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[102723] しゃるとりゅーず。
詩人:松尾 優月 [投票][編集]

 燈籠影絵に語るあたしには、
 咲かない蕾で、生まれた。
 夜露は蒼玉月。
 照らす離れ、離れ並木。
 
萌芽だからこそ摘まみたい。
それまでの枝先。
潤んだ桜月夜。
後悔はしたくないから、
剥離からの一枝が震え、
抱きしめる度に舞い散る。
ひら。ひら、ひとりてのひら。
  
枯れ落ちない為の、
花瓶はあなたを覚えています。
 (水瓶座かしら、
  重なり合う桜は、
  あるのだけれど、
  繋ぐ星座線。
  ひとりでは、
  自らを抱きしめる行動で、
  さらに、散らすでしょう)
朝焼けのない、
まぶた。に花びら、桜霞。
燈籠は消えていくままに、

 てのなるほうへ。
 ねえ、てのなるほうへ。
 さきかさなりあう、
 むこう、がわ。
 かこ。は、みえないとは、
 いわない。

 慕う蕾は聞こえているかい。
 あたしの帰路に龍路地からの、
 桜清水流れ、神社。
 うねる、夢眠る枝垂れ。
 桜の髪飾りが、ひとひら。
 波紋を聴かせる。
 遠浅の海鳴りのような、
 素振りしか。
 今は、出来ません。
 枝垂れ桜は泪を浮かべ、
 しばらく朝陽を見送り、
 白い。と、湿る風の音。
 下る方向は波の、
 あがった場所から、
 身体という入れ物から、
 くだり、くだり。
 ぷらう、ぷらう。
 陽光を移し替えている。
 見上げ、高い場所で、
 吹きのばした香り。
 
空が光って青いとき、
この桜と、この桜。
ぱしゃ、ぱしゃ。
今年のおしまい。は、
どちらが先かしら。
あんまりにも、あおく、
ひかって、うるんで、
さくら、透かすから。
両手で、掬って、
あたしの入れ物に、
ひとゆびずつ、一滴ずつ。
溢れ出すぎりぎりかな?
の、笑み軽く、桜。
浮かべたなら蓋をして。

未だ咲かない蕾と見つめ合う。
今日も桜清水の前髪は。
うつむいたまま。
  
 慕う蕾は聞こえているかい。
 あたしの帰路に龍路地からの、
 桜清水流れ、神社。
 うねる、夢眠る枝垂れ。
 桜の髪飾りが、ひとひら。
 波紋を聴かせる。
 遠浅の海鳴りのような、
 素振りしか。
 今は、出来ません。

  枝垂れ桜遠く、離れ並木
  巡り刻む、桜月夜。

2007/06/02

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