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[10344] 降るコブタ
もう
どうにもならない、と判り
前にも後ろにもすすめずに
つり橋の真ん中で
たちすくんでいた
ここまで来ただけでもいいんじゃない、と
きっと誰もが口をそろえる
けれど
そんなことはどうでもいい
呆然としていたら
下から風が吹いてきて
つり橋が揺れ
ハッと我にかえった
どうしたものかと思って
空を見上げたら
雲の間から
たくさんのコブタが降ってきて
ぼくは
ちょっと 笑ってしまった
笑ってしまったんだ
2004/07/31
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