詩人:どるとる | [投票][編集] |
河川敷に 夕日が沈む陽射しがこぼれ 川面に 反射してキラキラ光る
誰かの帰り道を そっと寂しくないように
見守る 見えないあたたかい手がある
「ただいま おかえり」 言い交わす 今日も
ひとりにひとつの1日を 歩いて来たんだね
その頑張りはきっと どこかで報われるんだ
あまりむくれないで 疲れたその体をいたわったなら
よく休めなさい 明日のために
少しだけ 日がのびたよ 五時のチャイムを聞くとお腹が鳴る
誰にも帰る場所があるといいなと 思うけど
おかえりを 言う人がいない人はどうすればいい
誰もいない 部屋におかえりを言うけど 返事はない
抱えた傷跡は 広がるばかりで 消えはしないけど
痛みと同じだけ手にしたはずの いくつかの喜びを
笑顔に変えて 明日に踏み出す力に していこう
そうして見えたものを信じればいい
ビルの影に 夕闇が見えたら
ちょっとだけ 泣きそうになる
いいんだよ我慢なんかしないで
泣きたいときは 泣くのが正解だ
涙を流しながら少しずつ
強くなることを覚えよう
ひとりにひとつの1日を 歩いて来たんだね
その頑張りはきっと どこかで報われるんだ
あまりむくれないで 疲れたその体をいたわったなら
よく休めなさい 明日のために
一人一人の見る夢が正夢になればいい
君の夢が 明日の空を彩る
ただひとつの色になるよ きれいだね。
詩人:♪羽音♪ | [投票][編集] |
浮気してるの?
ふ〜ん、そう
どうしたの?その顔?豆鉄砲を食らった
鳩みたい
「驚かないのか?」って
別に
それが男の本質ですから
「責めないの」って?
何で?
それが男の本能でしょ(笑)
治らないものを
怒ったって仕方ない
それはアナタの性癖よね
そんなものを
責めたって時間の無駄
ただコレだけは
覚えておいて…
許すも許さないも
そんなものはないの
私はアナタに
興味がないだけ
詩人:たかし ふゆ | [投票][編集] |
アルバイト募集のチラシが無造作に置かれていて
ああ、春だな、と思う
毎年こんな感じで
とりとめもなく
根拠もなく
何にもないまま、春だけを感じている
広い世界の
その中の小さな島国の
ほんの些細なひとところの
更に片隅で
男がたった一人で生きていく、という大変さと不便さ
手に職はない
だのに
生きていけるのだ、ということだけを証明したくて
走り続けている
猛然と
漠然と
俺はクジハシさんが好きなので
バイト先で必ず、クジハシさんを積極的に呼ぶ
意味もなく
理由もなく
何度も
何度も
前へ進むために
一呼吸だけ置く、という理不尽さと優しさ
俺は自分に甘いので
テキパキと動き、呼吸し、進み続けるクジハシさんに
ササキさん、
と呼ばれるだけで
動悸がする
動揺する
ああ、情けない
ああ、世は無情
俺は無言で叫ぶ
しかし
クジハシさんは、多分そうでもないのだと思う
詩人:たかし ふゆ | [投票][編集] |
昔、田園都市線は田園風景の中を走るものだと思っていた
南仏の原野を走る列車のようなものを
今でも珠に思いそうになる
二子玉川
たまプラーザ
アヴィニヨン
セザンヌの絵画の名も無き貴婦人
うららかな陽射しの中の温度と
何年か前の君のぬくもりとを
優しさと花弁の中で
重ねるように思い出す
オーバーラップ
前へ進む
ただ、手のひらに風を集めて
詩人:どるとる | [投票][編集] |
夕暮れが 過ぎて あっという間に夜だ
今日も誰かが 誰かを思う
そしてその誰かをまた違う誰かが思う
異なる2つの 思いが 結ばれて ギュッとつながる
その解釈で いくなら一体どれくらいの結び目がこの街にはあるのだろう
僕も誰かとどこかでつながっているのかなあ
終電に乗って 駅へと向かう そのひととき
ただぼんやりと眺める窓の外はロマンス
とうに過ぎ去ったマジックアワー
東京タワーが 七色に光ってる
まぶしいくらいの光に目をうばわれて
心はもう僕を置いて 旅をしている気分だ
そんなこんなで 気づけば降りる駅に着く
世代交代みたいにさ 東京タワーもスカイツリーにとってかわれて
でも僕は 地味なおまえのほうが好きだぜ
レールは つながってる 路線図は最早迷路のようさ
入り組んだ 道の先に僕が求める 場所があるのなら
連れていってよ まだ知らない 出会いが待っている明日へ
人生の転機みたいに分岐点を迎えたら
カーブして そのまま道なりに彼方へ
いつの間にか 過ぎ去った アフタヌーン
夜の街並みもまた格別だね
月も星も 輝いて見えるだろう
空が見えないなんて嘘っぱちだ
花も鳥も 隠れているだけなんだよ
映画のような シチュエーションは望めないけど
さえない僕のやり方で 広げた絨毯
夜明けまで 笑い倒そう マニュアル本は捨て置いて
とうに過ぎ去ったマジックアワー
東京タワーが 七色に光ってる
まぶしいくらいの光に目をうばわれて
心はもう僕を置いて 旅をしている気分だ
そんなこんなで 気づけば降りる駅に着く
開いたドアの向こうには
絵も知れない夜が 広がる。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
もしも海の中に 僕が生まれたなら僕らは魚だろうか
下手くそな僕の泳ぎのせいで 君が
大きな魚に食べられたら
僕は どうしようかな
