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[191327] 
詩人:どるとる [投票][編集]


歩道橋から 見た夕日が今 沈むのを
どんな気持ちで 僕は見送るんだろう

隣で笑うばかりの僕の 不器用な手で
どこまで愛せるかな 世界中で今、僕が一番愛するこの人を

笑わせてあげるよ 悲しいときでも
ただいまも言えないくらい疲れた日も

穏やかに受け入れて流れてく 時を
君と一緒に生きられたならそれだけで

幸せはこの手に舞い降りてくる
だから今日も 愛してるなんて言わないよ

なんだか これ見よがしだから
言葉はなくても つながっていたい

まな板の上で 野菜が踊るように
切られる度に 跳ねて着地する

今夜の夕飯を聞く僕に 出来上がるまで内緒と笑う君
多分幸せとは こんな時間のことを言うのだろう

出来ないことは 出来ないと言って
出来ることだけやればそれでいい

不器用ならば その不器用さごと
愛せるようなそんな人になればいい

幸せなんていつの間にかなっているもの
形だけの愛なんて いらないよ

目には見えなくても大切な宝物
積み重ねて やがて思い出になる

優しさだけじゃ 多分 うまくはいかないからたまには
喧嘩や言い合いもしてそれくらいがちょうどいいよ
仲直りのあとのキスもまた 格別さ

笑わせてあげるよ 悲しいときでも
ただいまも言えないくらい疲れた日も

穏やかに受け入れて流れてく 時を
君と一緒に生きられたならそれだけで

幸せはこの手に舞い降りてくる
だから今日も 愛してるなんて言わないよ

なんだか これ見よがしだから
言葉はなくても つながっていたい

赤い糸に似た 運命付けられた 絆で。

2016/04/08 16:46



[191325] 八月のロケット
詩人:どるとる [投票][編集]


終わりのない レールをなぞってく指先
夜の闇を撫でていくのは光と風
発射台から ロケットが打ち上げられる
カウントダウンを待たずに旅立つ心

メルトダウン起こしそうな
熱くたぎる 心のままに 恋をした

僕は君がどうやら好きなようで
とどのつまりは 一度くらいの
デートの誘いをお受けできますか

回りくどくて遠回りで 要領を得ない
僕の下手くそな 言葉は 君にどんなふうに伝わってるのかな

ふいに 笑った君
青い空に 目線を逃がした僕の気持ちをさらってく

天を突き上げるように火を吐いて飛んだ
スペースシャトル 広い意味ではロケット
宇宙飛行士は言ったよ 「地球を直にこの目で見たいんだ」

天気図に渦巻く 台風 威嚇するように
都内へ向かって その勢力を拡大

僕は君の目にどんなふうに映ってるの?

聞きたいけれど こわいんだよ
でも 聞きたいんだよ

アスファルト突き刺さってく陽射しの雨
30度を越える猛暑の中で視界がぼやけてく
景色が二重に見える

雷雨の中を屋根を探して逃げながら 走る
手をつないでる 君のほほが火照ってる

二人は今、宇宙飛行士だ 二人だけの世界を遊泳してる

行きつ戻りつを繰り返すエンドレスループ
そして本題はまたそれていつの間にやら振り出しから

僕は君がどうやら好きなようで
とどのつまりは 一度くらいの
デートの誘いをお受けできますか

回りくどくて遠回りで 要領を得ない
僕の下手くそな 言葉は 君にどんなふうに伝わってるのかな

ふいに 笑った君
青い空に 目線を逃がした僕の気持ちをさらってく

天を突き上げるように火を吐いて飛んだ
スペースシャトル 広い意味ではロケット
宇宙飛行士は言ったよ 「地球を直にこの目で見たいんだ」

ふいに生まれた気持ちに名前をつけた 八月のロケット。

2016/04/08 14:28



[191324] 早春譜
詩人:どるとる [投票][編集]


風に散る花びらを見た午後に
なぜか僕の心から 大切なものが
風にさらわれた気がした

春の終わりは 桜色の絨毯
道に敷き詰められて

空を あおいだ眼差しが飛行機雲を
ゆっくりと なぞるように 見届けて

いつの間にか 引き出しの中にしまわれた
思い出の顔をした 小さな恋の押し花

絵手紙をポストに 出した朝
遠い街に住む君に届くかな
そちらはおかわりございませんか?

