詩人:遥 カズナ | [投票][編集] |
血飛沫のような
遺伝部質が
僅かに私にも
降りかかって
いたのかもしれない
言葉は実際
指先に感じる感触ほどに
思考のどこかしこの毛細をも
ゆき巡れる
と、言うよりも
疎通と言う意味において
具現化の手段としては
最も簡易的で
そうでなければ
考え事を
言葉に変換する必要すら
うまれまい
神と言う言葉は
誰にでも開放されたが
それは
言葉は神という
その形のあらわれに
他ならない
詩人:遥 カズナ | [投票][編集] |
次男が
釣り場で
ウンコを漏らしてしまい
公衆トイレで
履いていた下着とジーンズを
洗う
今日は
風が強すぎて
波も落ち着かなかった
誰かがトイレに入って来ないか
そうしたら、不快じゃないか
そんな事より、空は晴れている
釣り場の近くに
トイレも無いのに
誘った私が
悪いのだ
「ごめんなさい」
いや、それよりも
もっと
ちゃんと釣らして
やりたかった
もう昼過ぎ
帰りにパン屋で
「食べた事がない」
と言うので
デザートも買った
きっと、ほろ苦い
二人だけの
想い出になるだろう
詩人:浜崎 智幸 | [投票][編集] |
・
粉々に砕いたら白くなる
澄んだ石英
物陰で泣いていたあの人の
涙にも似て
──愛する人はどこにいる?
──愛は形がない気体(期待)?
ふりそそぐ白い粉
▽
いつの日かあの人を思い出し
泣く冬がくる
大切なあの人の名前さえ
忘れる頃に
──終わらね愛はどこにある?
──とても優しい人の手に?
ふりかかる白い粉
★★★★★★
詩人:遥 カズナ | [投票][編集] |
思い描いていた釣り場の
理想があった
足場がしっかりした防波堤で
竿を出したかった
テトラポットからでは
怖いから、やりたくなかった
車を
海に向かって
どんと、後ろ向きで駐車して
それで、ハッチバックのドアを
開けっ放し
そこへ腰掛けて
竿を出したかった
そこそこ魚影もあって
家からそうも遠くなく
他に釣り人もまばらな
そんな場所
そして
少し歩けばの範囲で
大物も狙えそうな
そんな釣り場
やっと、見つけたよ
今日は初めて
羽根つき餃子を焼いて
家族にふるまう事も出来た
嬉しいよ
詩人:遥 カズナ | [投票][編集] |
骨に
僅かに肉が
こびりついている
死んでしまった
理由は
食べられた
もうすぐ臭くなる
一昨日、切り傷にした
バンドエイドを剥がしとると
白くふやけた指先は
まだ、鈍く痛みもあり
乾いてもいない傷口は
かまってやる
余裕もないと
視線すら感じる
卑屈さがある
「もう、いいよ」
なんて
言うじゃあなかった
誰が食べてしまったか
なんて
どうでもよくはないけれど
どうでもよくならないと
どうにもならなくなって
しまうから
詩人:gof | [投票][編集] |
一太刀 一雫
一和音の狭間に
過ぎる真摯さよ
エレクトロに彩られた街で
孤独なエマニエルは
ひたすら研いでいる
車の排気ガス混じりの側道雑草さんよ
人知れぬ煌めきは幾多の流星に
生を享けた名もなき命の様に
ただ そこにある
主体性よ ひたすら貫いて
迷い彷徨いながら 迷わずゆけよ
人のカタチをした僕らなら
未だに性を受けられぬ色々を
呼び起こし 名付けることが
出来るはずなのだから
詩人:gof | [投票][編集] |
この掌に うらはらな
深淵と星 太陽と月
きみの笑顔なら
花束といつかの海に捧げた
言い訳は 常套手段
本当は 誰にも
知られてはいけない
季節の変わり目に
胸に手を当てた誓いは
金砂のように闇に散らせて
ガラス細工に塗して
まだ 未だに 隠し持っている
いつかの海 いつかの町
いつかの恋 いつかのキス
まだ 未だに 追憶に
今日に 瞼の裏に
隠し持っている
詩人:tabelnsky | [投票][編集] |
揺れる銀杏(いちょう)
吹雪く雨水
窓を伝う滴り
灰色の空とジャズの音に
クルクル回す銀スプーン
にゅーよーくかふぇヱの
ココアの温かさ
詩人:tabelnsky | [投票][編集] |
君の歌声は美しい
沢山の人の心を潤す
君の魂は麗しい
真っ直ぐで力強くて
過去に忘れてきた何かを
思い出させる
美しき薔薇に隠れた闇の
傷ついたBEASTの姿
何が正義かも分からず
混沌としたこの世の中に
ピンク髪の君へ
もう一度、心を震わせておくれ
SNSをも凌駕した
素顔の君とその歌声で