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[197340] 別れ
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

プラスチックやら
ビニールやらのゴミが
まだ
あまり無くて
ささいなものなら
どこへでも
投げ捨てられた頃

港で見上げると
圧迫感さえ感じる
客船が出港する

「ボーーーーーー」っと

汽笛が轟き
幾つもの色鮮やかな
紙テープが
空を背してたなびき
岸との狭間に
満開の
色とりどりの想いを
細長く撒き散らす

要らなくなったから
離れていくわけではない
握り締めた
紙テープの両端を
互いに

一度でもいい
血みどろの
殴り合いの喧嘩でも
やってみるべき
だったのかも
しれない

ちぎれて
捨てさるしか
無いくらいなら

2021/09/12 14:17



[197336] エンジェル
詩人:レオナルド・ダ・ウンチ [投票][編集]

セックスしたいんですけど・・・
問題点
相手がいない
好きな人もいない
人から好かれてもいない
友達は壁
なんか・・死にたいんですけど・・・

私なんて路傍の石ころ
いや
砂くらいの存在

お友達とペアを組みましょう
そう言われて固まる
静かにもう一人の自分とペアを組んだが
それは認められなかった

無表情の仮面の下で
精一杯ムンクの叫び

いっぱい人はいるはずなのに
私のもとには誰も寄り付かない
それは
とてもみじめで
みんなが集っている分
余計にさみしかった


2021/09/08 21:58



[197332] 部外者
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

あの空の星の瞬きに
ときめくとか
話す僕に
もっと
もっとちゃんとしろ
と君は胸ぐらを掴む

いやだいやだ
もっともっと
だらしなくしたい
ふらちに遊びまわりたい

詩のかくしんの
周辺は
あまりに
不穏でいたたまれない
その縁には
おびただしい
巡礼者の死体が
転がっている

そんな嘘が
書きたくなる

到底、僕にはできない

だって外では
あんなに
ほら
遥か幾億光年の彼方から
たどり着いた
星々のさんざめきが
美しいじゃないか
こんな
稚拙な文章を数百年、数千年、数億年
反芻する読み方もあっていい

貧弱な
読解を慈しむ
無限に他愛もない
先々も
きっとあって
いい

そっと
しておいて
おくれ

もう少し
空を
眺めていたいんだ

2021/10/16 21:40



[197325] 鈴の音
詩人:猫のあし [投票][編集]

ずっと耳元で鳴ってる

この鈴の音

しっかりと

何かが始まりそうな

起こりそうな

鈴の音

僕の耳に しっかりと

今なら 受け止められる気がする

ワクワク

ドキドキ…

2021/08/30 21:03



[197323] 闇落ち
詩人:紙一重 [投票][編集]

全然思うようにならない

足りない 足りない

足りないばかり考えてるのが
きっといけない

わかってる

正論はもううんざり

なんでもいいよって
マリアのような寛大な心がほしかった
私は無理だった

必要だと思ったから言った

謝られた

おしまいにできたらいいんだろうなあ

でもなんか気まずくて

後悔とかも

でも言わないのは無理だったし

ぐるぐる

もう何も考えたくないんだ

何も

2021/08/30 07:19

[197321] 分かりきった頭 精密に神経質な身体
詩人:雪 刀寿 [投票][編集]

人間の精神は何もかも考えあぐねた
分かりきったつもりの態度のおばさんが
こわかった

コロナは変えた

具体的に違う皆が分かるおじさんは
安全に道を拡げる

狭い村なら 旨く征く

村を連ねた横繋がりを
シルクロードとして

パターンを決めて
細分化し、均等に振り分けるか

神経質な身体が夢を増やす
椅子も手製
家も樹木で編み出した

衣類は草木染めの籠式

タクシーのドアマンはうやうやしく
ガリ版印刷の読み物を売る

2021/08/27 21:56



[197320] 電気人形の結婚
詩人:雪 刀寿 [投票][編集]

心を投げたように
懸命につなげても
秘密の結婚のほうが幸せになれる

電気人形は 邪魔な人脈が密着して
あつぐるしい
わずらわしい おかしくなる

恋に思い入れ、破った恋が
まだ体を切り刻む

好きなコの相手になりすまして
間違わせる快感

今どき こうして、別世界をうーろ・うろ




2021/08/26 22:49



[197318] 17時にて
詩人:理恵 [投票][編集]


西日の差し込むカフェのすみ
一人の客が出ていった
もうあとは厨房から聞こえる
食器のぶつかる音だけ


私は最初から一人だった
あの人も一人だった


ただ、肩の痛みが
本の世界に入ることを許さないから
私はあの人を見送っただけ


これがコロナ禍か、と感傷に浸るふりしても


私は一人だった
最初から一人だった


この世に生を受けたとき
誰と繋がっていたか思い出せない




光の沈むカフェの中は
不自然なほど落ち着いていた







2021.8.25.

2021/08/25 17:12



[197315] 視野
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

仕事終わりには
よく

雲を眺める

この
世界の光景は
物質に光があたったとき
それぞれの特有の性質で
反射できる光の色が
そのものの色彩になる

夕暮れの雲は
白桃のようにも
それとも
グレーに近い紫陽花か

立ち止まって
空ばかり
眺めていると
通りすがりや
近所の誰かから
変わり者のように
見られているだろう

いや
なんでこんなにも壮厳で
どんな画家でも表現出来ない
ましてや文字になんて
しようもない
全天に描かれた
揺れ動く光と絵の具
色彩のプラネタリウムを
無視していられるのか
みんな
何を見ている

だとしても
どうして
俺は
いつもこうも
喧嘩腰なのか

きっと
被害妄想
なのだろう

夕映えの空
その美しさが
誰しもに
伝わっていないなんて
馬鹿げている

そんなわけはない

2021/09/01 23:31



[197313] きらーとまと
詩人:あいく [投票][編集]


葉も落ちて

まだ緑のトマト

我に似たり


【※日誌(21/08/14pm)より引っ越し】

2021/08/22 17:09
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