望遠鏡越し 覗きこんだ
丸い 地球の外側

少しだけ恋の幸せと悲しさを知った唇は
赤く染まって もう僕の知ってる君じゃない

この街を出てゆくときは 重ねた思い出を 惜しまぬよう置いて行こう

旅立ちと別れの季節に吹く風は
誰かを遠く 見送っている

そしてまた ひとつなにかが始まって
静かに終わる いくつもの命を 弔う

空を あおいだ眼差しが飛行機雲を
ゆっくりと なぞるように 見届けて

いつの間にか 引き出しの中にしまわれた
思い出の顔をした 小さな恋の押し花。

2016/04/08 12:40



[191323] 夢見人たちの秘密基地
詩人:どるとる [投票][編集]


僕らの七日間戦争を読んでいた頃に
世界のすべてはラジコンみたいに
手のひらで自由に動かせたよ

特撮怪獣映画のパンフレット
学研の地球儀
お菓子のおまけ
数ある宝物 今ではどこにあるのかもわからない

あの日探してた 明日なんて来ないくらい 長い長い夏休み
追いかけたよ流れ雲のあとを
カゴいっぱいのかぶと虫
逃げ込んだ日陰の中で
広げた 僕らの未来の設計図
間違いなどなかったのに
いつの間にかそれよりも大切なものを 見つけてしまったよ

長い神社の急な十何段ある階段を
軽々上れた日に 雷と雨から逃げ出して
雨宿りした 蝉時雨聞きながら

絵日記に描いた 下手くそな絵
海と地面の境目の曖昧なラインを
気にさせずにいたのは フラッシュバックする思い出

田んぼばかりが続く畦道を 駆けずり回って
自転車転がして どこにでも行った
急な雨に濡れる ことも気にも止めず
笑い倒した 夜の庭で
みんなでやった花火
線香花火が落ちて闇がまた広がる
その時いつもそばにあった夏が少しだけ僕から遠ざかった

瞼の裏の真っ白な スクリーンに
あの日を映し出してみよう
おぼろ気でモノクロな記憶に
あざやかな色を 取り戻してくれるのは
この街の変わらない風の匂い

あの日探してた 僕らは長い長い 夏休み
追いかけたよ流れ雲のあとを
カゴいっぱいのかぶと虫
逃げ込んだ日陰の中で
広げた 僕らの未来の設計図
間違いなどなかったのに
いつの間にかそれよりも大切なものを 見つけてしまったよ

大人になった とたんに見えなくなったものができたよ

思い出の中に心ひとつ忘れ物をしてきてしまったよ。

2016/04/08 12:27



[191322] 
詩人:どるとる [投票][編集]


票を入れないことを誰かは忙しさを理由にする
誰かはコンタクトをとらなければ挨拶さえしない

しこりのような癌がひとつ
この部屋の空気を澱ませる

ネットという名の暗い社会の縮図のように
無垢なる心を歪ませる。

2016/04/08 10:07

[191321] たばこ屋の角をサビ抜きで(余り)
詩人:高級スプーン似 [投票][編集]

ここ十と余年の記憶
何かの拍子に
消し飛んでしまっても
今の私は変わらない
きっと
支障を来さない程度の
些細な事象でしかない
現実から離れたくなった時
逃げ込む場所が変わるだけ

非常口の先を行けば
辿り着く部屋
空白広がる空間に
思いの丈を打鍵する
喜怒哀楽が爆発したり
ひたすら空虚を羅列したり
あなたとどなたの言の葉の
隙間の彼方に列挙する
枚挙に暇がないわたしの
産み落としたそれら
果てのない創作の場に
顔も知らない人たちが集った

ハハハッ
もう十年以上も経つのか
乾いた笑いしか出ない
いや無表情に
文字を打ち込んでいるだけだ
何が起こって
何が起こらなかったのか
未だに
どんな顔をしていいのか
わからない
これ以上は記さずに墓場まで

結局
アイツは何重人格だったのかとか
哲学者は次いつ現れるんだとか
解決しない問題もそっちのけ
どれだけ感傷的になろうが
現実には干渉してこない不可思議
あなたともどなたとも
決して浅い関係ではなかった筈なのに
けれども深くは交わらずに
深夜
暗い部屋でひとりぼっち
残りの寿命を貪るように作り上げてきた

ここ十と余年の記憶
何かの拍子に
消し飛んでしまっても
今の私は変わらない
あなたとのどなたとの
思い出も一匙程度のもの
たばこ屋の角を
すっと曲がるように
今わたしが聴いている曲の
サビを過ぎれば忘れてしまう
その程度