余計な感情は 空の上に置いてきたから
ただ、生きるだけ 本能だけで生きてる
出産時に涙を流す 亀も
ちっとも感動的じゃないし
クジラの歌声も 僕にはただの鳴き声
それをどう受けとるかですべては変わってゆくよ
あざやかに色づく季節の始まりが 虹色なら
悲しみも 優しく見えるのに 痛みは避けられそうもないから
僕らは悲しみより先に幸せを 追い越せない。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
いつか生まれたばかりの僕が手にした物差しで
この世界を見ていた
目盛りを この世界に合わせてみても
世界は 合わせたそばからずれてゆく
手のひらが杯なら
そこに注ぐのは時でこぼれないように
或いはこぼさないようにするさ
幾重にも連なるDNAの螺旋階段を伝い届く僕の遺伝子番号
この先を 知ることはできない僕には
永遠を生きれない僕は途中でリタイアさ
幸せを望むなら
永遠なんていらない
百年でも多いくらいだ この感情は邪魔だ。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
引き出しの中にしまった 傷跡を
今さら 思い出して慌てて引っ張り出す
子供のとき大好きだったアニメの主題歌
歌いながらたどる小さな僕の足跡を
ないとわかっていながら 探す宝物
ステッキひと振りで出来るお手軽な魔法
そんな 奇跡に 出会うための 祝砲
夜明けに鳴らして 君に届きますように
目には見えない真っ白な手紙を送るよ
朝もやに隠れ潜む 顔見知りの悪意を
片手の指だけで数えられたらいい
約束の場所まではもう少し 走らなきゃ
水上バスが 波を立てて橋をくぐる
心の中につくった二人だけの秘密基地
旗には オリジナルのマーク
誰にも邪魔されない 素敵な妄想世界
二人だけにわかる暗号で示した未来
五月の 畦道に雷と雨が 降り注ぐ
雷に怯え濡れながら走った あの日
僕らは何処にいたんだろう
そして何処を目指していたんだろう
それさえ曖昧なのは誰のせいだろう
結局世界を 出来合いの物差しではかる日々
ステッキひと振りで出来るお手軽な魔法
そんな 奇跡に 出会うための 祝砲
夜明けに鳴らして 君に届きますように
目には見えない真っ白な手紙を送るよ
ありったけの思い出と一緒に。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
陳腐な言葉に すがりついて
いつの間にか 笑い飛ばしていた
ただ過ぎるだけに終始してる時間をもて余した
胃カメラのように伸縮自在の
自由なはずの思いは宛もなく 迷子になって
光と影の間を行き交う
あわよくば指先の止まり木においで 世界中にある
ありとあらゆる 奇跡の類いよ
僕に もう一度、幸いの再来を
一触即発の 大激闘
刃を合わせつばぜり合い 火花散る
夜明けに間に合うかなあ
急げば間に合うかなあ
たたんだ翼を 広げ思い出していた
忘れてしまった空の飛びかた
小説の前書きほど邪魔なものはない
早いとこ本文に進んで欲しいのに
くだらない作者の構想数年云々が 長々と続く
時計の秒針に ゆだねる思い
絶えず 仕事する その働きに
敬意をはらいたいよ
一周一分 高くない仕事
願わくば 甘さ控えめの 紅茶がお好みさ
だけどスパイスも欲しいところ
僕らのわがままは 行き着く先を知らず
右往左往する 道程
画面を飛び出す3D
それ以上のハイクオリティ 時代を先駆け
太陽を鷲掴みできるかなあ
高い壁飛び越えられるかな
土砂降り傘を放り投げて 歌う
言葉の雨が 隙間だらけの心に降る
僕は 少しずつ次第に 何かを知る
余白も 埋まってく
そのぶん余計なことも知る
だけど昨日よりはきっといくらかマシさ
今なら 下手くそだって 飛べるんだ
夜明けに間に合うかなあ
急げば間に合うかなあ
たたんだ翼を 広げ思い出していた
忘れてしまった空の飛びかた。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
手をつないで歩く そんな姿を
イメージしながら 幸せを描いてみる
まぶたの裏にぼうっと浮かぶ顔は
いつでも 笑ってる そんなイメージだ
大好きな人に 幸せになってもらうために
僕は 一歩引いて あなたの後ろを歩く
本当は あなたの隣を歩きたい僕なのに
きっとあなたを幸せにできるのは
あなたが大好きな僕じゃない人だから
遠くから見守るだけのドラマの脇役さ
ぼんやりとした あなたの顔を
何度も見ている筈なのに思い出せない
それはあなたを よく見ていないから
あなたの笑った顔や泣いた顔を
大好きな人のすべてを知っているつもりで
知っているのは ほんの少しのあなたでした
あなたを追い越せない 追い着けもしない
イメージするのがやっとなのさ
あなたにとっての一番の幸せは
あなたが大好きな人と結ばれることだ
あなたが選んだ人があなたの大好きな人
僕じゃなくても それはあなたが選んだ
この世界で 一番大好きな人
大好きな人に 幸せになってもらうために
僕は 一歩引いて あなたの後ろを歩く
本当は あなたの隣を歩きたい僕なのに
きっとあなたを幸せにできるのは
あなたが大好きな僕じゃない人だから
遠くから見守るだけのドラマの脇役さ。