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[190850] ウィークエンド
詩人:どるとる [投票][編集]


東京に 暮らしはじめて 早いものでもう
十数年の年月が 流れてしまいました

東京には23もの区があるんです
なるほど 広すぎて迷うはずだな

いつもの駅で いつもの顔で
代わり映えしない景色の中で
いつもと同じ気持ちで生きてる

窓の外に映るのは通りすぎていくだけの
他愛ない 会話のようなどうでもいい景色

いつか信じていた夢を追いかける気持ち
そんなものがあったことさえ忘れたよ

人の数だけある暮らし 見えないお互いを
思いながら 交わせぬ温もりは寂しそうに
月に一度会える週末を待っている

覚えたそばから忘れる 駅の名前とか
この前、会ったはずの誰かの名前

積まれた本の下敷きになってる日記には
日記をつけた最初の日以降の記述はない

いつもの場所でいつもの彼に会う
会う前から 抱く気持ちも同じ
飛び出しそうな胸のドキドキ隠せない

人生に終点なんてものがあるとしたら
多分今なんだろうなって諦めたすべてを

今さら名残惜しくなって 追いかけても
追い着ける筈もなく離されてくばかりだ

なくしたものの数だけ何かを手にしても
今あるすべてが紛れもなく僕のすべてだ
そして呆気なく迎えるのはウィークエンド


会えないぶんだけ募らせてた思いを
少しだけ言葉にしたくて 弱いふりしてみる
そんな些細な企みさえ感じてほしいの

窓の外に映るのは通りすぎていくだけの
他愛ない 会話のようなどうでもいい景色

いつか信じていた夢を追いかける気持ち
そんなものがあったことさえ忘れたよ

人の数だけある暮らし 見えないお互いを
思いながら 交わせぬ温もりは寂しそうに
月に一度会える週末を待っている

あなたに会うためだけの忙しさを

週末には 歓びに変えてしまう君に脱帽。

2016/02/05 12:24



[190849] 猫飼い
詩人:清彦 [投票][編集]

彼は猫を飼っていた

彼は猫を好いていた

猫はというと彼を好いてはいなかった

だが彼の住む温かい部屋を好いていた

日に二度与えられる餌を好いていた

窓から降り注ぐ日光を好いていた



彼の家族は既にこの世を発っていた

彼は嫁もとらずに仕事に打ち込んでいたので

周囲は彼を心配した


彼は疲れていた

実に彼は病気に蝕まれていた

だが彼はあるとき悟った


もろもろの悩み

不安や怒りや恐怖は彼自身に過ぎなかった

同時に、彼の今までの一切の歓び

安心や信念や快楽

それらも、彼自身に過ぎなかった

それらはすべて幻であった

それら一切は迷妄であった



彼は、彼の一切は欲望や願望であることを知った

彼は、彼の一切を条件付きの現象であることを知った

彼は、彼の一切をただの流れであることを知った

彼は、彼の一切を言葉には出来ないことを知った

彼は、彼の一切を言うなれば彼自身であることを知った

彼は、彼自身とそれ以外の区別の必要が無くなった


それ以来、彼は執着を断った

もはや何事も愛でず

何事にも怒らず

何事にも悩まされず

何事にも抗わず

彼は、彼と一切を同化してひとつに静まり返った


それから、猫は餌も与えられずにいたので

彼が樹や岩のようになったのだと思って

やがて、彼のもとを離れていった



2016/02/06 21:35



[190848] 手編みの未来
詩人:きよたか [投票][編集]

あなたの こころ は
きっと毛糸で出来ているんだね。

そっ と触れようとすると
あたたかくって
包み込んでくれるような。

そんな気持ちになるから
きっとそう。

だからわたしは
いっそ毛糸になって

あなたと紡がれていきたい
と思った。

あなたと寄り添って
丁寧に編み込まれていきたい

そうしたらわたしも
あなたみたいになれそうな気がして。


けれど

ふとしたことで少しよじれて

直したいのに直せなくて

余計に絡み合って

どうにもならなくなって





"全く同じものではないから、仕方ないんだよ"




そっ とそう言って
抱きしめてくれたあなたは

やっぱりあたたかくて。


"大事なことは
どこかで諦めても
決して辞めないことなんだよ"


そう続けたあなたを

わたしは
ぎゅっ と抱きしめた。



いつか


出来るだけ遠い未来に


どちらかの毛糸が
足りなくなってしまったとき

二人の宝物を
あたたかく包み込んであげられるくらいの

マフラーになれたらいい。

わたしはあなたと
そんな人になりたい。

2016/02/05 12:03



[190847] あの場所に帰る頃
詩人:清彦 [投票][編集]