普通で終わり
何も特別なことなど
始まらなかった日常
気が狂う前に
今も足を運ぶ場所
ふと思い返せば

何かが変わるほどではない
けれど
消し飛ぶまでは片隅に残る
そんな十と余年の記憶




10y

2016/04/08 09:35



[191319] みにくいアヒルの子
詩人:♪羽音♪ [投票][編集]


子供の頃は
良い子で居ようと
思ってた

それで皆が
笑ってられるならって
でも大人になって
そのことの無意味さを
思い知ったよ

今はもう
良い子で居たくない

かといって
根っからの悪人にも
なれない

偽善の白鳥の群れも
悪魔の黒鳥の群れにも
いつか帰れる居場所はないから

あたし…
みにくいアヒルの子が良いな

良い子過ぎもしないけど
悪い子にも成りきれない

偽善の白鳥からは
哀れな目を向けられ
悪魔の黒鳥からは
バカにされ

それでも懸命に
純朴に生きる

みにくいアヒルの子に
なりたい


スワンになんて
なりたくない

みにくいアヒルの子は
みにくいアヒルの子で
いいんだ

2016/04/07 23:49



[191317] 仮者協奏
詩人:あいる [投票][編集]

位置につかずに
よーいどん

言葉はどうせ
借り物だから
汚さず還しましょうなんて

勿体ないたらありゃしない
来て見て触ってから幾年
3D4Dなんて序の口

想いなら
次元をくぐるって信じてる

言葉を知れば識るほど
どう読まれたくてどう読みたいの
どう読まれたってどうでもいいの

答えのない日々が
すでにもう応えのような気がして


身体は
どうせ仮ものだから
汚さず還しましょなんて
仕様がないたらありゃしない

身体が器
心が中身
言葉は羽

ここまでおいで。
高鳴るほーへ。

最後にやっと気づくんだ
返却するのも自分の物語


ゴールテープくぐって彼方へ
言葉だけは延滞させて


時間の長さはどうでもいいよ
密度ではかる詩を詩う部屋

10y

2016/04/07 19:49



[191316] 指輪
詩人:どるとる [投票][編集]


きっと あの恋は僕の人生で一番ってくらい 素敵な恋だった

だけど同じくらい悲しい恋だったよ

お互い 忙しくて会えない
離れてる時間が 二人を遠ざけた
ただ好きなだけでは
どうにもならないことがある

出会った頃は きっとどんな恋も楽しい

手をつなぐことに慣れてしまって

なんだかそれが次第につまらなくなって

互いの体の味をしめてしまった僕らは

いつの間にか君じゃない違う人に愛を求めていた

でも、君を愛した証にさよならの日

君に手渡した 銀の指輪。

2016/04/07 19:12



[191315] 明日、街に爆弾が落ちてきますように
詩人:どるとる [投票][編集]


宛のない道のりだ コンパスも役には立ちそうもない
ビルばかりの 街をナビ通りに潜り抜けてく
風に乗って 逃げようぜ世界の果てまで

自販機の売り切れの ジュース
いくら押しても出てこないんだ

青い空に雲が流れ 窓越しに見る 行き交う ワイパー

音沙汰もない 友人の死を数年経って 知ったときの落胆

それによく似た気持ちだ どうか願わくば

明日、世界に爆弾が落ちてきますように

このあくびが止まらないほど平和を むごく脅かしてよ

小説の 前書きにあるような 苦節何十年のあれやこれや
並べ立てた なんとか賞のベストセラー
飽きるくらい 変わらない街と同じだ

雨に濡れてよれよれの雑誌のグラビア
何人の男を 彼女は興奮させたのか

数年付き合った彼女の薬指に光る ダイアの指輪

来月結婚するのって彼女は 笑ってあの日を回想する

下のほうが下手くそな 話ばかりする

時が経てば人も汚れて変わってしまう

良くも悪くも 清楚だった筈の彼女はどこに行ったんだろう

独身最後の 過ちを
僕は彼女に 吹っ掛けた

彼女はイチもニもなく 了承した
僕は悲しくなったよ

青い空に雲が流れ 窓越しに見る 行き交う ワイパー

音沙汰もない 友人の死を数年経って 知ったときの落胆

それによく似た気持ちだ どうか願わくば

明日、世界に爆弾が落ちてきますように

このあくびが止まらないほど平和を むごく脅かしてよ

戦争もない刺激のない毎日で平和ボケしてる僕らの目を覚まさせてよ

真っ黒い夢から。

2016/04/07 19:04
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