詩人:どるとる | [投票][編集] |
ばらばらの音が重なって
ひとつのメロディになるように
そこから 歌にもなる
可能性という足が生えて
自分の足で 立って歩いてく
いくつかの選択肢へ
虹のような七色のオーケストラ
ひとつじゃない 複雑でいて繊細な細やかな仕事
完成された美学 それは完全犯罪
解けないミステリー 胸騒ぎのサスペンス
答えなんかいらないよ
自由な 解釈で如何様にも広がる世界。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
裏路地を吹き抜ける風の名前を
どこかで 覚えてるのはなぜだろう
輪郭だけを 記憶しているんだろう
ふれたときの感触が残ってるんだろう
たとえば 誰かの手のやわらかな
月のような 丸みを帯びた滑らかさを
水面に イメージが船のように浮かぶよ
そんなに波のない海をゆうゆうと進むよ
そのまま夜明けまで漕いで 雲隠れ
白黒のデッサン 昔のテレビみたい
コロネみたいなお下げ髪が 揺れるよ
道を外れて 地図を持たずに 遭難です
デタラメな 線をどこまでも伸ばして
あとは気ままな 心が矢印になって
雲のあしあとを 追いかけるよ
きっとその先にあるんだ
ずっと 追いかけてたすべてが。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
蜘蛛が糸を吐くように レールを手繰り寄せる
電車は走る 何も見えない闇の中を 明かりひとつたずさえて
長い芋虫 這うように走る
赤く錆び付いた 鉄の道を
窓に映る 間抜け面した自分の顔
時々目があって 気まずくなって
船を漕ぐように うとうとしかけて
眠らないようにつとめてる終電の男
あらすじを読むのも疲れたので ちょっとたまには
出来合いの 筋道をそれて 獣道に分けいるのです
くしゃみ一発 数キロ先まで飛ぶ
ミクロの菌類 着地したかもわからない
暗くなったり明るくなったり
目を閉じたり開いたりの繰り返し
あやふやで曖昧な思考が回る
意識の外れでお腹が鳴る 胃袋エンプティ
改札を 抜ければほらやけに月のきれいな夜
黄色い 満月が 夜空を泳いでく すいすいと
幸い悲しみはぼんやりしてる
今ならどうにかこうにか笑えるぜ
窓に映る 間抜け面した自分の顔
時々目があって 気まずくなって
船を漕ぐように うとうとしかけて
眠らないようにつとめてる終電の男。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
昨日寝ないで 書いた君への手紙
ロッカーの中に入れました
下手くそな字だから読めるか心配だ
だけど心を込めて書きました
返事をくれたらうれしいんだけど
きっと優しい君のことだから
ことわるときも傷つけないように
返事をくれるんだろう
恋をしたのは 桜が散る頃でした
君は いつも 眩しくて 教室を通るたび
楽しそうに笑う君を見かけては 心を揺らしてた。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
透明な水のように 一切の淀みのない
あたたの瞳を まっすぐに見つめるたび
僕の中にある 汚さだとか負の感情を
より明確にはっきりと気付いてしまう
こんな僕が君を愛していいのかなと
当たり前なことを思ってしまうよ
水と油みたいな僕らは交わることもなく
ただ 別々の手と手をつないで そして
ひとつになったような気になって
愛してると ごまかしているだけだ
すべてをわかりあえないことで
僕らはそれを理由に つないだ手を離して
だけど離れた手をつなぐのは いつも
わかりあえない 心をわかろうとする心
見えない あなたの心を教えてくれるのは
涙や笑顔といった目に見えるもののおかげ
優しくもなれず 厳しくもなれないから
どっちつかずの真ん中でさまよってる
