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[105039] 硝子片の中の金魚
詩人:はちざえもん [投票][編集]

まどろむ部屋の片隅で 細る呼吸を感じて 銃声で掻き消した 時間を掌る神の一声 歓喜に揺れる街角に一人 群衆の中で一人きり
逆流を始める記憶の渦を 吐き気のような嫌悪感が襲う 書き殴った教書の一節 果たして神は何処にあらせられるか
鼓動を感じて 生きている事を知る 呼吸を止めて 死ぬことを感じる 心で感じる確かな矛盾 存在に対する確かな不安
神の在らせられる場所まで 幾重に思いを掻き立てる 書き殴る教書の一節 矛盾からも不安からも逃れたい
地平の果てで 花が萎れて それと知らずに 今日も生きている  壁を隔てた隣で あなたが惑い 何も知らずに 頬杖をつく
引き金を引いて 骨を弾いて 何も知りはしない 果ての出来事さ 真っ赤な絵の具が 部屋を彩り 不思議な気分で 矛盾へさよなら
何も知らない預言者が導く 逃避行の果てには 気づかぬふりして逃げていただけの 存在への不安が 不確かに彩る
逃れられない自身への疑惑が 膨らむ頃に群集は気が付かぬふりして 波に擡げて麦秋への一人旅 情感溢れる才への独り善がり

赤い絵の具で彩る 教書の一節を 矛盾からの開放と名付けるなら 哲学をやめて情感の渦へと迷い込むそれを 懐ける季節への不確かな脱却と名付けよう

2007/07/09

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