相変わらずだよなぁって

電話で話した

懐かしい

もう 遠い日


夕方の帰り道が

当たり前のように

この僕の、辺りを包み込んだ



それじゃあなって

また僕は僕だけの夜に帰る

まるで、一日を終えて

夢に旅立つように



静かな部屋には

僅かな香

小さな気がしてた

笑顔や冗談の小言たち



そうだな

帰り際にあの娘の家に寄っていきたい

もう、会わなくなって

随分 経った けれど


あの頃と変わらない笑顔で

懐かしいなぁ

…だなんて 言いたい



逆さまに返した砂時計

…ねえ?

本当はずっと長い間

愛していた気がするよ



いつまでもずっと一緒だって

手を繋いだ笑顔が

遥かな場所で今も生きてる


あの頃と変わらない笑顔で

じゃあまたな

…だなんて言いたい



もう一度、さよならのつもりで

ありがとう って

笑顔で 言ってみたい




2016/02/05 11:35



[190846] BGMのよに
詩人:小さな貝がら [投票][編集]

包んでよ
さりげなく
流れるBGMのよに

私の事
いつまでも
優しく見守って下さい

冷たい心のままの私
幾年経っても
愛を知らない

陽の当たる場所
誰かの優しさ
知らないまま
生きてきた

やっと出会った
貴方から
求めるのは
触れたいのは

優しさと言う名の愛
ただそれだけを
求めている

いつまでも
いつまでも
途切れず
消える事もなく

見つめていて
触れていて
愛していて

私1人だけを...

重くてごめんなさい

だけど信じたい
最後だと思いたい

貴方との出会い

いつまでも
さりげなく
流れるBGMのよに

包んでよ
私だけ
過去も現在も未来も

愛してよ...

By 音無詞 詩
☆2016年2月作☆

2016/02/05 02:17

[190845] むなしい
詩人:絶対零度 [投票][編集]

生きていること
が、とても退屈で
仕事をしても
本を読んでも
詩をつくっても
みたされない

たすけて
とても消えてしまいたい

2016/02/04 22:51



[190844] Fu・To・N-春じゃなくても暁覚えたくない-
詩人:里雨夜 [投票][編集]


ヘトヘトの身体も

擦り切れた心も

優しく受け止めて温めてくれる


甘い夢へと誘い

明日も頑張れるように

記憶と忘却を手助けしてくれる


今宵もその胸で私を包んで

2016/02/04 22:05



[190842] ラトキヱ
詩人:ふくざわゆいと [投票][編集]

悪いことをしている



分かっている その自覚がある



悪いことをし続けている



けれど 仕方ない



生きるため



幼い妹、弟を養うため



戦争に巻き込まれて 両親はいない



「私が育てなきゃ…」



そんな使命感と引き替えに



コードネーム 107



私の流した情報で 戦争がまた始まっていく



潜入先の敵戦艦には



家に置いてきた 妹や弟と



変わらない年頃の子供たち



「なんてことをしてしまったんだ…」



「この子たちをも巻き込んでしまったのか…」



強い後悔に襲われて



こんな人生を変えたくて



キッカケが すぐ目の前にあって



だから それにすがる思いで



迷わず 飛び込んだ



それで救われるのか 分からない



けれど なにもせずにはいられない



変われそうな気がして



今までの罪の意識もあって



せめてもの償いをしたくて



なにかの役に立ちたくて



だから 危険と知りながら



彼女は 飛び込んだ














そして そのまま帰らなかった…

2016/02/04 14:29



[190841] 
詩人:どるとる [投票][編集]


アスファルトに影を落として
近づけそうで 近づかない距離から

君の手をじっと見つめているよ
今ならその手を握ることができる

夕暮れが赤く染める街を歩く僕らは
宛もなく 頼りなく行き場のない思いを

孤独に抱きながら笑うことも泣くことも
特別にしないで 黙ったままの静かな恋です。

2016/02/04 14:05



[190840] ここにいるよ
詩人:どるとる [投票][編集]


ずっとここにいるよ
頼りないかもしれないけど
不器用だけどそれでもいいなら
ずっとここにいるよ

日が暮れて あたりが静かになって
子供たちの笑い声もすっかり聞こえないね

僕は寂しくて どこか切なくて
あなたの声を 聞きたくなる

ふいに浮かんだ あの笑顔が今も
この胸に懐かしく よみがえる

変わらない君の匂いをした風が吹くよ
会いたいと思ってはいけないのに。

2016/02/04 13:40
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