詩人:遥 カズナ | [投票][編集] |
書いて
想いが
伝わるなんて
信じてしまった
十字架のような
痩せこけようもない
案山子を背負い
見世物小屋を渡り歩く
貧素な心持ちを
隠すように着飾って
時のペダルを
ギコギコこいで
新装開店のビラみたいに
書いて、空高く
バラ撒いてきてやった
そりゃ、若いうちはよかった
そう言うと
そう見られて
見返そうとして
達観を気取ろうとしても
坂道
息が切れしそうになるのは
どうしようもない
くたばるのには
まだ、早いけれど
生き急ぐ気力も失せたなら
どうしたらいい
それでも
書いて
放り上げるように
バラ撒く
花びらが散る
情けないのは
そんなに
いけないか
ユダではないだろうに
詩人:理恵 | [投票][編集] |
はらりと一つ、雪が落ちる
つららは下に下にと伸びていく
鋭く尖る冷たい刃は
透明な光を帯びたまま
私の知らない合間に
世界は動く
蠢いている
未知の敵に翻弄されて
いつの間にか消えた境界線にも
私たちは気づかない
こんな時ばっかり
こんな時ばっかり
優しさなのかもわからない
厳しさなのかもわからない
今までの綺麗事の浅はかさだけが露呈して
真実は濁りを増していく
五回変化する魔王より
現実はいくらだって変化する
そのうちただの文字だったのが
言葉を紡ぎ星座になり
私たちに迫ってくる
と、学者は言う
私たちはきっとまだ
迷い続ける
この声を枯らして
その涙が涸れるまで
2022.1.27.
詩人:EASY | [投票][編集] |
時間は存在しなくても
君は存在してるんだ
この意味は固くって
よく噛まないと飲み込めない
よく噛んで下さいって
栄養士は言うだろう?
僕は栄養士じゃなくて
僕だけど
僕は僕らしく、君は君らしくって
言ってみた、平日の夜中だ
詩人:EASY | [投票][編集] |
高いポテンシャルは
安いレトルトハンバーグ
安いチョコレート
その味に聞いてくれ
屋台で食べる焼きそばが
旨いのはその為だ
スーパースターが
努力の大切さについて語るよりは
ずっと深みがある
やっと見つけた四つ葉を
生物学者は奇形と言った
それを聞いた僕は
腹筋は笑いで鍛えるべきだと
教わった気がする
節約は金を貯める為ではなく
金が無いから行われるべきであり
ギャンブルは余裕があるからするのではなく
余裕がないからするべきだ
流れ星が綺麗なのは
そんな理由があるからだ
花は見せる為に咲くのではなく
咲きたいから咲いている
笑顔は作るものじゃなく
出る時に出るものだ
教えられた事には、農薬が降りかかり
野原を駆けずる姿には、太陽が降りかかる
詩人:EASY | [投票][編集] |
どの様にして世界は動いている?
この謎かけは
蟻の群がる蜂蜜みたいに甘く
魅力的な香りを漂わせ
お腹を空かせた小男にとっては
恰好の欲望だ
CMや広告を見てごらんよ?
現代社会がカッコをつけて
鏡の前で前髪を
整えてる姿に見えるだろ?
まるで喜劇の王様
チャップリンみたいだ
そういうの、嫌いではないよ
曇りと晴れが戦争したら
雨は仲裁に入るのかな?
それとも、雨は曇りの方が近いから
味方をするのかな?
戦争中はずっと雪が降るのかな?
そしたらきっと、世界は雪ダルマが支配する
どうしたら世界は
平和になるの?
君がそう言う、顔と声が
猫みたいにかわいいから
世界は平和だよ
問いかけは春のマシュマロみたいに
君を飲み込んだ
だって世界は、その様にして
動いているのだから
詩人:EASY | [投票][編集] |
数年前に取り替えた
テレビの古いアンテナは
今もまだ、ベランダにある
ノスタルジーを漂わせ
冬の太陽に照らされて
その光りを反射する
役割というものは
その様にして果たされる
カラスか鳩かわからないけれど
翼を持つそれは
僕の部屋の出窓の上を訪れる
僕の部屋の出窓は
鳥に関して定められた
世界的な何かしらの条約を
結ぶべきだと思う
それを教えてくれたのは
ベランダのアンテナだ
ほらね、こんなに小さな僕の部屋の中にも
世界はちゃんとあるんだ
喜怒哀楽を食物連鎖みたいに育んで
この小さな部屋は銀河みたいに回ってる
妖精は、枯れそうな観葉植物の茎を
滑り台にして遊んでる
明日は君の夢の中に
遊びに行くよ
予定通りに行かない事を確かめる為に
僕たちは夢を見るのだから
詩人:遥 カズナ | [投票][編集] |
けれんみなんかしらない
ふくろうは
くろうもないのに
「ホー ホー ホー」
となく
なんとなく
「ホー ホー ホー」
となく
ためいきでは
ないだろうに
やぶさかではない
きりぎりすなんかは
「ギーチョン ギーチョン」
となく
きりもなく なく
「ギーチョン ギーチョン」
となく
やぶから
ぼうに とびはねて
おいてきぼりは
みんな
いやだろうが
「ホー ホー」
「ギーチョン」
詩人:EASY | [投票][編集] |
生きるか死ぬかじゃなくて
抱きしめたいかどうかを
僕は基準に生きている
美味しい料理の秘訣は
味つけよりは空腹だ
空を飛ぶ為に必要なのは
羽じゃなくて
空を飛びたいと思う気持ちだよね?
こんな事に
?マークをつけたのは
時代の幕開けだからさ
君の気持ちを蔑ろにして
達成されるものはひとつもないよ
あったら僕に教えてくれないか?
全てが無理でも、それだけは
伝える事が出来るから
詩人:EASY | [投票][編集] |
感覚の先端への登頂
例えて言うのなら
それはエベレストの無酸素登頂に例えられる
その場所は夢の中
目覚めた瞬間に
おぼろ気な記憶を辿るような
小さな冬の朝に咲く
花のような
美しさを放っている
不思議の国のアリスは
普通の国でもアリス
アリスがアリスであることは
必然のアリスだ
昨日見た夢はどんなもの?
君は今日もお腹が空くよ
君が美味しいものを食べた時に
見せる笑顔は
昨日市場で、大間のマグロの値段を超えた
僕はそれを
無料より価値のあるものと交換する為に
生まれてきたんだ
難しいのに苦悩じゃないもの
そんな風に
世界はカラフルに
君を囲んでいるんだ
詩人:EASY | [投票][編集] |
車は移動の手段ではなく
寒く晴れた冬の日を表す為に
走っているんだ
排気ガスと騒音は
目に見えない煙のように
そっと僕らに語りかける
大切なものはどこにしまえばいい?
まるで子供の様に
僕たちはそれを知らない
目的地に着く為に
車は移動をしている
そんなことも知らずに
排気ガスと騒音を
目に見えない煙のように
振り撒きながら
それを詩にする誰かが
いることを
知っているかの様にして