いっそのこと傷つけてしまえるのなら
痛みさえ安らぎに変えることができたら
背中あわせでも見えるものがある
離れたときの寂しさの向こうにある光
会えないことがこんなにも悲しいこと
気づかなかったでしょう 僕も君も
愛をもってしても 心には介入できない
他人の壁を越えるには些か無理がある
離れないように握られた手は
離したのと同じ手だ
離れてたはずの手だ
明日また明日 過ぎてく日々の中
昨日は 傷つけた人が明日には 愛しくて堪らなくなる
この気持ちはなんだろう
どっちも嘘じゃないのに
手のひらを返したように
あなたを思う感情が色ちがい
すべてをわかりあえないことで
僕らはそれを理由に つないだ手を離して
だけど離れた手をつなぐのは いつも
わかりあえない 心をわかろうとする心。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
どこまで行こうか 終わらない物語
探しながら 旅人気取りで旅立つ
小さな六畳ほどの僕の部屋にも幸せはあるのです
たまには 大袈裟なくらい笑って
辛い出来事に 泣いたりして
そんな 毎日を暮らしている
気づけば日は落ちて夜になって
悩みなんかうやむやになって
晴れ渡る空に 浮かぶ白いわた雲
高架下の 寂しさや校庭の光と影
路地裏の哀愁や 置き忘れた傘
歩いて数分 本屋まで 話しながら 行こう
とりとめもない 日々が それこそ
永遠に続くのならそれもまたいい
自殺したあいつを思い出す
どんな気持ちでさよならしたろう
悲しみは命を 脅かすものなんだ
嫌いなものみたいに残せたらいいのに
人でごった返す街にまた 夜明けが来て
まるで当たり前みたいに僕は働いて
「疲れたなあ」なんてため息吐きながら
煙草をふかすだろう
たまには 大袈裟なくらい笑って
辛い出来事に 泣いたりして
そんな 毎日を暮らしている
気づけば日は落ちて夜になって
悩みなんかうやむやになって
晴れ渡る空に 浮かぶ白いわた雲。
詩人:そほと | [投票][編集] |
細い糸の
蚕の糸の
それよりまだ透明で
儚い糸に引かれここに着いた
薄暗い小さな池の水は
新しくもあり古くもあり
そもそも水は地球という心が
宇宙の塵芥を引き寄せて以来
大気圏内に閉じ込められているのだから
古いに違いないのだが
酸素と水素に分解する消滅と再生は有ろう
鏡が池という心に引き寄せられ集うH2O
水鏡となり神功皇后の伝承を残す
細い糸は
私の体内に滞在している水の
1分子の遠い記憶から出ていた
詩人:なってくる | [投票][編集] |
薄める
溶かす
緩める
流す
引きつく
跳ねる
届ける
潤わす
唄う
煮立つ
繋ぐ
伸ばす
吸い上がる
冷ます
渡す
降らす
洗う
膨らます
押し上げる
溢れる
伝う
こぼれる
濡らす
滲む
潜る
揺らぐ
浮かす
漂う
広げる
巡らす
浸る
みちみちと 満ちて
詩人:自己満足 2 | [投票][編集] |
行方不明だった親父が、昨日 死んだと知らされた
生きていれば、死は必ず訪れる
誰も免れやしねぇんだ
…ただ
親不幸ばかりしていたこと
死に目に会えなかったこと
ごめん って謝りたかった
今迄 ありがとう って言いたかった
父ちゃん
貧乏してても俺達大人になるまで育ててくれて
本当にありがとう
生活保護を受けながら生活してたんだな
死ぬ前に、なんでもいいから親孝行したかったよ
宮崎の空を見せてやりたかったよ
さようなら
ごめんなさい
ありがとう
馬鹿な俺を許してください
詩人:高級スプーン似 | [投票][編集] |
ソシャゲに注ぎ込んだ
何か月分もの給料よりも
人生のいくらかの時間を
溶かした罪は大きいか
神も居場所もない部屋で
息絶えるように懺悔する
必死になる方向を間違え
見失った自分
探しに行くための費用
いくらかかっても本末転倒
反省も後悔も済んだなら
蛻の殻にもう一度
魂を注ぎ込めよお前