| 詩人:はちざえもん | [投票][編集] |
夢の中で抱いた過去の面影が夢から覚めてまたまた蘇る。
初夏の風が新緑の森を揺らす頃、逃げ続けた事実が胸を塞ぐ。
穏やかな日々が過ぎ行くほどに、真綿で首を絞めるような罪悪感が僕の中で芽吹いては、消える。
真新しい麦藁帽子を揺らせて笑いかける君の笑顔はどんな罵声よりも辛く感じる。
指と指の間をすり抜けては落ちてゆく そんな不確かな感情を抱きしめながら、気付かぬふりして日々が過ぎていく。
ありがちな幸福を享受する僕は罪に塗れた右手で君の頬を撫で、
ニヤついた顔を晒しながら君を抱きしめる。
罪は薄れない。
どんな贖罪の手段もない。
ましてや失うことを恐れて贖罪の手段すら放棄した僕には。
麦藁の君と僕の子。日差しの強い初夏の午後に揺れる畦道の先で微笑みかけては抱きとめる。
何よりも痛いのは、何も知らない君が僕に向けるの笑顔。
偽善者は笑う 醜い素顔を隠しながら