのを見てた

昨日の僕とにらめっこ
掌の上に空をのせる

たったひとつの矛盾に気付いたら最後

もうただでは信じることは出来ない

それでも愛されていたいと願う僕は孤独を嫌うんだ

言葉にならない気持ちに 蝕まれてゆく

あんなにきれいだったはずの心も黒ずむ

たとえばシャツの裾に にじんだ青を

悲しみと呼ぶにはまだおおげさだ

でも、それだけで人は命を絶つ理由にしてしまうんだよ。

2016/04/12 12:48



[191370] スピカノート
詩人:どるとる [投票][編集]


神様の指先が指し示す真実は
答えというには些か合理的です
よって却下

譜面にきれいに並んだ 音符を
たどって 鳴らすメロディ

遠い昔に 消えた星の光を
遅れて見てる
その解釈は何万通りからなるだろう?

ノートに書き付けた決意表明は
言いたいことだけを叫んで黙った

真っ白な大地に落ちた星のひとつを
適当につかんで それがすべてだと
言いたげな 僕らは

埋まらない隙間を 何かで塞いでいたいだけ

空き地の裏手に作った秘密基地
お菓子を持ち寄り 元よりお遊び
外装段ボール

知らず知らずに 刻んでいた足跡を
物語のように 華々しく飾ってた

ここに咲いていた 花は泣き虫で
でも笑った顔が とても愛らしいんだ

一週間という短い蝉の一生に
似ている君の命は きれいな花火になった

思い出ばかりが散らかるな
写真の中では 幸せそうに笑う君も
今では幻と同じだ

今も 変わらずあの場所に 咲いているのに

ひとつひとつ 丁寧にアスファルトに
染み渡ってゆく雨音を聴きながら

片付かないままの 楽しすぎる日々を
引き出しから 出し入れを繰り返す

ああ 僕も君と同じになれたなら
こんなに 明日を拒んだりしないかな

ノートに書き付けた決意表明は
言いたいことだけを叫んで黙った

真っ白な大地に落ちた星のひとつを
適当につかんで それがすべてだと
言いたげな 僕らは

埋まらない隙間を 何かで塞いでいたいだけ

面影だけでも 頼りない僕のそばにいてほしい
そう強がるだけの弱いままの僕だ。

2016/04/12 12:34

[191369] サアチライト
詩人:どるとる [投票][編集]

睡眠薬と一緒にのみこむ真実
探偵、押し黙り ただの石像に成り果てる

目の前に朝が転がった 被告人は
闇ばかりを見つめている

あらゆる概念を一同に集めた座談会は
ただいまを持ちまして閉幕と相成る

標的なんかない サアチライトは
ただ 撃ち抜くために放たれる

壊れそうな思い 引きずって
夜は明ける 上出来な嘘

引き連れて行こう 何処までも。

2016/04/12 12:23



[191368] バースデー
詩人:チューリップの花束 [投票][編集]

毎日は進んでく
君は淡々としているけどさ
1日1日を重ねて
新しい君に出会うまであと1月になった
今度はどんな君に会えるのかな
すごく楽しみで僕はわくわくどきどき
でも君は平常心で
やるべきことをやっているだけなのだろう
普通の人には決して出来ないようなことを
君なら魔法のように出来るから
そんな特別な日の君に会いに行くよ
生まれ変わった新しい君に

2016/04/12 10:17



[191366] 
詩人:ユズル [投票][編集]


迷いながら 間違いながら
歩いていく
その姿が正しいって ラジオから聴こえる
素敵なメロディ 瞳を閉じて

けれどわたしは きっと正しくない
間違うのが 怖くて
間違わないために いつも迷っている

間違わないように
間違った姿を 人に見られないように
恥ずかしいところを 晒さないように
一歩いっぽが 怖くてこわくて
歩かないことを 選択するんだ

プライドがじゃまをして
私の足を絡め取る
迷いながら 間違いながら
歩いていける強さを
夢見てる

2016/04/11 23:36



[191365] デイドリームビリーバー
詩人:どるとる [投票][編集]


時計は動いてゆく 世界の終わりまで

僕は 時限爆弾抱えて
タイムリミットまで長い長い蛇の生殺しみたいに待ちぼうけをくらわされている

何もなかった世界にとある命が
生まれて賢い誰かが掟を紙に記した

邪魔くさいんだよ線に囲まれて
満足に人も殺められない世界だ

叫びたいのは大義名分よりも
己の存在だと歌いたい ただそれだけ

沸点をとうに通り過ぎて蒸気を上げてる
ヤカンは 机の上で発情期を迎える
引き出しの奥の青写真 殺したはずのデイドリームビリーバー

死体に蛆がわく ブンブンと蝿が飛び
いつまでもその羽音が消えない

狂いそうな でも正常な憎しみはやがてこの身を完膚なきまでに滅ぼすから

今のうちに きれいな夢を見るんだよ
いつかその希望が崩れ去るまで

ひとつ ふたつ杭を打つ 雨が
地面をえぐるように
ゆがみのないこの世界に 亀裂を生む

邪魔くさいんだよ線に囲まれて
満足に人も殺められない世界だ

叫びたいのは大義名分よりも
己の存在だと歌いたい ただそれだけ。

2016/04/11 18:31



[191364] 微睡んでいる季節
詩人:たかし ふゆ [投票][編集]

ボールプールの中で漂うように

微睡んでいる

溺れていないはずなのに

妙に苦しい

まるでエラの無い魚のように




線はぐるぐると円を描いて

結局何処かに外れて

やがて欠落している


春先のフロリダ

フリーメイソン

フリとクリと

フルーツグラノーラ


僕らは言葉の支払いで、いつも何かが足りない




10年前の僕は

今の僕より優しく

今の僕はきっと

10年前の僕より少しも優しくない



それでも紡ぐのだ

僕らはいつも手探りのまま

不確かな円を描き続ける

不確かな道標を探し続ける

まだ見ぬ世界と

いつの日か出会う

寄り添うべき誰かの為に



【10y】

2016/04/11 14:41
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